老人介護についての個人的HP- 可能動作レベル別(6)-1

〜具体的な「介護生活」のイメージの仕方〜

端座位に起こしてあげれば座っていられる・・という方(前半)


@生活目標

 目的:一般的には既に「寝たきり」と呼ばれてしまうレベルですが、褥瘡の発生や関節拘縮などは予防して、精神的にも健康な状態を維持していきましょう。

 手段:「座らせれば座っていられる」ことを生活場面に最大限に取り入れていきましょう。介助者さんはそのための介助方法を身につけ、機器環境もそれに相応しいものとしましょう。

 まずは前節と同じく、本当に自力で起きあがれないかどうか、再検討してみませんか? → 起きあがりについて〜1:端座位への起座、自力と介助 をご覧になって、できるだけ起きやすい環境や方法を試してみてください。基本的には足を投げ出した長座位に起きるよりは、足をベッドの横に垂らしながらの端座位に起きる方がずっと楽な場合が多いものです。

 それでもどうしても自力では起きあがれない場合、既に介護者の援助がなければ寝たままでの生活とならざるを得ないレベルですから、放置すれば心身機能はどんどん低下していく可能性が大きくなります。せめて、「起こしてあげれば起きていられる」ことを生活の中に取り入れて、寝たきりで強度の拘縮や褥瘡が起きてしまわないようにしましょう。とはいっても、既に「立つ」ということはあまりないでしょうから、例えば膝は健常な人のようにまっすぐにまでは伸びにくくなってしまうかもしれません。ある程度の機能低下は仕方ないとしても、関節の動く範囲にしろ体力筋力面にしろ「腰かけている」のには不都合のないような状態を維持していきたいものです。既に起きあがらせるのにも介助が必要なわけですが、ギャッヂアップの多用はむしろ弊害も大きいものです。(→ ギャッヂアップベッドの多用はちょっと待った?!)以下にご提案するような方法で、できるだけギャッヂアップは使わない方が良いように思えます。


A生活様式全般

 基本的には自らできることが限られますから、それを精一杯行ないやすいようにして、生活の中で機能をいかしていきたいですね。同時に介助も何かと必要となりますから、介助しやすい環境にもなっており、合理的な介助方法が実践できないといけません。

 基本的には介護しやすいベッドによる生活となり、そこからいかに車椅子などを使った座位の場面を取り入れていくか?ということになります。


B家屋内移動

 このレベルですと、移動のためにベッドから車椅子に乗り移るのも、ほぼ全介助となります。まず起こしてあげる介助は初めから端座位に起こしてあげて構いません。(→ 起きあがりについて〜1:端座位への起座、自力と介助)そこから車椅子への移乗介助へ連続して行なうことになります。(→ 端座位からの立ちあがり〜介助の場合)その際には、できるだけ介助する方もされる方も楽なように、車椅子の側板が取り外せたり撥ね上げたりできるタイプの物が良いでしょう。(→ 車椅子の種類と適応「はねあげ式側板」)自力で起きあがれない方だと車椅子の自力駆動も難しいことが多いかもしれません。それならば車椅子も小回りも効くように車輪の小さな介助型で良いでしょう。(→ 車椅子の種類と適応「介助型車椅子」


C寝具

 まず、せめてベッド上での体動や寝返りができやすいようにしてあげるべきですね。ベッド幅はむしろ広めの方が寝返りしやすいものです。医療介護用ベッドとして一般的な83cm幅のベッドでは、少し大柄な方だと寝返りするだけでベッド端が目の前になってしまい、寝返りもしにくいものです。最近は、90cm幅・100cm幅など、様々な幅のベッドが「介護用」として準備されています。機能に相応しいベッドを準備したいものです。ただし、次項の排泄が既にオムツであって、その交換も介助でという場合は、ベッドの幅が広いとオムツ交換時に介助者が大きく腰を曲げなければいけなくなるかもしれません。そんな場合の対応は次項のD排泄、で触れます。また、介助で起きあがった際にも座位が安定するように布団面を整えたり、足の届く高さにしたりという考慮も必要になります。


D排泄

 このレベルでも何とか排泄を自力で行なう方法はないでしょうか?可能性として上げられるのは、@尿については男性ならば寝たままで尿器を使う、Aオムツが汚れたら自力で寝たままで外して新しいオムツをあててしまう、といった方法が考えられます。女性の場合は排尿の場合でも自力で尿器や指しこみ便器を使いこなすのは難しいかもしれません。排便についてはオムツを使う以外はどうしても介助が必要になりますね。でも確かに、本人さんと介護者さんの良い連係で、確実に介助でのポータブルトイレ排便をされている方もいらっしゃいます。その場合には、身体機能面だけではなく、排便がある程度定期的であるとか便意をしっかり感じでコントロールできるといった様々な条件が必要になって来ます。

 やむを得ずオムツを使用する場合でも、できる限り随時交換はしてあげたいものですし、上記のような何らかのオムツ以外の排泄形態を取る場合で用心のためにオムツも、という場合には、あげ下げのできる紙パンツ型オムツを有効に活かしたいものです。
自力で体動しやすいようにベッド幅を広めに取る場合には、むしろ介助によるオムツ交換は条件が不利になってしまいます。大きく腰を屈めないとオムツ交換できない、ということならば、例えば片膝をベッドについて作業を行なう(→ 臥位横移動:介助の場合の「介助者の膝つき写真」)といった対応をすることができます。

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