10万km走行したヘッドはいかに?

  〜はじめに〜愛車トレノの10万6000kmの変遷

 ヘッドのOHでは、当然ながら別のヘッドを準備し、それを加工して取りつけました。ですから手元には10万km頑張ってくれたヘッドが残されています。このヘッドはとりあえずの使用道もないのですが、ここで改めていろいろ調べてみることにしました。
 同じ車といえど、
使用状況によっては千差万別だとは思いますが、10万kmも走ればこんなふうになっちゃうよってなことを興味本位で見ていただければ幸いです。

 さて、先に書いたとおり、同じ車、同じエンジンでも、使用状況によってはまったく異なると思います。極端な話、エンジンオイルを交換しないで全開を繰り返したエンジンと、きっちりメンテされたエンジンとでは雲泥の差があるはずです。作者はオイルメンテだけはきっちりやっていましたが、結構燃調が狂うようなことをやってましたし、普段では10分程度の通勤でしか使いませんから
必ずしも車にとって良い環境とはいえません。おそらく使用環境としては酷な部類になるかと思いますが、そんなヘッドがどんなふうになっていたのか、見てみたいと思います。
 まずは購入してからの変遷を書きたいと思います。

<平成8年12月、5年落ち、中古車で購入、走行距離34,000km>

 ディーラー系の中古車屋で購入しました。前オーナーは女性だということは分かっていますが、一切ノーマルということで、特に不具合は全く見られませんでした。とりあえず購入後は1000kmでオイル交換するとともに、それまでは慣らし走行に心がけました。
 この後の使用用途は主に通勤とドライブです。1年に2万kmちかいペースでの走行ですが、普段は片道10分の通勤だけです。オイルについては主にカストロールのXF−08を使用してました。交換頻度は5〜6000kmに一度、フィルターは2回ごとに交換です。


<平成10年春>
 このころまでは車は全てノーマル状態でした。ですがこの頃より、あまりにたまったストレスを発散させるために衝動買いをするようになります(笑)。1番最初に買ったのはマフラー、そしてプラグ、プラグコードとエアクリ(純正交換タイプ)と装着する様になります。この頃も使用用途は主に通勤とドライブですが、ストレスたまっていたので(笑)結構回す時は回してました。普段の走行では5000rpm、一時的に7500rpmまでめいっぱい回すこともしばしばです(^^;;;
 ただしオイル交換については同じように行なっていました。走行距離はこの頃6万km近くまで達しています


<平成11年初頭>
 この頃よりチューニングが過激になっていきました。トムスのカーボンインダクションボックスやエアフロ調整、点火時期調整、そしてVVTCと社外ECUを取りつけたのもこの頃です。このころの使用用途も主に通勤とドライブですが、回すクセはなくならず(笑)回す時はめいっぱい7500rpmまで回してました。このころ走行距離7.5万kmほど。オイル交換については全く変わっていません。


<平成11年秋>
 この頃からサーキットを走り始める様になりました。といっても平均すると2ヶ月に1回のペースでして、このペースは今もなお続いています。ただしサーキット前後は基本的にオイル交換をするようになったので、この頃から今に至るまで、オイル交換のスパンは平均して1500〜2000km程度と、かなり頻繁に行なう様になりました。チューニングについてはほとんどやってません(っていうかそんな金がなくなった・・(涙))。この時すでに走行距離は8万km超えてます。

 ちなみにインマニ洗浄をやりはじめたのはこの頃で、それ以来半年に1回するようになりました。

<平成12年秋>
 この頃より、サーキットでかなりブローバイが出る様になりました。またサーキット走行の前後でオイルゲージ1目盛分だけオイルが減るようになり、また普段の走行でもオイル交換毎でオイルゲージ1目盛分オイルが減る様になりました。使用用途としては相変わらずメインが通勤で、2ヶ月に1回のサーキットですが、あまり長距離ドライブに行かなくなったので、一月に1回は高速道路に出向いて5000rpmぐらいで走る様にしてました(攻めてたわけではないですよ)
 とにかくエンジンの振動なども気になるようになったのもこの頃です。走行距離はすでに9.5万kmに達しようとしていました。

<H13年夏>
 ヘッドののせかえ直前です。この時の走行距離は10.6万km、オイル交換頻度は相変わらずですが、何故だかあまりオイルが減らなくなりました(苦笑)。また街のりでも回転数は最大6000rpmぐらいに抑え、あまり無理させない様にした頃です。

 以上、長々と書きましたが、どんな感じかというと
1)チューニングは吸排気、そこそこやっちゃっている&ECU(ポンつけ)もやっちゃっている
2)街中では全開もあり(^^;、2ヶ月に一度はV−MAX発動(笑)
3)普段の使用は時間にして20分、距離にして6kmたらず
4)ただしオイル交換は1500〜6000kmごとで交換。オイルフィルタは隔回交換


 ってなところです(^^;

 さて、こんな調子で5年間使いつづけたヘッドはどんな感じなんでしょうか!?

  〜10万kmヘッドの外観〜

           では早速外観から見ていきましょう!

 まずはヘッドの全景です。

 本来ヘッドはアルミ製ですので、銀色になっているはずなのですが、さすが10万kmも使いつづけると、表面がうっすらタール状のもので覆われてしまい、茶色くなってしまいます。この茶色いブツ、これはちょっと拭いたぐらいでは落ちないんですよね(汗)
 ただ異物とか粘調ブツといったようなものは見られませんでした。これはオイル交換頻度が多かったからでしょうか・・・。

 カム山(EX側)の様子です。

 とりあえずパッとみた感じでは、片磨耗のような兆候はみられませんでした。まぁ、まだ見た目だけですからなんとも言えませんが・・・。
 カムの高さなどについては後日報告します。
 排気側ポートの様子です

 白く見えるのはバルブの柄の部分ですが、まぁ、みて分かる様に全面カーボンでびっしりです(^^;;;
 ここは爪でひっかくと、ボロッってカーボンがはがれ出てきますから、結構堆積してるみたいですわ。まぁ、10万kmならこんなものだと思います。
 ただ走行距離4万kmのベースヘッドはこれよりももっと凄かったんで、そう考えるとまぁ、良かったのかな??
吸気側ポートの様子です。

 ヘッドOHの方でも少し書きましたが、IN側のポートはバルブに至るまで非常に綺麗な状態でした。
 ベースヘッドの方は吹き返しでかなりカーボンが大きく堆積していたんで、それに比べるとこの違いは非常に大きいと思います。これもやっぱキャブ洗浄の効果なんでしょうか・・・。
燃焼室の様子です。

まぁ、案の定、全面カーボンで真っ黒です(^^;。ヘッドOH本編にもありますが、当然ピストンも真っ黒・・・やっぱこんなものなんでしょうか(^^;

 まぁ、外観としてはこんなものですが、これが良いのか悪いのかはよくわかりません。今後タペットクリアランスの測定やカム山の測定、バルブのあたり面などを調査して行きたいと思います。


〜タペットクリアランスの測定〜

           次に10万kmヘッドのタペットクリアランスを測定してみました。

燃焼室 1番 2番 3番 4番
バルブNo.
IN側 0.31 0.30 0.30 0.37 0.31 0.31 0.31 0.30 0.31 0.31 0.32 0.33
EX側 0.42 0.46 0.47 0.48 0.49 0.52 0.49 0.49

燃焼室、バルブNo.はカムスプロケ側より1番・・・・とした。
赤字は純正基準値を外れているのを表す


純正基準値は、IN側0.19〜0.29mm、EX側0.39〜0.49mmです

 それを踏まえて見てみると・・・・何もいうことはないですね(^^;;;
IN側は、わずかですが純正基準値を超えてしまっています(汗)。EX側は基準値に収まっていますが、それもギリギリなところ。かなりきついですね〜〜。

 ただ注目すべきは各クリアランス値のバラツキです。IN,EXともにほとんど±0.02mm程度の差で収まっているんです。ですから非常にバランスよく磨耗していることがよく分かります。ずさんなオイル管理などで、異物が生成してしまうと、このように綺麗にはいかないでしょうね・・・・・きっと・・・たぶん・・・だと思う・・(^^;;;

〜カム山の高さ測定〜

 次にカムの方が磨耗していないか、測定します。修理書ではカムの高さについて基準値と限度値が決められていますので、それと比較してみましょう。
ちなみに基準値としては・・・
IN側:基準値=40.28〜40.38mm、限度=40.13mm
EX側:基準値=40.09〜40.19mm、限度=39.94mm

となっています。

さて、カム山の測定は、本来ならマイクロメーターを使用して行なうべきなのですが、残念ながらそのようなものを作者は持ってません(^^;;;
そこでふつうのノギスを使って測定してみたいと思います。

 ノギスの場合、最小読み取り限度は、副尺をつかってやれば0.05mmオーダーまで測定できます。ですから、正確な測定には向きませんが、とりあえず限度にちかいのかどうかの確認ぐらいには十分使えます。幸い限度と基準値の差は0.15mmもありますし、0.1mmの違いはかなり明確にノギスで分かるので、間違った判断はしにくいでしょう。
 ってなことで、あまりに簡易的な方法ですが、カム山の高さを測ってみましょう。

燃焼室 1番 2番 3番 4番
バルブNo.
IN側 40.25 40.25 40.30 40.30 40.25 40.30 40.25 40.40 40.30 40.30 40.30 40.35
EX側 40.15 40.15 40.20 40.15 40.15 40.20 40.20 40.20

 とりあえずノギスでさくっと測った感じ、基準値の下限いっぱいいっぱいの場所はありますが、限度には達してなく、まだまだ使えそうな感じです。まぁ、あくまで今回の測定では目安でしかないですけどね(^^;;;


これが10万kmもの間、ひたすら叩かれつづけたバルブリフターです・・・。
表面を良く見るとぐるっっと波のような模様がでています。これはカムで叩かれながらもクルクル回っていたことを示します。これは正常な状態でして、常に叩かれる場所が集中しないことで均等に磨耗してくれます。このバルブリフターとヘッドのとのクリアランスは10μmオーダーの世界ですから、オイル交換をサボっているとこういう場所にスラッジが挟まり、バルブリフターが上手く回らなくなって偏磨耗するようになります。きをつけましょうね〜。

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