続・夕美の『はじまりのさよなら』
夕美の説得未読の方は、先に読んでおいてください。
夕美:「いろいろわがまま言ってごめんなさい。でも……。」
夕美の父(鹿島先生):「いや、いいんだ。あの時お前が私を説得した時から、
私ももうお前を『子供』だとは思っていない。」
夕美の母:「そう、何かあったら連絡してくれればいいの。」
夕美:「……ありがとう。」
それは、あの日、藤堂加奈が無事退院して以来考えていたことだった。
都内の、あのマンションに戻る。
今日がその日だった。
夕美が初めてそのことを両親に言い出した時、両親は強いて反対しなかった。
とにかく、夕美のさせたいようにさせてやりたかった。
それに、夕美には既に「三郷」に居る理由がないし、やり残したことは山ほどある。
まず、自動車の免許。いろいろあって、結局未だに自動車免許は取得できていない。
それに……。
久しぶりの土地、久しぶりの大学生活、久しぶりの友人、
……そして、今度こそ新しい恋を……。
夕美:「今度こそ、さよなら……だね。」
……夕美は呟いた。あの時のように、この場にいない誰かに向かって。
そして、夕美は見送る両親に向かって、あの時のように笑顔で挨拶した。
夕美:「行ってきます!」