夕美さんの看護日記
その日、俺は大学を休んで家で寝ていた。
一応「ずる休み」というわけではなく、日頃「目標」に向かって
突っ走っているツケが来たのか、微熱を出してしまったのだ。
隆道:「でも、これくらいの熱、大した事無いよ。だいたい俺には寝ている暇なんか……。」
夕美:「いいえ、医者の娘が休みなさいと言っているんだから、そうしなさい。」
今更言うまでもなく夕美は「医者の娘」だ。それに、夕美はもともと頭がいいし、
弁護士を目指すくらいだからある意味俺よりも家庭医学に関しても詳しいとは思う。
隆道:「でもなあ……。」
夕美:「それに、もし隆道君にもしものことがあって……」
隆道:「え?」
夕美:「……『私が呪い殺した』なんて思われたら嫌じゃない。へへへ……。」
……と、舌を出して言った。冗談のつもりらしい。
夕美:「それより、御飯にしようよ。せっかく作ったんだし。」
隆道:「あ、ああ。」
しかし、俺が箸を取ろうとすると……
夕美:「隆道君、私が食べさせてあげる。」
隆道:「はあ?御飯くらい自分で食えるよ。」
夕美:「いいえ、私、どうしても食べさせてあげたいの。」
隆道:「でもなあ……。」
夕美:「それに、隆道君にも……。」
隆道:「え?」
夕美:「……夜、『して』ほしいし。へへへ……。」
……と、舌を出して言った。……ゆ、夕美、これも冗談なのか……?
ところで、正直言って夕美は料理が上手い。
手芸をやるくらいだから当然なのだろうか。
それに、夕美は「女子大」に好んで通っているくらいだから、
もともとそういう方面に関心があるのかも……。
隆道:「俺、思うんだけど……。」
恥かしいが、この際俺は夕美に言ってやる。
隆道:「……夕美って、本当にいい奥さんになると思うよ。」
夕美:「え?」
突然のことで、夕美もすぐには理解できなかったらしく……。
夕美:「ええ!?や、やっだぁ!隆道君ったらぁ!!」
隆道:「……へ!?」
べちーん!!
刹那!夕美の平手が俺の「こめかみ」にクリーンヒットした。
隆道:「ふーっ。」
そして、俺の意識はそのまま遠のいていき……
夕美:「え?隆道君、どうしたの?……きゃーっ!凄い熱!!」
……薄れゆく意識の中で、夕美の悲鳴(雄たけび?)だけが響いていた……。
…………。
……夕美、お前は本当にいい奥さんになると思うよ。
夫婦喧嘩に負けない、強く頑丈な奥さんに……。
コメント:夕美のらぶらぶSS作ったの、実は初めてじゃないのかなあ……?(^^;