老人介護についての個人的HP- 介護基本原則(1)

能力を引き出す介護

 介護を必要としている方々は、言うまでもなく身体に障害を持っています。疾病としての障害だけではなく、生理的な老化現象によっても、いつかは要介護の状態となります。

 そのような方々にとって望ましい生活とは、まず第一に「必要以上に身体機能を弱らせない」ような生活である、ということではないでしょうか?むしろ生活ぶりによっては、身体機能が向上してくることも決して珍しいことではありません。
 そのような生活は、「能力を引き出す介護」によって実現されます。できる限り能力を発揮してもらいつつ、足りないところを介護・介助する、そういう介護生活を送っていくことで身体能力は引き出され向上していくものです。反対に「できることもしてもらう」という場面が多いと、やがて「本当にできなくなって」しまいます。そして、「できなくなる」と同時に、様々な疾病状態まで引き起こされてきます。それを『廃用性症候群』といい、実は寝たきり・痴呆の原因としてかなりの割合を占めている、と思われます。(→廃用性症候群について、→廃用性症候群の2〜ADL様式と介護負担について

 もちろん「できる限り能力を発揮してもらう」といっても、健常な私たちが例えば買い物に出かける時に「全力疾走」はしないように、「生活」とはある程度の「余裕」をもって送るものです。本人さんにとって「気力をふりしぼってやっとできる」ことを、「生活動作」として強要はできません。(そんなことをすると、家族内の人間関係がおかしくなってしまいます。)そのような動作は、限られた決められた時間に「練習・訓練」として位置付け行なうこととして、平時の暮らしの中では「ある程度の余裕」をもってできることをしていってもらう、ということになります。

 さらに高齢者では、「できる」ことがそのまま「している」こととはならず、むしろ人に「してもらう」という傾向があるもので、それは特に「家族に対して」は強いものです。それは例えば「愛嬢確認としての甘え」ということだったり、それなりの理由もあることなのです。(→「できる」ということと「している」ということ、→「できる」ということと「している」ということ〜2、→「できる」ということと「している」ということ〜3「愛情確認としての甘え」;薫風本舗さんとのお手紙

 そのようなことも踏まえつつ、いかに「できる」ことを「していってもらう」として、「身体能力を発揮していく」生活を実現していくか?まずはそれが介護生活の基本であると申し上げたいと思います。

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