ED1続編「加奈告白バージョン」
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俺(隆道)が大学から帰宅すると、俺宛ての手紙があった。
「加奈から手紙……?」
加奈から手紙が来ること自体、珍しいことだ。
年賀状や暑中見舞いは送ってくるが。
……そう。つまり、その時期、加奈はうちにはいない。
実は、別居して以来、加奈はうちには一度も帰っていない。
「別居して……」という加奈の意思が、相当強いのだろう。
実は、俺もその本屋には一度も行ったことがない。
両親は、たまに行っている……らしい。
加奈からの電話には出るが、すぐに両親に代わるか、適当にしゃべって切る。
そういう加奈の意思を尊重したいからだろうか。
それとも……、まだ俺は加奈に未練を持っているのか。
加奈を「妹」として見れないからだろうか。
加奈と別居して以来、俺は考えていた。
最近酒量が増えたのも、このせいだ。
確かに俺は加奈を愛していた。加奈も俺を愛してくれていた。
しかし、世間から見れば、たとえ義理でも「兄妹」は「兄妹」だ。
祝福されない仲なのかもしれない。親からも祝福されないかもしれない。
それが、加奈にとって本当に幸せなのか……。
確かに、夕美と完全に別れて以来、俺には「彼女」がいない。
夕美が加奈に似ていたから、付き合い、そして別れた。
俺が夕美と別れたのは、当然のことだ。加奈を忘れるためだ……。
一方、俺はどうであろうと、加奈は「彼氏」を作ることができる。
それに、加奈自身の「環境」が変わったんだ。
俺に対する加奈の気持ちが永遠である保証はない。
そして……、もしかして、それを「俺が」祝福しなければならないときが……。
「……ちっ!」
俺は頭を振った。……とりあえず手紙を読まなければ。
「藤堂隆道様
○月○日午後○時、公園でお待ちしています。
必ず、あなた一人で来てください。
あなたが来てくださるまで、ずっとお待ちしています。
藤堂加奈」(注1)
……文面はこれだけだった。これだけの用なら、電話すればいいのに。
「……『ずっと待ってる』……か。」
別居して以来一度も会っていないから、すっぽかされると思ったのか。
それとも、どうしても俺「だけ」に伝えたい、何か重要なことでもあるのか。
俺の頭に、先程の「不安」がよみがえった。
「まさか、加奈に……!」
……俺の予感はたいてい当たっていた。それも、悪い方に。
「悪い方?ははは、我が妹に新たな幸せが見つかったかもしれないのにか?
……今の俺には、皮肉以外の何物でもないな……。」
苦笑しつつ、よく見ると、名前の書き方も気になった。
「以前なら、『お兄ちゃんへ、……、加奈より』と書いていたはずだ。
それに、『あなた』なんて……。これじゃ、まるで……。」
……そうだ、こんな手紙、俺は以前見たことがある。
いや、書いたことがある。しかし、あのときは……。
不安や疑問、さまざまな思いを抱きつつ、俺はその日を待った。
そして、○月○日……。(注2)
「加奈、……待ったか?」
「ううん。」
他愛ない会話を二、三。そして……。
「……実は、私、男の人に手紙を出して会う約束するの、前から憧れてたの。
お兄ちゃん、いつか私に、『初恋のこと』を話してくれたでしょ?そのときから、
ずっと……。そして、いつか、私もお兄ちゃんみたいな人に出会ったら……って。」
俺は内心笑った。そして、理解した。俺に「彼女」がいない理由を。
簡単なことだった。結局俺は『加奈みたいな』彼女を探していたんだ。
「私、お兄ちゃんから距離を置きたくて別居したのに。
でも、結局お兄ちゃんのことが忘れられなくて……。
もし、私がいない間に新しい女の人ができたらどうしようって……。」
「……そうか。」
俺はうなずき、言った。自分自身に向かって言っているように。
「『お兄ちゃんみたいな』……か。それじゃ、彼氏は見つからないな。」
「そう、そうよね。……でも、最初で最後になりそう、男の人への手紙も。」
加奈は俺に向き直り、……言った。
「私には、あなたしかいないから、……隆道さん。」
「……ああ、そうだな、加奈。」
兄妹としての関係は終わり、
新たな、そしてより深い関係が俺達に生まれた……。
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女性から男性に告白するという点では、こっちのほうが現代的?
「最終的に加奈が隆道を選んだ」ということも実感できますし(^^;
注1−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「お兄ちゃんへ
○月○日午後○時、公園で待ってます。
夕美さんも暇なら、一緒に連れてきていいよ。
きっと来てね、待ってるから。
加奈より」
という手紙(加奈は、隆道と夕美が完全に別れた
ことを知らない)が来たら違う分岐に入りますが、
……あんまり考えたくない(^^;
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注2−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「注1」の手紙がきていた場合、加奈は「二人」で
公園で待っていることになります。
それから先は……(^^;
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