E入浴
やっと歩けるという方にとっては、自力で自宅での入浴ができるかどうか瀬戸際というレベルです。
半埋め込みの浴槽であっても、すでに立ったままでまたいで出入りすることは困難だと思いますから、→ 家庭浴槽についてで説明しているような環境に整えてあげたいと思います。適切な環境で移乗台があれば、いったん腰かけて浴槽に出入りすることは十分にできるはずです。反対に環境整備が不十分な状態では、介助してもらっても浴槽に出入りすることは難しいかと思います。
浴槽以外にも脱衣場や浴室内それぞれに、適切な手すりをつけてあげましょう。(→ 手すりについて)そして、浴室内の洗い椅子を使いやすいものしてあげたり脱衣室の着替えのための椅子を準備してあげることも、必須の作業となります。(→ 着替え/履き替え用の椅子について)
F食事
歩くのもままならないという状態だと、活動範囲が狭まってしまいがちです。ですから反対に、食事だけは寝室で摂ることのないように徹底したいものです。(→ 寝食分離を図りましょう)既に畳の上に座った姿勢での食事は困難だと思いますから、食事テーブル・椅子を準備してあげましょう。ご家族と一緒に食事を摂ることが習慣になれば一番良いことです。テーブルの高さ(→ 食事テーブルの高さと車椅子使用時の工夫)には気をつけてあげてください。
G日中安静
歩いたり、立ったり座ったりもおっくうになると、寝室にこもりがちになるかと思います。居間に立ち座りのしやすい大きな椅子を準備して“本人さんの場所”としてあげてください。居間の中で、寝室やトイレにも行き来しやすい場所に椅子を置いてあげましょう。「ソファー」のようなものでは低すぎたり座面が柔らかすぎたり、また座ると身体が後ろに倒れてしまうものが多くて「立ちにくい」ことが普通ですので注意が必要です。一般の事務椅子やパイプ椅子では立ち座りしやくとも安楽ではないですし、「障害のある高齢者用」として売っている「介護用品としての椅子」はなかなかに高価です。そんな具合でなかなか良いものは少ないかもしれませんが、「椅子の良し悪し」が離床の頻度や習慣を決め、ひいては寝たきり化を防いだり一気に寝たきり化が進んだりという「要因」にもなりかねませんから、十分に配慮してあげてください。
H外出手段
既に屋外外出には「介助」が必要だと思います。そして屋外を実用的に歩くことはできませんから「車椅子」が必要だと思います。介助者さんに車椅子押してもらいつつ、「屋外散歩」や時には「遠方外出」もできたら良いですね。
車椅子に乗りかえるタイミングとして、廊下まで歩いてきてそこで車椅子に乗りかえるか?玄関を降りてしまってから車椅子に乗るか?玄関先まで歩いて出てきて初めて車椅子に乗るか?それは本人様の「歩行能力」と「環境」の兼ね合いによります。まだ多少でも余裕があれば、玄関に靴履き替え用の椅子(→ 着替え/履き替え用の椅子について)を置いたり、玄関の段差を上がり降りできるように手すり(→ 手すりについて)をつけてあげて、玄関先で車椅子に乗るようにしたらよいでしょう。本当に歩くのもやっとという状態だと、家の中の廊下で既に車椅子に乗ってしまう必要があるかもしれません。その際には、玄関に「車椅子スロープ」や「車椅子階段」を準備してあげる必要があります。(→ 長いスロープよりは「車椅子階段」も)また、屋内にいるうちから車椅子に乗ってしまうのであれば、必ずしも玄関から出入りしなくても、床から直接に窓の腰になっていれば、そこから出入りすることもできます。屋外にスロープや車椅子階段を設置するのに一番都合の良い場所を探しましょう。
車椅子のタイプとしては、多少乗り心地は悪くなってしまいますが車輪の小さ目の「介護型車椅子」ならば玄関先に置いておくのにも邪魔になりにくいですね。また介護型なら時には車椅子を自動車に積んで、「外出」するのにも都合が良いです。それから屋外で使うことが多いのならば、錆びずに汚れ落としのしやすいアルミ製の車椅子が良いでしょう。(→ 車椅子の種類と適応)
I外出機会
すでに自力で外出することはできないのですから、ぜひ「外出の機会」を作ってあげた方が良いですね。お天気の良い日には日課として決まった時間に車椅子でお散歩に出る、ご家族の休日には車椅子も自動車に積んで遠出している。あるいはこのレベルであれば、福祉施設のディサービスを利用することもできます。
様々な手段を準備して、家の中に「閉じこもり」にならないようにしたいものです。