老人介護についての個人的HP-3 施設家屋- (8) 着替え履き替え用の椅子
若い健常者にはその必要性が想像もできないが、高齢者にとってはあるととても助かる物。そんなものが確かにあります。その例として、「着替え・靴履き替え用椅子」についてまとめてみます。
私たち健常者が、ズボンを脱ぎ着したり靴を履き脱ぎする時は、ほとんど無意識のうちに「立ったままで」行なっています。しかしちょっと考えれば分かるとおり、これらの動作は実は「交互に片足立ち動作」なのです。それが高齢者にとってはとても難しい動作となります。端的に言って、「歩く」ことよりも難しいと思います。(私たちが立ったままでスキー靴を履き脱ぎすることを想像すればよいのかもしれません。(^_^; )
ですから、「玄関」には腰かけて靴の履き脱ぎができるように椅子があればずっと安楽になりますし、「お風呂の脱衣場」にもズボンや下着が脱ぎ着しやすいように椅子があった方が良いのです。
写真1は当院のディケアの玄関です。左右に大きくベンチ式の椅子が準備してあります。ここに腰かけて外履きと内履きを履きかえる訳です。多人数が一斉に使いますから、座れる所を沢山準備しているのです。
写真2は老健施設のお風呂の脱衣場の「腰かけ台、兼、着替えベッド」です。これは高さがシャワーチェアの座面高や浴槽の縁の高さと同じにしてあり、ある程度の障害がある方が介助を受けつつ着替えて入浴するにも都合良くしてありますが、自力で歩ける方にとってはズボン・下着の脱ぎ着のための椅子となっている訳です。ズボンや下着を脱ぐ場合にはまず、立位でズボンや下着を膝の上まで下ろし、次いで椅子に腰かけて片足ずつ抜いていきます。着る場合はその全く逆となります。

写真1 玄関 写真2 脱衣場
このような配慮は写真のような施設内においてだけではなく、むしろ個人住宅においてこそ必要な配慮であると思えます。紹介しているような大きな椅子や台でなくても構いませんから、安定の良い、立ち座りのしやすい椅子が玄関や脱衣場に、ぜひとも欲しいものです。そのような配慮が、転倒による骨折事故などを未然に防ぐことになります。