老人介護についての個人的HP-2 介護福祉機器-(16) テーブルの高さと車椅子使用時の工夫

食事テーブルの高さと車椅子使用時の工夫

 既に食事大作戦のコーナー中でも指摘したことですが、どうも一般的なテーブルでは、高齢者にとって高すぎるようです。(写真1:椅子42cmにテーブル70cm)そしてちょうど良いテーブルの高さの出し方として、「椅子座面高+座高の1/3から2cmほど引いた値(差尺)」という計算式も紹介し(写真2)、一般的な家具としての椅子やテーブルは「成人男性」を基準に作られていることも既に指摘しておきました。このページでは、そのような状況の中でどうしたらよいのか?それを考えてみます。

 

写真1:一般的な椅子とテーブル   写真2:差尺       

※独歩可能者の場合

 まず基準になる椅子の高さですが、これまた既に介護福祉機器のコーナー(15)で指摘した通り、高齢者には普通の椅子よりも若干低めでよいと思います。ここでは40cmとしておきましょう。それに差尺を加えてテーブル高とするわけですが、高齢者の場合は差尺は20cmもあれば十分でしょう。となると、テーブル高は40cm+20cmで「60cm」ということになります。ちなみに40cmの腰かけに60cmのテーブル高では、写真1と同じ方で写真2のようになります。絶対こっちがいいよなぁ!

写真3:40cmの椅子と20cmの差尺

※車椅子使用の場合

 一般的な車椅子で食事テーブルに向かう場合には、なかなかちょうど良い高さにしてあげることができません。車椅子の側板の上にテーブルがかぶさるようにすると高すぎてしまい、テーブルを下げると車椅子の側板にぶつかってしまい身体から離れてしまうことが多いのです。(写真4:写真5)
 そのような場合の対応法をまとめておきます。

 

写真4:高い!     写真5:遠い!

a,デスクアーム車椅子を使う

 一番簡単な対応は、車椅子をデスクアームとすることです。(写真6)これならば低いテーブルを身体の側まで近づけることができます。ただし、ベッドから車椅子に移る時につかまることろがなくなってしまいますから、ベッドの方に移動用のバーをつけてあげたりする工夫が必要です。(→機器のコーナー(5)ベッドにとりつける起立用のバー

写真6

b,お尻上げ(補高)

 車椅子に5cmから10cmほどの厚みで座布団を敷いてしまえば、それだけ身体が上がり、相対的にテーブルが低くなります。ただし、車椅子の側板まで相対的に下がってしまいますから、テーブルに向かう時以外は身体が高いだけでなく、不安定になってしまって危険かもしれません。また、フットプレートの高さも違ってきてしまいます。(→機器のコーナー(9)車椅子のフットプレート高さ調節の必要性と方法)そして食事の時だけ敷きこむというのは、いかにも大変・面倒ではあります。(本当にテーブルが下がれば食べやすくなるのか?の)「お試し用手段」でしょうか?

c,車椅子専用テーブル(写真7)

 私どもの方で手作りしているテーブルがこれです。(写真7)テーブル面を下げると同時に身体に近づけられるようにしました。折りたたんでまとめてしまっておくこともできます。(写真8)少し手狭ですが、食べやすさはずっと改善されます。手軽に使えますが、いかにも貧乏クサイ!(見た目が良くない、です。)

 

写真7         写真8

d,家具椅子に座りなおす

 食事中は移動する必要は無いのですから、介助者さんに余裕があればちょうどよい椅子とテーブルに座りなおしてしまうというのも手段です。ただ、多くの方を一斉に、というのはどうでしょうか・・?

 このような対応方法が考えられますが、どれも一長一短あります。そこで頭の中で考えているのが以下のような方法です。

e,デスクアーム改良型車椅子

 ちょうどよい高さのテーブルに近づきやすいデスクアーム車椅子の欠点は、移乗時につかまるところが無い、ということでした。ならばこのようにしたらいかがでしょう?(写真9)デスクアームの上部に長い肘置き棒をしっかり固定します。(写真9ではもう少し長くてもよいでしょう)60cmのテーブル天板がちょうど「切れ目」に入りこむような高さにすれば、車椅子移乗時にもしっかりつかまるところがあり、同時に60cmテーブルが身体の近くまで寄せられます。(写真10)「こりゃイイゾ!」と一人でニヤニヤしている次第ですが、今しばらくは車椅子・テーブル込みで施設備品の実用手段として「具体化」するチャンスはきそうもありません。どなたかやってみませんか?もしもその時は、ぜひお声をかけてください。例えば以下のように、まだまだ細かいところで考えるべき点は沢山ありますから、ぜひお手伝いさせてください。(^_^;

 

      写真9      写真10:こりゃイイゾ

※おまけ:テーブル脚の間の梁(?)について

 写真11のテーブルの所は「梁」と言ってよいのでしょうか?例えばこの部分はテーブルに強度を持たせるために必要な物とは思いますが、写真11のような位置にあっては困ります。特にこのページで訴えさせてもらったようにテーブルを低めにしようとすると、例えば膝や車椅子の側板がここにぶつかったりすることもおこるかもしれません。写真12のように少し奥に引っ込めるべきですね。

 

    写真11          写真12

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