老人介護についての個人的HP-2 介護福祉機器-(27) 介護椅子
屋内は何とか歩けます、というレベルの方々にとって立ち座りしやすい椅子が準備されているかどうかは、日中の活動性を決め、さらには寝たきりになるかならないか?を左右しかねない問題となってきます。
そのことは、『“可能動作レベル別介護生活のポイントのコーナー”の(5)、屋内はやっと歩けるけど…という方(後半)のG日中安静』に、『歩いたり、立ったり座ったりもおっくうになると、寝室にこもりがちになるかと思います。居間に立ち座りのしやすい大きな椅子を準備して“本人さんの場所”としてあげてください。居間の中で、寝室やトイレにも行き来しやすい場所に椅子を置いてあげましょう。』と、書いた通りです。
ところが、実際にはなかなか良い椅子がありません。例えば介護カタログを見てみると、写真1のようなものは見つかります。立ち座りしやすく、同時に座っていて安楽な椅子として、実に良い形をしていますね。私が座ってみると実に良い感じです。(写真2)私専用に、自宅に一つ、欲しいくらいです。(^_^; これで定価でざっと10万円です。

写真1 写真2
しかし、例のごとく(^_^; 私にちょうど良いのですから、今の高齢者、特に女性には『大きすぎる』ことが多いのです。写真3はそれでもまだお若い、そんなに小柄な方ではないのですが、この椅子に腰かけると見事に踵が浮いていることが分かると思います。(写真3←矢印)踵が床にしっかりつくようにお尻を前に出すと、見事に写真4のように「ずっこけ座り」になってしまいます。そして背もたれの腰を支える部分の出っ張り(写真1・4の←矢印)が見事に本人さんの背中の真ん中を押してしまっていることが、写真4で分かります。つまり、『全然合っていない!』んですね。(;_;) これじゃぁ10万円も使うのはもったいない。

写真3 写真4
結局、この方はご主人が探し回って、北欧製の椅子を家具店で見つけてこられ購入されました。幾サイズかあるなかで一番小さなSサイズを選んだそうです。14万円くらいだったそうです。日本と欧米と『“椅子文化”の歴史・深みが違う』、それは私たち健常者にとって日頃はそれほど感じられないかもしれませんが、こんなちょっとした場面で強く強く感じます。国内メーカーさんにもどうか頑張ってほしいものです。
実際には…、ソファーセットのうち一人用のソファーを転用することが多いようです。もっともそのままでは座面が低すぎたり沈み込んだりしてしまいますから、板を敷いてその上に座布団を敷いたり…色々工夫されている家庭が多いようです。
良さそな安楽椅子についての追加情報
さて、HPをご覧の方から、「この椅子が良さそうですよ!」との情報をいただきましたので、ご紹介します。下の写真がそれです。

カタログ上では「座面高40cm」とやや低めですし、脊中の適合も期待できそうです。また、お値段も定価で6万円台と、輸入品や国産の類似商品に比べてもやや安価ですね。ただ、私自身は実物を拝見し触ってみたことがあるわけではないので、ここでは写真のみの紹介とさせていただきます。関心をお持ちの方はご連絡ください、メーカーさん名およびHPをご紹介いたします。(以上、平成12年春)
…と、書いて、平成15年初夏時点でもう3年経ちました。この3年の間、半年に一度くらいは↑この椅子の件についての問い合わせをいただいてきました。実はこれ、家具専門メーカーとしては大手「K」さんの「優遊世代シリーズ」というものでした。現状でどうなっているか?私もメーカーさんに直接電話して確認してみましたら…
『廃版です。もう作ってません。』
実にあっさりしたものです。ダメですね。現場で喜ばれているか?どうかはさておいて、作ってみて売れ続けなければすぐに廃版、なのでしょうか?このメーカーさんの家具はどれも丁重な良い造りなのに、「営業姿勢」がそういうものなのならば、とても残念なことです。
さて、ようやく自分自身でも実際に座ってみて、ようやく「これは!」と思える椅子に出会いました。写真6・写真7がそれです。

写真6 写真7
実はこれ、ノルウェーからの輸入家具です。サイズは、高さは好みの高さに調整して納入してくれます。(34cmまで切り下げたことがあるそうです)座面奥行きも掲載のシリーズでは3段階で調整可能。何より、座っていてとにかく気持ちよい!それでいて、ごそごそするのも起立するのも楽です。座面の体重分散具合は両者とも素晴らしく、ハイバックチェアの方は、仙骨部から腰部にかけても絶妙なサポート感が得られます。色も600!種類から選べて、カバーだけ洗濯可能。見た目はそれほど特徴はありませんが、座ってみると違いが納得できます。
実は、特養さんでの勉強会に、サンプルをたくさん持ち込んでももらって、みんなで座ってみたんですね。(熊本・東京から、新潟までおいでいただきました!感謝!)特養さんの備品椅子と座り比べてみたりして、『自宅に欲しい!ウチのジジババに欲しい!』と思いましたね。(^_^;
お値段は、左がざっと20万、右が9万というところです。安くはありませんが、価値は十分にあると思いました。輸入デアマイスターさん・販売ライフマイスターさんで、HPをリンクでご紹介させていただきました。また、ライフマスターの池田PTさんには、思索のコーナーでもお世話になっています。