@生活目標
目的:最低限、現在の起立能力は維持しつつ、特に自室内やベッド上に閉じこもってしまわないようにしましょう。
手段:起立しやすい機器環境を整え、“立つ”ことを日常生活に役立てましょう。
このレベルでは、本人様の意欲がなかったり機器環境が整えられていなかったりすると、一気に「寝たきり」となる可能性があります。
「寝たきりにはならないようにしようね」を合言葉に、以下に述べるような機器環境の整備を通して本人様にも「やる気」を出していってもらいましょう。
特に、排泄の自立を維持することが大切なポイントとなってきます。
A生活様式全般
住環境としてある程度の広さがあれば、移動手段として車椅子を自力で使うことが考えられます。その際には寝具はベッドとし、車椅子をそのまま椅子代わりに日中を過ごすことになり、やはり洋式環境が基本となります。
また、歩けなくても車椅子が使えなくても、いざって屋内を移動することはできないでしょうか?いざりで実用的に屋内を移動できるようであれば布団に座布団という和式環境のままでも構いませんが、その場合には排泄の方法を考えてあげなければいけません。
B家屋内移動
住宅環境にそれなりの広さがあれば、例え歩けなくても車椅子を自力でこいで移動手段とすることができます。その場合には、まずは車椅子の規格自体が家屋内用にふさわしいものでなければいけません。もちろん、住環境にもよりますが大きなスタンダード型の車椅子がそのまま使える家はごく少数ではないでしょうか?→ 車椅子の種類と適応、をご参照いただき、ふさわしい車椅子の準備をしていただきたいと思います。「こんな狭い家でも車椅子が使えるだろうか?」と思える場合でも、適切な車椅子に適切な使い方をすれば、意外と使えるものです。そして、ベッドから車椅子への移乗動作も何とか自力で行なえるように環境を整えてあげましょう。○ページ:ベッドに取りつける起立用のバー、が必要だと思います。今は自力で乗り移ることができない方でも、適切なバーの設置でできるようになる方が沢山いらっしゃると思います。
車椅子を使う以外に、安全にいざったり四つ這いで移動するという手段もあります。ただし→ 床上でのいざり、で説明している通り、いざるのもなかなかに大変なことです。どうでしょうか?試してみる価値はあります。
C寝具
移動手段に車椅子を使用する場合にはベッドが基本となります。そして、立つのも難儀なのですから、ベッド上で寝がえったり起きあがったり、起立するのにも動きやすいものにして、本人さまの能力が十分に発揮される環境にしてあげなければいけません。→ ベッドについて〜1、→ 寝返りについて、→ 起きあがりについて〜1:端座位への起座、自力と介助、→ 端座位からの立ちあがり〜自力起立のコツ、→ ベッドにとりつける起立用のバー、などのページをお読みいただき、環境を整えてあげて欲しいと思います。
いざりを移動手段とする場合では畳の上にお布団が良い、ということになりますが、そうなるとベッドの手すりにあたるものがありません。例えば寝返りをしたり起きあがったりするのにつかまるところがなくて難儀をするようであれば、→ 寝返りについて、で紹介しているような「差し込み式手すり」のようなものを準備してあげてください。
D排泄
寝具にベッドを使う場合には、とりあえずはベッド脇にポータブルトイレを準備しましょう。特に夜間はベッド脇のトイレを使うことにすれば、ご家族の負担を減らせます。立つのにも不自由を感じるくらいなのですから、立ち座りのしやすいトイレにしてあげないといけません。→ 使いやすいポータブルトイレについて、をご参考にしてください。日中、車椅子で過ごす間は、家の造り付けのトイレが車椅子でも使えるようであればそれで良いのですが、家のトイレは使えず寝室までも遠いという場合には、居間の近くに日中用のポータブルトイレをもう一台準備してあげないといけないかもしれません。
いざって屋内を移動する方の場合には、→ 床からの起立・床への座り〜自力の場合、をお読みいただき、トイレやポータブルトイレの前に起立用の「手つき台」を準備してあげるか、自力では全く困難なようならば→ 床からの起立・床への座り〜介助の場合〜及び転倒者の助け上げ、で説明している介助方法で立ってもらってトイレを使わなければいけません。これは車椅子に乗る場合も同じことです。それではあまりに大変ということで床から起立するのが難しい場合には、→ 床上でのいざり、で紹介しているような「いざり者用ポータブルトイレ」を(既成品には無いので手作りで)準備するか、畳を一枚剥いで床にポータブルトイレを埋め込んでしまわなくてはいけません。
車椅子を使うかいざるか、どちらにしても「時に失敗」が見られるようになるかもしれません。そんな場合には、「紙パンツ型おむつ」を使うのも一つの手段です。また、ズボンなどはきものも上げ下げしやすいものを使うようにすれば、排泄が容易に行なえます。