老人介護についての個人的HP-1介護 How to - (1)手引き歩行
家庭内でも施設内でも、ちょっと足腰の弱った高齢者の方が歩く際、介護者が手をかす姿は良く見られます。つまり「歩行介助」ですが、これにも色々な方法があります。一般的によく見かけるのが「手引き歩行介助」です。介助者が高齢者に相向かいに立って両手を持ってあげる、介護者は後ろ向きでゆっくり歩く、そんな介助法ですね。手を握りあい顔を見合えて良いものです。
でも、中にはこんな歩行姿勢になっている方はいませんか?(写真1)このような姿勢は歩行能力が落ちてきていて手引きでは介助量が足りなくなっている時と、本人さんが歩く気のない時に見られます。介助者は本人さんの上半身を引き起こそうとしていますが、肩がバンザイになるだけで介助者も本人さんも難儀そうです。本人さんの足は前に出にくく、つま先立ちとなってのめりそうです。
そんな時には写真2のように、肘を介助してみましょう。本人さんの脇のしたはなるべく閉じさせた上で、肘を下から支えるように介助します。本人さんの手は介助者の前腕をつかんでもらいます。肘を介助することで肘関節の動きをを飛び越して上腕骨を支えることになり上半身がきちんと起きます。ついでに、足の運びを本人さんのリズムに合わせて介助者がバックステップを踏むようにすると、歩行に伴い起こる重心の左右移動をも介助することになり、足の振り出しが滑らかになります。
もしも手先もち介助で良い具合の方は「うば車型の歩行器」が、肘介助でちょうど良い方は「U字形歩行器で肘つき」か、もしくは「フレーム型(4点ポイント型)歩行器」が適応となると思います。それぞれの歩行介助している姿と歩行器歩行の姿とが、似てくることになります。このように、適切な介助の実践は、適切な介護機器の選択にもつながっていくのです。(歩行器については機器のコーナー(6)「歩行器について」をご覧ください。)

(写真1) 手先もち介助で足りない人には、(写真2) 肘介助を。
いやぁ、確かこのページは一番最初に作ったページです。懐かしい…。↑の写真が白黒なのは、確かもともと介護スタッフさんの勉強会資料用に準備したもので、ワープロ仕上げにするのに白黒化したものを横流ししたんです。
それはそうと、歩行介助パターンが一つではちょっと寂しいので、もう少し加えておきます。
以下にご紹介する2つの方法は、「日頃の移動方法としての歩行介助ではない」ということにお気をつけください。やむを得ず何歩か歩かないとけない時、これまでは一人介助ではどうしようもなく地面に座り込ませていたり二人抱えにしてしまっていたかもしれない場面で、使えるかもしれない方法です。
まずは、「抱えられ介助」。(写真3)これは肘もち介助でも不安定な方や恐がる方に良い方法です。この介助では、介助されるご本人さんに介助者の腰回りをがっしり抱え持ってもらいます。(写真4)介助者が抱えられるから「抱えられ介助」(^_^;
写真では手を回してもらっているだけですが、ズボンに指をかけ持ってもらえばよりよいです。本当は、本来はご本人さんにつける「介助ベルト」を介助者の腰まわりにつけて、それにつかまってもらえば一番よいのでしょうが…そうそう、お仕事場面で腰痛のために「骨盤ベルト」を使っているスタッフさんは、いざという時この介助ができるように、お使いの骨盤ベルトに「つかまり用ベルト」をつけてあげても良いかも?!(^_^;
この介助を行う場合、ご本人さんの頭からおでこを介助者のおなかに押し付けてもらうようにします。写真3では顔が押し付けられているように見えるでしょう?それでも息はできているんですよ。(^_^;
これが本当に「顔面圧迫窒息」になってしまわないように気をつけてあげてください。それから、この介助ではご本人さんの両脇の下を横から抱えるようになります。これで肩を痛がったりしないか気をつけてあげてください。肩を痛がったり、この介助でも立位保持〜歩行が難しいようならば、介助者はクルンと身を回し込んで、下の「後ろ抱え介助」に切り替えます。

写真3 写真4
最重度の歩行介助方法として、「後ろ抱え介助」をご紹介しておきます。(写真5)この介助を行うと、極端なことを言うとご本人さまにまったく歩く気がなくて足に力が入っていなくても、立位のままズルズルと引きずるように移動できてしまいます。また、不穏状態で暴れているような方に、とりあえず安全確保する時なんかも役立ちます。まぁ、そういう極めて強力な介助法というか、使いようによっては「連行方法」「抑制方法」になってしまうものですから、ご使用にはお気をつけください。(^_^; それでも非常時の移動法としては、同じ引きずるなら「後方」への方が、移動しやすいです。ただ、ご本人さまが暴れてしまっている場合には、ご本人さまが床を蹴った勢いで介助者もろとも後方に転倒してしまわないようにご注意ください。

写真5 写真6
介助の形としては例のパターン、「おなかの上においたご本人さまの両手首を脇の下から差し入れた介助者の手でしっかりつかむ」という形です。これから歩行介助とするには、介助者の腰前面をご本人さんの腰部に押し付けて、そこを支点にしてご本人さんの上半身を引き起こすように介助を加えます。はっきり言って、ちょっとヒワイな姿勢です。(^_^; (写真6)でも、「おなかの上の手首」「腰」「両脇の下」への力で、ご本人さまの足が浮いてしまうほどの介助が加えられます。