老人介護についての個人的HP- 可能動作レベル別(4)-2

〜具体的な「介護生活」のイメージの仕方〜

立つのがやっと・・という方(後半)


E入浴

 このレベルですと、自宅での入浴はかなり大変な作業となってきます。立つことはできても歩くのは難しいわけですから、入浴のためにも場面ごとに介助が必要となり、脱衣室とそれから特に浴室にはそれなりの広さが必要になります。浴室内も歩いて移動することができませんから、キャスター付シャワーチェアを使うことが基本となります。つまり、それが使えるだけの広さは必要、となるわけです。

 まずは居間や寝室から浴室・脱衣室までの移動が問題となります。車椅子で脱衣室まで移動する場合には、ベッド上であらかじめ服を脱いでおき、急いで移動してしまう場合と、脱衣室が十分に広ければそこで服を脱いでも良いでしょう。他の場面ではいざりで移動している方も、入浴の際には脱衣室への移動は介護型車椅子を使った方が、あとの動作が楽だと思います。

 脱衣場から浴室内への移動も問題となります。脱衣室まで車椅子で移動してきたとしても浴室内までそのままで車椅子を濡らしてしまうわけにはいきません。脱衣室と浴室に全く段差かない場合には、キャスター付のシャワーチェアで最初から移動すればそのまま浴室内まで入っていけます。上がる時には、脱衣室で濡れたシャワーチェアから車椅子に乗りかえればよい訳です。脱衣室と浴室の段差がそれほど多くない場合(目安として20cm以内)は車椅子を脱衣室に、シャワーチェアを浴室に、それぞれ向かい合うような形で置いておき、車椅子からシャワーチェアに乗りかえる方法があります。その場合、脱衣室から浴室内に移る時も浴室内から脱衣室の車椅子に写る場合も、ともに足は高い方の脱衣室の床に置いた方がよいでしょう。そうすれば、段差が20cm、車椅子・シャワーチェア座面高がともに40cmの場合、車椅子からみてシャワーチェアが20cm低い座面高となるわけです。整えられた環境では自力で立つことができても、20cmの高さへ自力で座ったり立ったりすることは困難でしょうから、介助が必要になります。

 広さなどの関係でそのような介助を行なうことが難しい場合、脱衣室内で車椅子からシャワーチェアに乗り移ってしまい、シャワーチェアで段差を越えて浴室内に移動することになります。その場合はシャワーチェアといっても、ある程度キャスターのしっかりした車椅子に近い構造のものを選んだ方がよいでしょう。反対に浴室の広さに余裕があれば、介護型であっても後ろ向きの車椅子で浴室内に入り、そこでシャワーチェアに移る方が段差越えはらくです。本当に広い浴室ならば、段差解消のスロープを置くことも可能性としてはあり得ますが、そこまで広い浴室は稀でしょう。

 以上のように何とか浴槽脇まで来れれば、あとは浴槽を半埋め込み式で深すぎないお風呂として適切な移乗台があれば、軽い介助で入浴できます。(→ 家庭浴槽について入浴移乗台の形状 )浴槽の中では浮力が効きますから、上がるのもそれほど苦労はないはずです。 


F食事

 まずは移動手段を確立し、とにもかくにも「寝食分離」を徹底できればそれが一番良いです。(→ 寝食分離を図りましょう

 車椅子を使用する場合には、車椅子と食事テーブルの「適合」を考えないと食べにくい姿勢となってしまいます。→ 食事テーブルの高さと車椅子使用時の工夫 をお読みいただき、食べやすい姿勢を実現してあげてほしいと思います。

 いざりで移動している場合には「ちゃぶ台」での食事となりますが、これも同じく高過ぎないようにしてあげてください。特に小柄な方で背中が曲がっていたりすると、投げ出した足の上に直接食器お盆が置かれるくらいでちょうど良かったりするくらいです。

 何らかの理由で寝室で食事を摂る場合には、ギャッヂアップではなくてあくまでベッドに対して横に腰かけ端座位で食事を摂るようにしましょう。その際にも、ベッドが椅子代わりになるのですから足が床に届くちょうど良い高さとし、適合の良い良いテーブルを準備してあげることが必要です。


G日中安静

 車椅子を使っている場合は、車椅子がそのまま安楽に過ごすための椅子となります。ですから、長時間座っているとお尻が痛くなってきたり腰が痛くなってきたりという状態では、椅子としての機能が不十分である、ということになります。→ 車椅子クッションについて、→ 車椅子フットプレート高さ調節の必要性と方法、のページをお読みになり、適切な車椅子の準備・調整や道具の工夫をしてあげたいと思います。

 いざりで移動している方の場合には、「座椅子」が適応となります。背もたれだけのものから座面がわずかでも厚みを持っている物など、様々な製品があります。


H外出手段

 このレベルの方だと、外出に車椅子は必須となります。屋内でも車椅子を使っている場合、屋内用と屋外用を同じ車椅子で兼用するのは、家屋内の汚れの点からいって受け入れにくいものです。ぜひとも、屋内・屋外それぞれ専用の車椅子を準備したいものです。

 そして、外出時は家の中にいるうちに屋外用の車椅子に乗り換えてしまわなければいけないことが多いと思います。廊下と玄関の段差が少なければ(大体20cm以下)、屋内用は廊下に屋外用は玄関にそれぞれ置いて、介助を受けながらでも乗り換えができるかもしれません。段差が大きくて、家屋内にいるうちから外出用車椅子に乗ってしまわなければいけない場合には、前節「屋内は歩ける人」のH外出手段で述べたように、玄関スロープや車椅子用階段が必要になります。また、金銭的に余裕があれば、車椅子用の昇降リフトやエレベータが設置できれば外出も非常に気楽に行なえるようになります。

 屋内をいざりで動いている方の場合には、既にD排泄のページで説明した通り介助ででも床上から車椅子に乗せてあげなければいけません。→ 床からの起立・床への座り〜介助の場合〜及び転倒者の助け上げ、で説明している「全介助による床からの起立動作介助」方法を覚えていただく必要があります。


I外出機会

 この点については、前節の「屋内はやっと歩けるけど・・」のI「外出機会」をご参照ください。前節以上に閉じこもりになってしまいがちですから、意識して積極的に生活範囲を広げる努力をしましょう。

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