老人介護についての個人的HP-2 介護福祉機器-(15) 家具椅子の高さ

家具椅子は高すぎてないかい?

 最近は施設ケアにおいて、食堂での食事やレクリエーション活動など「離床」が当たり前になってきています。歩けない方は車椅子を使いますが、まだまだ歩ける方は「家具椅子」を使う時間が長くなってくる、ということになります。

 ところが現在一般的に使われている家具椅子は、真に高齢者にとって使いやすくちょうどよいサイズなのでしょうか?ちょっと考えてみれば分かる通り、私たち壮年者も同じ椅子を使っているのであれば、表題のとおり高齢者には「高すぎ」ていないでしょうか?ちなみに家具椅子の高さは、座面前面でどれもこれも42cm程度となっています。

 写真1は当苑の食堂の椅子にお婆さんが座っているところです。足はきちんと床についていますが、浅く腰かけていますね。そこできちんと座面奥まで腰かけてもらうと、写真2のように「踵が浮いてしまい」ます。

  

写真1 写真2 

 もしかすると高齢者に多い「下腿浮腫」は、高すぎる椅子による膝裏や大体後部の圧迫が原因の一つになっているのかもしれません。

 当苑の食堂にテーブルや椅子が搬入された後、私が↑このようなことをワーワー言っておりましたらメーカーさんも考えてくれて、やがて「高齢者向けシリーズ」として座面高39cmの椅子を発売してくれた上に、お土産に2つばかり持ってきてくれました。(チ○セさん、ありがとう!)その椅子だと写真3のようになります。高さ3cmの違いが随分な差となって現れます。2つの椅子を並べてみると写真4のように違いが分かります。

 

写真3           写真4       

 と、思いましたらこの件も既に、広島県の特養「誠和園」村上施設長先生の本、『寝たきり地獄はもう嫌じゃ』(筒井書房:\2.500)の中で指摘され実践報告までされているそうです。先輩諸氏の努力も学ばなくちゃいけませんね。(^_^;

工夫の例

 このページに関連する内容として、お母さまを在宅介護していらっしゃる宮城県の永井さまから以下のような内容を含むお手紙をいただきました。

・自立用椅子=非常に作成が簡単な上に、現在も役にたっています。

 作り方:既成の木製椅子の前足2本を鋸で切って、少し前傾に
 しただけ。これにより立ち上がりが楽になり、また着座姿勢も
 比較的いいようです。

 大変に良い工夫をしてあげましたね。既成の家具椅子が場合によっては「高すぎる」ことはこのページで説明した通りですが、「座面の奥がより沈み込んでいる」のも、場合によっては不適合となる場合があります。特に脊柱の曲がっている円背の方や、永井さまのお母さまのように起立能力に余裕のなくなってきている方には、座面は地面に水平か、座位姿勢が崩れない安楽な範囲でお書きのようにわずか前傾でも良いかもしれませんね。そうすれば、しっかり足が床につくようになるだけでなく、立ち座りもしやすく座位姿勢も良くなる、確かにそんな方もいらっしゃるに違いありません。

 座面の前傾については拙HP内では椅子のページではなくて、ポータブルトイレのページで触れていまが、安楽用の腰かけ椅子にも同じことが言えるわけですね。

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