二人の一夜

今日、海を見た。

その日の夜、帰宅途中で私は眠り続けた。
初めて海を見て、精神的に満足して、肉体的に疲労していたからだ。
そう、精神的に満足していた。
お兄ちゃんはやはり私だけのお兄ちゃんなんだ。
その時、私にはある決心があった。

帰宅すると、私は気分を落ち着かせるため、お兄ちゃんに飲み物を頼んだ。
しかし、そのリンゴジュースを少し飲んだだけでむせてしまった。
以前はこんなこと無かったのに、やはり私は……。

……私は、眠くなっていた。いけない、今眠ってしまっては……。

お兄ちゃんがお風呂の支度をしている間、
私はぼうっとしたままノートに一文を書いた。

「今日、海を見た。もう恐くない」

もう恐くない、お兄ちゃんに私の想いを伝えることが。
私に残された機会はきっと今夜だけだから。

恐らくもうすぐお兄ちゃんと離れ離れにならなければならない自分を納得させるための、
そして、お兄ちゃんへの私の想いを整理するためのこの日記の役目は終わった。

私は風呂場に入ると、目を覚ますために水を浴びようとした。
今夜こそ私の想いをお兄ちゃんに伝えるために。
しかし、私は「冬の水の冷たさ」を理解していなかった。
そして、私は気を失った……。

……気がつくと、私は部屋で寝ていた。
私の想いを伝える前に、お兄ちゃんに見られてしまったらしい。
想いをお兄ちゃんに伝え、お兄ちゃんから「彼女と別れた」と聞かされ、私は目を閉じた。
そして、お兄ちゃんは私の想いに応えてくれた。
私はお兄ちゃんに抱かれたまま翌朝を迎えた……。

神様がいるのなら、私はお願いしたい。
「私を愛してくれているお兄ちゃんのために、もっと生きたい」と。

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