雪の降る街にて
夕美と和解し、そしてまた冬が来る。……雪の降る季節だ。
夕美:「ねえ隆道君、来年の二月、札幌行こうよ。」
隆道:「え?来年?」
夕美は突然俺に提案する。
夕美:「さっぽろ雪まつり、見てみたいの。」
隆道:「札幌って……、『二人で』か?」
夕美:「うん、もちろん。」
隆道:「そうか……。」
……札幌に観光旅行に行くとなれば、当然日帰りはできず、どこかに宿泊する。
しかし、「和解した」と言っても、実は俺と夕美はまだ以前のような恋人の関係に
戻った訳ではない……。
いつものように俺がいろいろ考えていると、夕美はいつものようにふくれる。
夕美:「ゆうじゅうふだーん。……旅費もワリカン、ホテルの部屋も別々に
するから悩まなくていいよ。……それとも、お金無いとか?それなら……。」
隆道:「いや、金はある。俺もバイトしてるし。」
夕美:「……別に、本当に嫌ならいいんだけど。」
隆道:「……まあ、いいか。行こう。」
結局、俺は誘いを受け入れた。
夕美に誘われて「嬉しい」ことは間違い無いのだから……。
……。
…………。
………………。
……………………。
そして翌年二月、俺と夕美は札幌の大通会場にいた。
夕美:「ホテルも飛行機も予約できたし、早めに話しといてよかったでしょ?」
隆道:「ああ。」
俺と夕美は並んで通りを歩く。
そして……
夕美:「…………。」
隆道:「え?」
……夕美は突然立ち止まり、俺の方を見つめる。
夕美:「隆道君……。」
隆道:「な……、何だよ?」
夕美:「……加奈ちゃん。」
隆道:「え?」
夕美:「加奈ちゃんが居る。」
隆道:「お……、お前、突然何言ってんだよ?」
夕美:「……見えないの?ほら、あそこ!」
俺は夕美の指差す方向を見た。
隆道:「あ……。」
確かにそこに「加奈」は居た。……加奈の雪像だった。
隆道:「そ、そうだな。でも何で……?」
夕美:「きっと、『命を見つめて』に影響されたんでしょ?
一年足らずで第五版まで増刷されるくらいだから、加奈ちゃんも結構有名人よ。」
隆道:「……そうか。でも、それにしても何か……。」
夕美:「本当。どこの『おたく』が作ったのかしらね。」
雪像の加奈は、何故か看護婦の格好をしていた……。
隆道:(……加奈、お前はそうやって今でも雪を降らせているんだな……。)
……。
…………。
………………。
……………………。
夕美:「それじゃさ、明日はすすきの会場行こうよ。」
隆道:「ああ。」
夕美:「『時間』はたっぷりあるんだし、ふふふ……。」
……と、夕美は意味深な微笑みをした。
コメント:すみません!これ、ちょっと作ってみたかったんです(^^;
ちなみに、作者(会員8921号)は『さっぽろ雪まつり』に行ったことはありません。
一応ウェブの公式サイトで調べましたが……(笑)