老人介護についての個人的HP-5 思索- (4) 仕事の介護と家族の介護

「仕事としての介護」と「家庭の中での家族の介護」ということ

 物事を考えてみる時、そのことを極端に2つに分けて考えてみたりすると、案外と問題の整理がつきやすかったり、問題の本質が見えてきたりします。

 例えば、介護にまつわる2つの状況、「仕事としての介護」ということと「家庭の中での家族の介護」ということ。これは同じ介護でも全く「別物」と考えた方が良いでしょう。「仕事には“交代勤務”があるけど、家族にはそれがない」などの表面的(まぁそれも重要なことですが・・)なことではなくて、もっと言葉にしにくい本質的な違いがあるように思います。

 これはおそらく「職業としての介護」には「仕事以外の仕事とは切り離された生活時間」が職業人にはあるが、「家族」にとっては「介護そのものが生活の一部」というように表現すると、ちょっと本質に近づくかな?と、思います。

 例えば、私自身の「プライベートな生活時間」を考えてみれば分かります。例え健常であっても健康のために生活の中で守るべきこと、とくれば、色々あげることができると思います。毎食後3分間は○○法で歯磨きしましょう、タバコは吸わない方が良いに決まってる、休“肝”日は週に一日はもうけましょう、塩分摂取は一日10g以下にしましょう、早寝早起きを心がけ深夜パソコンに向かったりするのはもってのほかです・・・いくらでもあげることができます。で、世の中の人でこれらの事柄を忠実に守られている方はいるでしょうか?私は一つもできてません。(^_^; その私が、このHPの中では虚弱な高齢者とそのご家族に対し、「寝たままはよくない」とか「ベッドを調節しろ」とか言っています。(^_^; これではちょっと変でしょうか?ですからご家族に対して、よくこんなアドバイスも聞かれます、「上手に手抜きしなさい」。

 そもそもこれだけ組織化管理化された社会の中で、(職業以外の)「実生活・家庭」というのは本来、「休息やすらぎ」の場所なのです。(昔は、そして今でも一部の職業の方は家庭が職場でもありますが・・)甘えあう(甘えあえる)相手であることが、家族であるということの第一条件と言っても良いでしょう。その反対に、お互いを思いやる気持ちの強さや質も、家族ならではのもの、と言えます。気持ちと現実とが、あるいはご家族と本人さんそれぞれのお気持ちの中で、ある意味では相反するような状況が生じやすい、と言えます。おそらくその辺りが「在宅介護生活における問題の本質」であって、このHPで具体的に取り上げられるような具体的な知識技術は二の次でしょう。(私自身にそういう意識があるので“思索のコーナー”なんていうのを作っています。)その点では、職業人は楽です。どんなに誠意を持っていても、あるいは責任感を持っていても、だからこそ(他人行儀という意味で)“他人”ですから。(別の意味で“難儀”というのも本当ですけど・・(^_^; )

 かと言って、自分でできることも家族にしてもらうという形で家族に甘え、あるいははっきり言って介護の質を落として楽をするという形で甘え、そうして全てにおいて甘えあっていては、虚弱な高齢者はますます心身機能を落としていくことは目に見えています。

 そこで、私は現実的な考え方として「手を抜けるところは抜いても良いが、(心身の健康維持・増進のために)抜いてはいけないところが必ずあるはず、そのポイントを上手につかめ」と、アドバイス申し上げたいと思います。(例えば私だって“肺がんの疑い”と言われたら、すぐにタバコは止めるでしょう、きっと・・(^_^; )そして、そのポイントを上手に早く的確に把握し、それを上手にご家族とご本人さんに伝える力を持っている人こそ、「職業人としての介護のプロ」である、と考えたいと思います。

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