老人介護についての個人的HP-5 思索 - (14)ユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザインという概念と老人介護

 私は何も新しもの好きの流行追いかけマンではありません。特に「カタカナ言葉」「輸入された新しい概念」には、絶えず一定の距離をとって自分自身の中で吟味してみることが習慣になっています。(例えば“QOL”という言葉は、日本ではその中身を深く吟味することなくそれさえ言えば全ての“言い訳・免罪符”となるような使われ方をされているように思えて仕方ないので、私自身はほとんど使いません。)

 でも最近、そんな私も「なるほど・・」と思える新しい言葉・概念を知りました。付け焼き刃な勉強ですが、以下に紹介します。

 それは「ユニバーサルデザイン」という言葉・概念です。最近は「ノーマライゼーション」「バリアフリー」という言葉は一般化していると思われますが、「ユニバーサルデザイン」という言葉は、特に医療福祉関係者の間ではまだまだ知られていないと思います。

 「バリアフリー」とは、「障害のある方でも不便なく暮らしていけるような機器・施設構造・環境」のことを言います。つまり、「バリアフリー」とは「特定の障害者」に対する「特別のデザイン」と言えることになります。それに対して「ユニバーサルデザイン」とは、「全ての人のためのデザイン」であって「年齢・性別・人種・障害の有無の別などで、不便が生じないデザイン」である、ということです。もちろん、もはやバリアフリーの概念が必要ではない、ということではありません。バリアフリーに取り組む前に(あるいは同時に)、まずは例えば全ての方々がたどる「老化」の時にも困らず使えるデザイン、同時に若い方にもまだ小さな子供達にも不便なくむしろ便利に使えるデザインを考えようじゃないか、というのが「ユニバーサルデザイン」ということだと思います。

 ユニバーサルデザインの本を読みながら、私がこれまでHPにまとめてきた事柄、例えば「尿だれしにくい小便器の形」「出入りしやすい浴槽の規格」「食事しやすい椅子とテーブルの条件」など、これらはまさに「ユニバーサルデザイン」という概念で括ることのできるものか?と一人で合点した次第です。そして私のHPだけでなく、以前は小便器について、そして今は浴槽について手紙でやり取りさせていただいている広島県の特養「誠和園」さんはじめ多くの施設さんの「暮らしやすいように」という様々な工夫、それらも「特定の方のためのバリアフリー」というよりは「ユニバーサルデザイン」というべきか?という感じがいたします。

 そして、「ユニバーサルデザイン」とは「施設構造・機器」といった「ハード」だけを扱う概念ではありません。例えば「情報の管理・操作」といったことにも「ユニバーサルデザイン」という概念は適応されるのだそうです。だとすれば、「高齢者一般への介護」という一連の「技術=ソフト」にも、「ユニバーサルデザイン」という概念は適応されるのではないか?「老人介護」というのは「特別の技術」ではなくて、「全ての方々に適応されうる普遍的な技術」として捉え、考えるべきではないのか?「ユニバーサルデザイン」ということをより深く学んだ上で改めて「老人介護」ということを考え直してみることが必要ではないか?そんな気がしています。

 さらに個人のHPを良いことに大げさなことを書かせていただければ、「私たちが進むべきは、ハード・ソフト両面にわたる“介護のユニバーサルデザイン化”ということではないか?」と思います。

 ちなみに「ユニバーサルデザインの7原則」を下に付記しておきます。これらのことは「老人介護技術」にもそのまま適応される事柄ではないでしょうか?

  1. 誰にでも公平に使用できること。
  2. 使う上での自由度が高いこと。
  3. 簡単で直感的にわかる使用方法となっていること。
  4. 必要な情報がすぐ理解できること。
  5. うっかりエラーや危険につながらないデザインであること。
  6. 無理な姿勢や強い力なしに楽に使用できること。
  7. 接近して使えるような寸法・空間となっていること。

参考:デザインの未来〜環境・製品・情報のユニバーサルデザイン:古瀬敏編:都市文化社 \2.500
   ユニバーサルデザインとは何か?〜バリアフリーを超えて:古瀬敏編著:都市文化社 \2.000

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