老人介護についての個人的HP-1介護 How to -(22) 片麻痺下腿装具介助装着のコツ
片麻痺があっても自力で歩ける方の中には、「下腿装具」を使っている方が沢山いらっしゃると思います。この装具についての「考え方」や「メンテナンス」については既に拙HPでとりあげていますが、肝心の「装着法」については触れていませんでした。装具装着には確かに「コツ」があると思いますので、以下に分かりやすくまとめておきます。
@まずはスタート肢位

まずは、装具をつける時には「椅子への腰かけ座位」で行ないます。安定して座っていられれば、椅子でもベッドに腰かけでも車椅子でも構いません。写真ではプラスチック装具をあてがっていますが、足部の「内反尖足変形」がおきています。
Aしっかり深く膝を曲げて踵を収める

内反尖足の形になっていますから、踵が装具の奥の方までおさまりにくい状態です。そこで、装具をあてがったまま膝をできるだけ深く曲げます。写真では装具をあてがった下腿を介助者の膝の上に乗せて、膝を曲げています。
膝を深く曲げた方が、足関節を背屈しやすくなります。反対に膝が伸びたままだと、足関節を背屈させるのが大変、というか、装具の奥に踵をおさめるのは難しくなるかもしれません。
足関節を背屈しやすい状態にもっていってから、じっくり装具の奥に踵をおさめます。(写真)
B真ん中のベルトをとめる

Aの踵を装具の奥におさめた状態のまま、まずは真ん中のベルトをしっかりとめます。真ん中のベルトをとめる前に膝を伸ばしてしまうと、また内反尖足変形がおきて踵が前にズズズィ〜とズリ出てきてしまいます。つまり、真ん中のベルトが足部の内反尖足変形を抑えこんでいるのに一番働いているベルトのわけです。ですから、踵が装具にしっかりおさまっているうちに、最初に真ん中のベルトをとめてしまうわけですね。
C次に足先のベルトをとめる

次にとめるのは「足先のベルト」です。足先のベルトをとめる前に、足趾がグーの形に握っていませんか?握っていたら、しっかり引きだし伸ばしてあげましょう。そしてしっかり伸ばした足趾を抑えたまま(写真の介護者左手)で、足先のベルトを止めます。
D最後に下腿部のベルトをとめる

Cまでで、装具装着の「天王山」は終っています。(^_^; Cまでがきちんとできていれば、足はしっかり装具におさまっていますし、それで十分に矯正固定も効いた状態です。下腿部のベルトは最後にとめて仕上げです。
E「きっつい!」と言われる時
さて、@〜Dのようにきちんと装着してあげると、「う〜ん、キッツイ、キッツイ。もっと緩めてくれぃ!」と言われることがよくあります。これは、本人さんが自力で装着することを習慣にしていたり、介助者さんの装着法がまずかったり、あるいは装具を作った時点よりも「足の突っ張り」が強くなっている場合に聞かれます。突っ張りが強くなっていれば、しっかり踵を奥におさめればおさめるだけ、拘束感が強まりますし、足関節をしっかり起こせば起こすほど、足趾の「握り変形」が起こりやすくなります。したがって、Bの真ん中のベルトを緩めてくれぃ!となるわけです。
そんな時は、まずはしっかり装着することが基本であることを説明して様子を見てみます。基本とはいってもきちんと装着すると、下腿部が押されて痛いとか、足趾が曲がって痛い、ということならば、仕方ないですから少し緩めてあげましょう。でもそれは、すでに装具が麻痺の状態に合わなくなってきている、ということですから、早めにどこぞのPTなんかにみてもらった方が良いでしょう。反対にきちんと装着しても痛みも出ず、かえって歩き方がよくなるようであれば、「緩めてしまう」というのは単なる「悪癖」と言ってよいわけですから、可能ならばきちんとつけてもらいましょう。必要以上に装具を緩めて使っていると、膝の反張膝変形を誘発したり、歩く時に良い方の足の出が悪くなったりします。