老人介護についての個人的HP-1介護 How to -(18) 車椅子片手片足駆動

車椅子片手片足駆動の練習方法

 片麻痺で歩けない方にとって、スタンダードな車椅子を効くほうの片手片足で駆動する移動方法は大変にポピュラーなものです。(写真1)ところがこの駆動方法、自転車乗りを覚えるのと同じで一旦覚えてしまえば難しくとも何ともないのですが、まだできないという方が新しく覚えようという場合には、なかなかに苦労することがあります。

 写真1

 ところが、この「片手片足駆動を覚えるための練習法」というのを見かけたことがありませんので、ここで私なりに行なってきた練習方法をまとめておきます。(いやぁ既に何処かで誰かが書かれているかもしれませんが・・(^_^; )

@車椅子の準備

 一旦覚えてしまえばごく普通の車椅子で良いのですが、これから練習しようという場合にはできるだけ行ないやすいように車椅子を準備してあげた方が良いですね。具体的には座面高が40cm程度の「低床型」であることと、「フットレストとり外し式」(写真2)で、駆動する足の側のフットレストは外してしまった方が覚えやすいです。

 写真2 取り外し式のフットレスト右を外したところ

A車椅子上の姿勢

 一旦覚えてしまい、片手片足駆動を実用移動手段としている方々の様子を拝見すると、座り方はずっこけていたりおじぎになっていたり、実に様々です。まぁそれはそれで一番駆動しやすいのでしょうからあえてどうしてもは矯正はしませんが、練習を始める場合にはきちんとお尻を引いて身体を起こしておいた方が良いでしょう。ただ、特に女性の場合は写真3のように身体全体を座面のやや患側よりに寄せ健側に傾けてあげたほうが覚えやすいようです。これは広い骨盤の脇から伸びる下肢を、できるだけ地面に対してまっすぐに下ろす姿勢となります。もちろん、しっかり覚えられたら健側傾斜は止めるようにします。

 写真3 駆動練習用のポジショニング

B初めの練習、足を引っかけて後ろに蹴る

 「足先を床につけ、後ろに蹴る」これが初めはなかなかうまくできません。腕でタイヤだけ回しても患側に回ってしまうばかりです。そこで初めは腕は一切使わず、足だけで床を蹴る感覚をつかめるように練習します。

 初めは写真4のように車椅子の下に後ろから杖などを置いて、それに足先を引っかけて後ろに蹴ってもらうようにします。もちろん杖が後ろに逃げないように車椅子の後ろで介護者が押さえておきます。これなら大抵の方が一発で車椅子を動かしてくれます。もっとも一蹴りごとに引っかけの杖を動かしていかなければいけないので、なかなか大変です。そこで車椅子の左右キャスターの間に収まるような幅の、はしごのような物があれば・・と思っています。それなら効率的に練習できそうです。

 写真4

C次に手すりを引きながら

 足先で地面を蹴る感覚をつかんでもらったら、次は健側の腕で廊下の手すりなどを引きながら、同時に床蹴りもしてもらいながら前に進んでみます。(写真5)足先を引っかける物がないとまだまだ地面をコントロールするのは下手ですから、半分は上肢の引きで動いてもらうわけです。これを繰り返し練習し、段々に腕で引く度合いを減らしたりします。

 写真5 半分は腕で引いて前進

D足だけで前に進む

 次には手すりにも頼らず、健側の足の蹴りだけで前に動いてみます。できるようになれば、まずは患側方向へ曲がってみます。それもできたら健側方向へ曲がりながら前進してみます。足の蹴りだけで前進・患側曲がり・健側曲がりまでできれば、あとは腕のタイヤを回す動きとのコンビネーションの練習に入ります。

E足で蹴りながらタイヤをひと回ししてみる

 まずは1回だけ、足で地面を蹴りながら腕でタイヤを回してみます。きっと初めは車椅子が患側に曲がってしまうでしょう。腕でタイヤを回しながら、足で地面を後ろに蹴ると同時に横方向へも舵取りすることが必要なんですね。初めは1回ずつ・ひと回しずつゆっくりやってみましょう。そんなふうにして、段々と上手になれば良いのですが。

※どうしても片手方足駆動できない方の場合

 どうしても以上の「片手片足駆動」が覚えられない方の場合には、ちょっと一般家庭では使うには大きすぎますが、写真6のようなレバー操作車椅子があります。施設内では大変有効に使える車椅子です。(写真6)

写真6

 狭い家屋内ならば、壁や手すりや家具をつかまり引っ張り、動いていくのも手段です。(写真7)

写真7 左右それぞれに引っ張って

 また、車輪が十分に大きければ、効く方の手で左右のハンドリムを交互に回す、という手もあります。大変に効率は悪いですが、それでも確かにそうやってゆっくりゆっくり動いておられる方もいます。(写真8)

写真8 効率は悪いけど・・

 さらにあまりお勧めできない方法ですが、前向きで片手方足駆動できない方でも、「足を蹴って後ろ向きに進む」ことはできます。人によっては「それはアブナイからダメ!」と言っても、「楽だ!」と止めない方もいます。写真8はあくまで標準型車椅子でないと使えないワザですが、これなら介護型車椅子でも利用できます。くれぐれも危険のないようにしてもらいたいものです。(^_^; 「それでも自力で動きたい!」そのお気持ちは大いに応援したいと思います。(写真9)

写真9 バックで暴走!(^_^;

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