老人介護についての個人的HP-3 施設家屋-(5) 引き戸の工夫
施設家屋のコーナーの(1)でも簡単に触れましたが、身体障害をお持ちの方や車椅子を利用している方が自力で移動しながら操作するには、ドアよりも引き戸の方がずっと使いやすいものです。(ドアの開け閉めについて、車椅子に乗りながら行なう場面を想像すれば、すぐに分かりますよね?)(介助移動で使う場合も、やはり引き戸の方が使いやすいです。)ただ、引き戸の欠点として、出入りの間口とは別に「戸を引くスペース・壁」が必要であって、それが確保できない場合は「2枚引き戸」となって「間口の半分しか開口できない」という事態になってしまうことです。これは施設であっても一般家屋であっても、大きな問題となります。
この点について、当院から退院された片麻痺患者さんのお宅で、トイレの戸について素晴らしい工夫をされているのでご紹介します。
このお宅のトイレは、向かって右が男性立ち小便器、左が腰かけ洋式便器となっています。立ち小便器の方は廊下側に向かって開くドア、腰かけ便器の方は、車椅子で使うことを想定して「引き戸」になっています。といっても、腰かけトイレ室の左側は台所の空間になっていますから、「戸を引くスペース」がありません。
そこで写真のように、「閉めたドアの手前を、引き戸がかぶさるようにスライドする」というように作ってあります。写真の右側は「引き戸を閉めてドアを開けた状態」、写真の左側は「ドアを閉めて引き戸を開けた状態」です。ちょっと考えてみれば分かる通り「両方の戸を同時に開けることはできない(^_^; 」のですが、限られたスペースの中で使いやすくするための、素晴らしい構造だと思います。もしもどちらか一方に人が閉じ込められた時のために、2つトイレ室の間を「カーテン壁」にして、行き来できるようにもなっています。(右の写真に、カーテン壁が見えています。)
どうにかしようと思えば、どうにかなるものですね。(^_^;
