夜明け
昨日の戦闘は酷かった。
ノトリ軍を撃退したものの、こちらも大損害を被った。
我が中隊も戦死25名を数えた。
全軍では2千とも聞く。
父も生きてはいないかも知れない。
だが、敵も猶予はしてくれまい。
あと2ヶ月もすれば雪が降り、進軍も撤退も難しくなる。おそらく一気にケリをつけにくるはずだ。
もしかすると今日が分かれ目なのかも知れない。敵もかなりの損害を被ったはずだ。今日を凌げば、後方から編成が終わった第五連隊がくる。そうすれば、秋まで持ちこたえることができるだろう。
レイチェルは徹宵での警戒の傍ら、そんなことを考えていたが、ふと、そこかしこで立ち上り始めた炊事の煙に目を留めると、そこではじめて昨日の昼から何も食べていないことに気がついたのだった。
「そういえば、おなか、減ったなあ・・・」