老人介護についての個人的HP-2 介護福祉機器-(23) 水洗便器の詰まり
施設職員の皆さん、それからもしかして在宅者の皆さんの中でも、痴呆のある方がトイレにものを詰まらせてしまうトラブルに悩んでいらっしゃいませんか?
私が以前に勤務していた老健には「痴呆専門棟」がありましたから、実に頻回に詰まってました。(~_~; 詰まらせるのは、タオル・靴下・汚してしまった下着・尿取りパットなどなど・・。「君は水分を吸収しきった尿取りパットを見たことがあるか?」こんなにも膨らむものか?と驚愕するくらいにパンパンに膨れあがり、さすが高分子吸収体!宣伝にウソはないや!と妙な感心をしてしまいます。
そんな時、私は取れるものは手を突っ込んででも引っ張り出し、ダメな時は「バコバコ棒」で強引に押し流していました。でも、いつ便器のS管ではなくて配管の奥の方で詰まってしまわないか、ドキドキものでした。(だからあんまりお勧めできません。)きちんと業者さんに来てもらって便器取り外し・除去作業をしていただくと、そのたびに1万円からかかってしまうそうです。
新しい施設建築設計の際に、設計業者さん・設備会社さんに「どうにかなりませんか?」と訴えたところ、あっさりと「どうにもなりません。」そりゃ、どうにもならないのかもしれないけど、ちょっとは考え込むフリでもしてくれたらいいのに・・。(^_^;
たびたび溢れかえる床の汚水を始末してくれる介護スタッフさんを見るに見かねて、ピアノ線で図のようなものを作って便器排水穴の手前にセットしてみたことがあります。これで雲古・紙は流れても、水に溶けないものはここで引っかけ詰まりを予防しよう、というわけです。ところが・・異物のつまりは確かに防げるのですが、紙はもちろん引っかかるし雲古も少ぅし固くて大きいと引っかかって流れてくれないんですね。その様は、本当に情けなくて涙が出そうでした。(だって試しに“して”みた自分の“ヤツ”が引っかかっているんだもの・・(; ;) )

実は、そんな経験をしているうちに「便器の前面下方、S管の前が金属窓になっていて、窓を外して詰まった異物をとり出せる便器」があることを知りました。でも、実際に使ったことはありません。もしかして異物とり出しの時には汚水がどっと流れ出るんかいな?なんて思っていました。
ところが、このHPを持ってから「便器といえばT社さん」のスタッフさんとお手紙のやりとりをさせていただくようになりまして、必ずしも汚水が流れ出ることはない、とのご教示をいただきました。でも、この便器はT社さんもI社さんも「受注生産」で、一般のカタログには掲載されていないそうです。で、このページの内容をぶつけましたら、T社さんのHPでこの便器について詳しくとりあげてくれることになりました。http://www.revlisnet.com/qa/index03.html (TOTOレブリスネット〜水回りQ&A)こちらに私のタメ口メールとともに、画像・図つきで紹介・説明されています。ぜひ、ご覧になってみてください。(backボタン・CONTENSボタンでHP全体もぜひ…)
さらに、この便器について「T社レブリススタッフ 川口環さん」から、以下のようなご教示をいただきました。
『ご質問にあった便器ボール内が汚水で満水状態の場合、掃除口蓋を開くと掃除口から汚水が漏れでることがあります。少し時間をおいて便器ボール内の水位が下がるのを待つか、水位が下がらない場合には掃除口下にバケツ等の容器をご準備の上作業することをおすすめします。そして回答文書を作成したレブリススタッフ(川口)はそのような状態をも想定しHP作成を行ったつもりでいました。
この便器は、もともとは大昔に日本道路公団から高速道路のパーキングエリアトイレのイタズラによる便器詰まりを解消するために特殊品にて生産したのがはじまりであったと記憶してます。それを老人施設や病院へ出来るだけマッチした仕様を目指し、商品改良したものです。例えば“老人施設や病院における異物つまりの頻度の高さ、大きな異物でもできるだけ取り出しやすくするために、掃除口(直径52o)を倍の大きさ(直径100o)に改良”“掃除口蓋の取付け方法は、前面にボルトがむき出しであったものを老人施設/病院における安全面の重視からキャップナットに仕様変更”、またこの便器の特徴として便器の高さがその他の便器より低い(H=350o)ことから小柄な高齢者の方にもお使いいただけるのではとの考え、検討から痴呆の方による便器汚物詰まりでお悩みの老人施設・病院等への導入をオススメしている次第です。』
下図をご覧ください。通常状態(図2)では、断面図の通り金属窓を外しても、一切汚水は流れ出ませんね。いざという状態(図3)で金属窓をとり外して赤い異物を取り除いた場合、水圧で便器内の汚水が流れ落ちてきますが、その際に汚水の一部は構造上配管に流れ落ち一部は窓から漏れ出るかもしれない。ということになります。 そして大変ありがたいことに、今月中に川口さんの方で実際に「実験」してみて、「汚水の漏れ出具合」を上記レブリスHPに報告下さるそうです。楽しみですね。そして、同様の製品はI社さんにもあるに違いありません。(もっとも細かい規格はT社さんのほど確定的なことは言えませんが…)

図2 図3
さて、T社レブリススタッフさん方で、上記の点について実験されたそうです。その結果は、http://www.revlisnet.com/qa/index04a.htmlに詳しく報告されていますが、ここでもその一部をお伝えします。
写真1:汚水が満水になっている紙オムツの詰まった掃除窓付きトイレの掃除窓を取り外します。(詰まったままなので、この段階では汚水は流れ出ません。)
写真2:掃除窓の下に洗面器を置いて、詰まった紙オムツをゆっくり引き出します。(急に引っ張り出すと、窓から流れ出る汚水の量が増えてしまいます。)
写真3:水圧の関係で、汚水の一部が掃除窓から流れ出ます。
写真4:最終的に、「洗面器約1杯分(2リットル)の汚水が掃除口から手前に漏れ出たが、大半の汚水(満水時のおよそ70%)は排便管内へ押し流された。」とのことです。

写真1 写真2 写真3 写真4
『除口の取り外しにもたいして力はいりませんし、異物の取り出し口から異物を取るときも、手首ぐらいまで差し込むだけで取り出せました。スパナ、バケツ、雑巾を準備して、作業を始めてから 10〜15分程度で作業を完了出来ました。』とのことです。これまでの私のように、「奥での詰まり」を気にしながら押し流したり、わざわざお金をかけて業者さんを頼むよりはずっと良いですね!
今回T社の川口さんとやり取りさせていただいて、「物作り」に携わる方の「心いき」を感じさせていただきました。そしてせっかくこのような製品があるのに、「カタログにも載っておらず」「あまり知られていない」というのは残念なことですね。受注生産なのは仕方ないとしても、カタログ上でそのメリットを遠慮なく打ち出していただいて、もっと一般的になれば介護スタッフさんのご苦労も少しは減るのに・・なんて思います。そして、「ここをもっとこうして欲しい」という声をどんどん届けたいですね。そして、より高齢者にとっても介護者にとっても使いやすい便器ができていけばいいなぁと思います。
(今回、この更新の前に私の理解不足のままページ掲載した内容について、川口さんにいらないご心労をおかけしたこと、申し訳なく思っています。個人的なHPではありますが、無責任で良い、ということではありませんね。m(. .)m )
追加情報:さらに川口さんの方から、上記実験の様子を収録したビデオテープをご提供いただきました。実際の異物引きぬきの手間の様子、掃除窓から水が流れ出る量や様子が良く分かります。ご連絡いただければ実費にてテープダビングしてお送りしますので、興味をお持ちの方、導入をお考えの方はメールでどうぞ!