老人介護についての個人的HP-認識を迫るポータブルトイレ
Aさん、認知症のため自分が骨折後遺症で、既に歩けないことが分かっていません。むしろ、必要があれば歩こうとして転倒します。つまり、まだ認知症ながらまだ自分でやろう!という意欲はあるし、「立つだけ」「つかまりながらの移乗」は自力でできます。
ということで、スタッフさんとしてはベッドに移動用バーを設置し、ベッド脇に車いすとポータブルトイレを置き、ついでに足元にはセンサーマットを敷いて見守り、安全を確保しながらできることは行なってもらうような援助をされています。
ところが・・ベッド脇に置いてあるポータブルトイレが『家具調』なもので、時にAさんには『それが“トイレ”には見えない』らしいのです。家具調トイレに文字通りいす代わりに腰かけながら「トイレ・・」と訴えたり、ベッドから居室トイレまで歩こうとされたりすることがあるそうで、『どうしましょう?』と相談がありました。
そこで、『認知症で認識が悪くても、“これはトイレ!”と嫌でも分かるようにしましょう。』ということにしました。
対応@:家具調トイレの蓋=座面は、文字通りいすの座面のようになっていますから、ぱっと見た目で「トイレ」とは分かりにくいです。蓋を開ければ一目瞭然ですがね。そこで、せっかくの家具調トイレですが、クッションの効いた分厚い蓋=座面を取り外し、しっかりした透明なアクリル板を蓋にして、蓋をしていても便座がよく見えるようにしました。
しか〜し、蓋をせっかく透明にしても、「夜間はどうせ見えない」ですね。そこで、もう一つ手をうちました。それが・・↓これ。

写真で分かります?便座の裏側でバケツの内側に垂れ下りるように、「豆電球」をつけました。写真では透明アクリル板が「あるかないか分からない」状態になるのを嫌って縁を黄色テープを張ってあることも分かりますね。この電球、昼間にカメラで撮影しましたから、電球部分が黄色に写っているだけですが、肉眼では『ボワヮ〜』と光芒を放ち、実に目立ちます。このままではおそらく、夜になって消灯すると、『ポータブルトイレの中から部屋の天井に照明が利いて、部屋の中が明るくなる』くらいに明るいです。(^^ゞ これは天井照明蛍光灯についている「常夜灯豆電球=なつめ球」で、家庭用電源口から電源供給して点灯しています。テープを巻くなりしてもっと暗くしないといけません。位置としては、ベッド上でわらわら起き上がった本人様の視界に電球が入るようにしました。夜、部屋の明かりを消灯するときに、入れ替えでこの電球を点灯してもらいましょう。
できあがってセットしてこの写真を撮るときに本人さん、『おや〜便所が光ってる・・』。ヽ(^o^)丿
もっとも本当に夜になって、↑このおかげで認識が高まり、危険な場面が減ったか?それとも、夜間に暗い部屋の中でボワヮ〜と光るこの物体を、何か怪しい怖いものと認知して、かえって不穏に陥ったか?その後の報告は、まだ届いておりません。(^^ゞ 最初はちょっと混乱しても、そのうち馴染んで間違いなくこのトイレを認識して使ってくれたらよいのですが・・。ダメならダメで、また次の手を考えましょう。「夜中に巡視に来たスタッフさんがボワヮ〜と光るその中を覗くと、実に黒々とした立派な○○が光に照らされて・・」というのも、何だか切ない話ですし。(^^ゞ
注!@
制作費は、アクリル板が2千円。その他、電球・ソケット・コードで500円でおつりがくるくらい。
注!A
似たようなものを試してみよう!という方がいらっしゃいましたら、↑で紹介しているような「白熱線の電球」は使わないほうがよいです。発熱して発火の恐れがあります。(↑も数時間以上はつけっぱなしにして、できる限りの安全は確認しました。)最近は、LEDライト電球がバラで売っていますから、そちらの方が明るすぎず、発熱もせず、都合がよいです。ただし、本来は乾電池で光るようなものですので、電源として乾電池を頻回に交換するか?家庭用100ボルト交流電源を、直流3ボルトくらいに整流する『ACアダプタ』のちょうど良いやつが必要になります。(ACアダプタ=ファミコンの電源コードやノートパソコンの電源コードの途中にある“四角い箱”が、「ACアダプタ」ですね。)↑ではACアダプタを新規で買ったりするのがもったいない(意外と高価です)ので、とりあえずお試しに、豆電球を使いました。
ま と め
まー、こんなちょっとしたことを、わざわざお伝えしたいわけではありません。あえてこんな内容をアップするのは・・
@ 本人様にとって真に有益な、必要のある道具であっても、必ずしも既製品があるとは限らない。でも、私たちがきちんとその必要性を認識していれば、このページのように、ちょっとした工夫と手間で、対応できます。
A でもね、この細工を一緒にしたスタッフさん、半分は心配そうな顔をしながら、半分は実に楽しそうでしたよ。(^^ゞ このページを閲覧してくれている皆さんも、読みながら楽しくなかったですか?介護:生活支援の作業、生活の手作り作業というのは、本来こんなふうに、楽しくてやりがいのあるものなんだと思うんですね。そのことを伝えたくて、一発ネタでしかないですけど、このページをアップしました。