老人介護についての個人的HP-4 知識 - (14) パーキンソンへの理解
パーキンソン病、もしくは多発性脳梗塞の後遺症状としてパーキンソン症候群と言われる病態があります。随意的な運動麻痺が起こるわけではありませんが、筋肉がこわばって歩き出そうとしても一歩目の足が出なかったり、歩けるのに起きあがれなかったり、様々な特有の症状が見られます。それらの症状は出版物で学び調べることもできますが、このページではそれらの症状が介護場面にどのような形で表れるか?介護者にどのような誤解を与えやすいか?介護者はどのような理解をしてあげるべきか?そんなことをまとめておきます。
@身体症状の日ごと変動・日内変動が大きい。
昨日はできたのに今日はできないとか、さっきまではできたのに今はできないとか、あるいはまったくその反対の状態だとか、パーキンソンの場合は「状態変化」が激しいことがあります。薬の効き具合やご本人さまの精神状態などで大きく身体状況も左右されるようです。これは脳卒中後の片麻痺やあたりまえの老化現象としての身体機能低下には見られない特徴です。介護者さんやご家族さまとしては、このような症状の変動に一喜一憂されないよう、ある程度はおおらかに構えることも必要かと思います。
A精神的な緊張でできることもできなくなる
誰かがそばにいて「さぁ、やってごらん!」とか、「じゃああっちへ歩いていきましょう!」とか、そういう形で「今、人が見ている前でしなければいけない。」というような場面では「できない」のに、誰も見ていない場面ではすっすと動ける、というようなことが起こります。つまり、精神的な緊張が体をこわばらせてしまうのですね。これもパーキンソンに特徴的です。回りが焦って「さぁ!さぁ!」と言うほどにできないのに、回りが諦めてしまうとできたりします。それで「甘えている!」とか「ずるい!」とか言われてしまうこともあるようです。でも、それは違います。それこそが「パーキンソン」なんですね。ご本人さまにしたらどれほど辛いか?と思います。
B表情の変化が乏しくなり声も小さくなる
一般にパーキンソンの症状としてこのようなことが起きるのですが、パーキンソンの症状としての表情の乏しさや小声であれば、頭の中での精神活動はまったく正常のはずです。喜怒哀楽などの情緒も私たちと変わりなく頭の中では経験されているはずです。ただ、それが表に現れにくい、ということですね。このような症状のために、パーキンソンの方はよく、「既に痴呆である」とか「感情が鈍麻している」などと誤解されることがあります。
ただ、パーキンソンの@〜Bのような症状の結果、あまりにそれが辛くて?本当にボケ・痴呆に陥ってしまう方も珍しくないようです。これはパーキンソンそのもののために痴呆になるのではなくて、パーキンソンの症状が辛いからゆえの心理的な反応として感情を鈍麻させてしまう、ということですね。そうなってしまうかどうかは、例えば回りの方々が上記@〜Bのようなことをどれほど理解してくれているか?ということも大きな要因になると思います。
そして、@のような特徴がありますからなおのこと、処方された薬はきちんと飲んで、その上でお医者さんに薬の量や種類や時間間隔などを調節していってもらう必要があります。お薬の服用状態がいいかげんだと、調節のしようがなくなってしまいます。