花輪の思い出

夕美:「ケッコンしまーす」
隆道:「しねー、ぜってーしねー!」
花輪の思い出
憎さ余って……
折れず曲がらずより、
ケッコンしまーす
それは、俺が妹の加奈のことを未だ「鬱陶しい存在」としか思っていなかった、
幼い日の出来事……
授業中、俺のクラスは「理科の野外実習」で外に出ていた。
そして、観察の時間(自由時間)になったとき……。
女子:「ぶい。」
隆道:「……え?」
一人で観察していた俺の目の前に、いきなり『ある女子』が現れた。
隆道:「な、何だよ?いきなり。」
女子:「ね、とーどーくん。私に『花輪』作って。」
隆道:「え!?」
……正直言って、意味がわからなかった。
それに、だいたい俺はその女子とはそんなに親しくはない。
だから、俺は……
隆道:「何で俺がそんなことしなきゃならないんだよ!?」
女子:「して欲しいから。それ以外になんかあるう?」
隆道:「う……。」
女子:「それに、か弱い女の子に優しくしても、損はしないからあ。」
隆道:「うん……。」
結局俺はその女子の「押し」に負けて花輪を作ることになってしまった。
……とは言っても、「花輪の作り方なんか全く知らない」俺は
その女子の言う通りに指を動かしていただけだったのだが……。
しばらくして、花輪は完成した。
隆道:「……ほら、できたよ。」
女子:「あ、ありがと。うふふふ……。」
その女子はそれだけ言うと、花輪を持って俺を残して他の女子の方に
行ってしまった。しかし、そのときの女子の笑顔は……正直言って可愛かった。
……その女子は……「猫科の瞳」をしていた。
「『あの女子』って結構可愛い子なんだな……」と、
そのとき俺は幼いなりにも既に考えていたのかもしれない。