老人介護についての個人的HP-2 介護福祉機器-(34) 椅子の調整とケアマネさんとの連携
えっと、このページでは「介護機器といってもお金をかければいい、という訳じゃない」ということと、介護保険時代を迎えて、「地域におけるPTの役割、村中での私の仕事の様子」を紹介する、という面と、2つのテーマでまとめてみます。
私のところへ、村中のケアマネさんからご依頼がありました。以下のような内容です。
◎ケアマネさんからの支援依頼内容
麻痺無し、腰痛激しく、日中臥床時間の長い方です。何とか歩けますが、居間で座っていてもすぐに腰が痛くなって、ベッドに戻ってしまいます。そこで屋内離床用=移動&くつろぎ用に車椅子導入を図りたいが、とりあえず当方から貸し出し可能な車椅子について、適合を確認していただきたい。
そこで、私と村の保健婦さんと、担当のホームヘルパーさん3人で訪問させていただきました。その結果…、
◎支援結果報告
現状では身体機能的に、車椅子まで使わなくとも屋内歩行は実用レベルと判断しました。ただし、本人さん用ソファーや食事椅子テーブルに不適合が大きく、安楽に離床し、また食事ができない状況のようです。
そこで、ソファーと食事椅子の調整を行いました。(別紙=以下ページ内容)
貸し出し可能な車椅子については、屋内用ではなく、とりあえず屋外散歩用として用いられるよう、介護者であるお嫁さんに段差超えなどの操作方法を提案・指導し、実際に20分ばかりの車椅子散歩を楽しみました。ただし、今後長期にわたってこの車椅子を使用するのは、問題があります。→特記事項:今後の予定、へ。
住環境・機器環境を動きやすく負担の少ないものにすることで、腰痛の再発・悪化を防ぎつつ、離床習慣を確立していってもらいたいと思います。
上記報告の中にある、「ソファーと食事椅子の調整」について、具体的な様子をご紹介します。
@安楽ソファーについて
このソファーは、本人さんがお元気な頃から使っているもので、場所もテレビ正面のこの場所と決まっているそうです。ところが腰が痛くなってから、「座っていられない」という状況となっているわけです。拝見すると、座面が低い上に座面後方の沈み込みが大きく、すでに結構な円背状態の本人さんが座ってしまうと、今はそこから立つのも難しい状態です。そこで、お孫さんのお古の週刊少年ジャンプを沢山準備してもらって、座面高さと傾きを調整しました。(写真1)

写真1
このソファーに腰掛けてもらった様子が写真2です。

写真2
本人さんの腰かけているソファー座面が、隣のソファーに比べて上に上がり、前に傾いている(実際には地面に平行までいくかいかないか程度)のが分かると思います。本人さん、「こりゃ楽だ!」と喜んでくれました。お話を聞くと、おばあちゃんだけではなく、家に遊びにきたお客さんの中でも、ちょっと腰の具合が悪い方はこのソファーに座るのを嫌がり、フローリングの床の上に座り込んでしまうそうです。(^_^; ただ、写真2でも、結構円背が強いことが分かりますね。これで食事椅子では楽にご飯が食べられない、との訴えで…
A食事椅子の調整
食事椅子を拝見すると、背もたれも木枠でできた固いものです。この椅子は反対に座面が高すぎ、これまでも足置き台を使っていたそうですが、今は台を使っても腰・背中がすぐに痛くなるそうです。そこで、写真3のように背もたれ部に調整を加えました。

写真3
お分かりになるでしょうか?背もたれの左右の隅に、毛糸座布団を丸めた棒を設置しました。上から見ると写真4のようになります。

写真4
2本の毛糸筒棒の間に、飛び出た円背のぐりぐり(脊柱骨棘突起)が収まるわけですね。位置や太さを若干調整して、結果…

写真5
「こりゃええわい!」と、喜んでもらえました。足もとにはこれまでも使っていた「足置き台」も写っていますが、これでは小さすぎて足元をゴソゴソできないので、もう少し左右に広い台を準備してくれるように、ご家族さまにお願いしておきました。
さてさて、これでお終いではありません。次は屋外外出、です。ケアマネさんへの報告書から…
◎特記事項:今後の予定
本人さんの円背強く車椅子も不適合強いので、介護保険サービスで屋外散歩用として調整可能なモジュラー型介護車椅子(→介護機器(29)注目の新発売既成品車椅子:簡易モジュラー型 )のレンタルを受け、PTの方できちんと調節したい、と考えます。そのあたりの連絡調整のほども、よろしくお願い申し上げます。
また、今後とも腰痛再発・悪化を繰り返すようならば、改めて適合に気を使った屋内用車椅子の使用を考えてもよいと思います。
と、こんなふうに、私の村での仕事は始まりました。何だか久しぶりに実践報告したような気がします。(^_^;