老人介護についての個人的HP-2 介護福祉機器-(8) 杖
小ネタですが基本中の基本、杖の長さの決め方や使い方の説明をしておきます。加えて種類の説明や、メンテナンスとして杖先ゴムの減りに注意を促しておきたいと思います。
一口に杖といっても様々で、例えば黄門様が持っているような杖(つまり長〜くて杖の途中を横から持つようなタイプ)は、半分飾り、せめて足の運びのリズムとりになっている程度です。医療介護場面で歩行介助具として使う杖の場合は、あくまで上から下につく形となって初めて体重支持に役立ちます。もちろん、杖先は「切りっぱなし」ではなくて「杖先ゴム」がついていなければいけません。
で、杖の種類はとしてはその握りの形によって、「T字型」「機能型」「?型」などに分けられます。(写真1)さらに、長さ調節が自由になるものと長さをあわせて切って使うものがあります。材質としては木製の物は切って決まった長さで使い、金属製のものには長さ調節が自由になるタイプと、切って決まった長さで使うタイプとがあります。
価格としては、「木製<金属固定長<金属自由長」となり、大体2000円から1万円弱くらいの幅があります。
写真1 杖握りの種類
個人として使うには「握りが機能型の金属固定長の杖をちょうど良い長さで使う」というのが、重さも軽く見た目もスマートでお勧めです。(写真2)
写真2
写真3 写真4
厳密には立った時の「大腿骨大転子の高さ」とされていますが、まぁ「立った時の手首の高さ」としておけば、まず問題ないでしょう。(写真3)その上で好みで微妙に長短するのは一向に構いません。
ただ、立位〜歩行時に腰や背中が曲がっている人の場合は少し注意が必要です。原則としては同じく「立って腕を自然に下垂させた時の手首の高さ」で良いと思いますが、杖をつくことで腰〜背中を起こそうという場合には、それよりも高くても良いです。もっとも高すぎると苦しくなりますので、その辺は長い棒を色々な高さで(横からで良いから)握ってみて、ちょうどしっくり来る長さを探してみましょう。(写真4)
木製の杖の長さを切り調節するには、一旦杖先ゴムを外したうえでのこぎりで切ります。金属パイプを切るのにはカナのこぎりでも構いませんが、パイプカッターがあると大変楽に綺麗に切断できます。たった一度の作業のために個人で準備をするのは大変かもしれませんが、施設ではぜひ揃えておきたい道具です。(杖のほか、高すぎるベッドの足を切ったりHPのあちこちに出てくるパイプ細工で使ったりしています。)
写真5 パイプカッター
身体を左右に分けてみて、より丈夫な側に杖を持ちます。つまり、左片麻痺ならば右手に、右膝が痛いのならば左手に杖を持ちます。こんなことは自分で実体験すればすぐに分かることなのですが、健康なうちはそんなことさえ感じとることができませんから、「知識」としてここで整理しておきます。
杖先ゴムは自動車のタイヤと同じで、「すべり止め」の機能が大切で、そのために「溝」が彫ってあります。ところがこれまたタイヤと同じで、使っているうちに磨り減って、左の写真のように溝が消えてしまいます。こうなるとわずかな床の水や砂で滑りやすくなり、大変に危険な状態ですから、杖先ゴムだけ交換してあげましょう。握力のある男性であれば、ゴムをしっかり握ってグリグリすれば、付け替えができます。色々な太さのものがありますが、車椅子業者さんや装具業者さん、介護機器販売店さんなどに相談すれば快く応じてくれるものと思います。価格は一つで300円程度です。