老人介護についての個人的HP-1介護 How to -(14) 床からの起立・介助

床からの起立・床への座り〜介助の場合〜及び転倒者の助け上げ

 次は床からの起立動作を介助で行なう場合です。これも、非片麻痺者と片麻痺者の場合に分けて説明します。

※非片麻痺者の床からの起立介助

 介助が必要とはいえできる限り自分の力も使って立つためには、やはり自力編で説明した「四つ這い姿勢から手付き台を使って立つ動作」を介助することが必要です。その場合は、介助者は四つ這い姿勢になった本人さんの後ろに立ち、腰を介助しながら立ってもらうのが良いでしょう。(写真1)本人さんが焦って、床についた手を早くに離して身体を起こそうとされることがありますから、「腰を支えているからしっかり手をついて!腰を高く上げて!」と声かけしてあげましょう。いよいよ床から手を離してから、体を起こしていくのも不安定なようならば介助者の腕を背中から胸へ回して後ろから抱き起こすような介助を行なっても構いません。

写真1

 反対に座る時は、立っている本人さんの背中に立って腰をしっかり持ってあげた上で、ゆっくり大きくおじぎをしながら床や手つき台に手をついてもらいます。しっかり手がついてから、いよいよ腰を支えておきながら片足ずつ膝をついていってもらいましょう。四つ這いになったら、そこから腰を横に回し下ろすように横座りに座ってもらいます。(写真2)その際、後ろにひっくり返ってしまうことがありますから、そこまで注意し備えましょう。もちろん正座が何らも苦痛でないのならば、そのまま正座に座っても構いません。

写真2 横に座っていく

※片麻痺者の床からの起立動作介助

 これは、非片麻痺者の起立介助に比べて難しく、介助する側も「慣れ」が必要ですし、実際に必要な介助も結構個人ごとに違うものです。まずは基本的な形を説明します。

 まずは自力での起立開始姿勢の本人さんに対して「患側後方」に介助者は立ち、本人さんの腰(実際にはズボンなり)を持ちます。(写真3)本人さんが身体を捻りながら健側の膝を立てるまでをまずは介助します。また、健側の膝をつきたてた段階で、患側の足がちょうど良い位置になるよう調節してあげます。そこから手をついたまま健側の足もたてますが、写真4では患側の足が外側に開き倒れないように支えてあげています。この段階で声かけとして非片麻痺者の場合と同じく、焦って体の起こしが早くなりすぎないように注意してあげてください。介助で立つ場合も、大きく体を捻るようにしながら膝をたてるのがポイントです。写真3・4でも、立つと同時に身体の向きが後ろを向いてしまっていることが分かります。

 

写真3      写真4

 立った後で「杖」が必要ならば、起立動作を開始段階で図1の位置に置いてあげてください。自力で拾いつくのに一番都合よい場所です。腰が高くあがって床から手を離す瞬間(写真4)に、杖を持ちます。

 図1 杖を置く位置と向き

 床に座る時は以上の介助を全く逆にたどれば良い訳ですが、特に床や台に手をつく瞬間や健側の膝を床につく瞬間に身体全体が不安定となりますから、腰への介助をしっかり行ないます。また、最後にお尻を横に回しながら座る際に、後ろにひっくり返ってしまいがちなのは非片麻痺者の場合と同じです。必要に応じて背中を支えてあげましょう。

※床からの起立の全介助(転落転倒事故への対処)

 さて、これは「立ってもらうための介助」というよりは、ベッドから床に転落したり歩行中に転んでしまったりした時に「助け上げる」介助方法です。いざという時のためにこの方法も覚えておきましょう。

 本人さんが床の上に転がってしまっている、という想定にしましょう。意識状態に問題がなく明らかな骨折がないことが確認できたら、まずは長座位へ起座させてあげましょう。自力では難しいかもしれませんから、「how toの(6)長座位への起座」のページで説明している「身体の動き方に合理的な介助方法」でゆっくり起こしてあげましょう。きっとドキドキされていますから、全介助で一度に引き起こしたりせずに、側臥位になって肘をついて・・とゆっくり起きましょう。長座位になってもその姿勢が保持できるとは限りませんから、身体が起きたらすぐに本人さんの背中の方へ回ります。(写真5)これが、起立の全介助のスタート姿勢になります。

写真5

 ここから、本人さんの脇のしたから介助者の腕を回しこみ、本人さんの手首を本人さんのおなかの上あたりでしっかり持ちます。その際、本人さんは自分で自分の手首を握っていてもらえば一番良いです。(写真6)その状態から、本人さんの上半身をやや前に押しながら一気に腰を持ち上げます。(写真7)「上半身をやや前に」というのがポイントで、反対にのようにのけぞるようになってしまっては、お尻が少し浮く程度で立位にまではもっていけませんし介助者も腰を痛めてしまいます。

 

    写真6          写真7

 

 介助者の体格に余裕がある場合はそれだけで完全な立位までもっていくことができますが、介助者の方が本人さんよりも小柄だったり、本人さんが立位にしてあげても立位保持できないようであれば、図2のように一旦腰かけさせる椅子や台を準備して、上記介助法でお尻が高く浮いた時点で腰かけさせてしまいます。近くにベッドがあるならば、ベッド脇まで写真6のように手首をもちながら「長座位移動〜介助いざり〜」で移動させてから起立介助し、ベッドに座ってもらっても構いません。

 図2 一旦腰かけさせる

 どうしても一人介助では難しい場合や初めから介助者が2人いる場合には、写真6の段階で手首をしっかり持ってから、次いでもう一人の介助者が本人さんの両膝を下からすくいあげるようにして持ち、いちにのさん!でそのまま持ち上げてしまっても構いません。(写真8)その際にも、背中側で介助する人は必ず本人さんのおなかの上に置いた手首を持つことです。脇のしたに腕をいれるだけでは、本人さんの両肩が横にバンザイに開いてしまってズリズリ下に落ちてしまいます。また、くれぐれも膝の下をすくい持つのは、上半身の側の介助者が、本人さんをしっかり起座させて手首をもってからにしてください。先に足を持ってしまうと、起座が不十分になり手首の持ち方も浅くなってしまいます。

写真8

 これは「緊急時対応法」ですから丁寧に説明しておきます。ご参考になれば、と思います。

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