老人介護についての個人的HP-4 知識 - (19) 寝たきり者の拘縮予防
こんにちは〜、お元気ですか?お聞きするまでもなく、ご活躍のご様子が手に取るように伝わってきます。(^o^)/
えっとね、まずお互いに逃げを打つわけではないのですが、老化・衰弱のために完全な寝たきりに近い状態となった方が、四肢屈曲位で段々と拘縮していくこと、ある程度は仕方ないことです。完全に防ぎきるのは難しい、と思います。人の身体はどうしても、使わなければ退化?していくのが自然ですから…。
ただ、昔はそうなればそう遠くない時期に亡くなってしまいました。ところが今は、そのままで生存しつづける期間が物凄ぅく長くなっていくのが当たり前なので、やはり問題扱いしないわけにはいきませんね。
そして、『来月は「拘縮の予防」をテーマに行おうということになったのですが、手に入りやすい資料をご紹介いただけませんでしょうか?難しい勉強会でなく介護職が普段こころがけて毎日のケアをしながら、やっていけるような“実践編”が欲しいのです。』これが本当に無いんだな〜。「正統的な教科書」はご存知の通りいくらでもありますけどね。
仕方ないから、私なりに簡単にまとめてみます。少しでもご参考になりますかどうか…?単刀直入な書き方であっさり読み過ごしてしまいがちでしょうが、一言一言、「現場の実態に即して少しでも効果的」なことばかりだと思います。そしてまず最初に一言、「拘縮予防に王道はなし!」それが一番本当のこと、少しでも効果のありそうなケアを意識して細かく積み重ねていくこと、です。
全身的な四肢全部に曲がって固くなっていってしまう屈曲拘縮予防は…、車椅子離床時間を少しでも長く確保することが一番効果的だと思います。そして反対に、ギャッヂアップはできるだけしないこと。臥床してもらう時はしっかり臥床していただき、起きる時はしっかり身体を起こしていただく、それが大切でしょう。折衷的にギャッヂアップを多用すると、見事に四肢全屈曲拘縮を作っていってしまいます。→機器(18)ギャッヂアップベッドの多用はちょっと待った?!
肩関節が硬く脇の下が上がらなくなったり股関節がXに閉じてしまうことについては、教科書的には「PTもどきの関節可動域他動運動」ということになりますが、そんなん時間もなかなかとれないし、やっと少しだけやっても効果無し、というのが実態ですね。そこで、肩・肘関節については入浴時に、股関節についてはオムツ交換時に、ちょっと意識して「関節可動域他動運動」を行なうことが一番効果的ではないでしょうか?入浴後上衣を着てもらう際に、肩屈曲90度、肘伸展をできるだけ、意識して動かしてあげる。一人につき1分?もしかしたらそれだけの時間を取ることも難しいかもしれませんが、1回の入浴で1回動かしてあげる、週に2回は動かす、その積み重ねがあるか?まったく無いか?の違いは、それなりに大きいと思います。股関節のオムツ交換時の他動運動も同じです。くれぐれも「正常可動域」にこだわることはありません。拙HPの知識(11)最低限確保しておきたいROM(関節可動域)で説明している範囲で十分です。そして、全ての方を対象にしなくても良いでしょう。そのかわり、「この方には…」とプランをたてたら、きちんと行なうこと。
指の屈曲拘縮予防には、拙HP福祉用具コンテスト入選作品紹介のK各指対応麻痺手握り袋、が一番効果的だと思います。作るのは手間ですが、どんな既成品よりも良いと思います。そして、(既に能動的に手指を使わない方々には)できるだけ沢山の方に使ってあげましょう。これは握っていただくことで拘縮が予防される、という実際上の機能もさることながら、そういう管理をしていくことでスタッフの目・意識が手指に向く、という面がとても大きいですね。例えば入浴のたびに握り袋をとりかえるとして、その瞬間に「あや〜、爪が伸びてるね〜」とか「ますます固くなってきたね〜」とか、新たに握ってもらうのに自然と「手指伸展他動運動」を行なうことになってしまう、とか。徹底さえできれば、爪が手掌に食い込むような事態は確実に防げます。→各指対応麻痺手握り袋
ただ、1〜3を一読して分かる通り、要するに「手間が増える」ということです。その事実は粛々と受け入れなければお話は一歩も前に進みません。でも、徹底できた時には確実に「カチカチコチコチ」の屈曲拘縮者さんは減ってその分、介護業務全体では楽になること・余裕ができることは間違いないだろうと思います。ただし、そこまで至るまでの間、つまり「手間は増えるし拘縮者も少なからずいらっしゃる」という状態が一番シンドイことになるでしょう。だからね、上意下達式に「やってください!」だけではなかなかうまくいかないだろうと思います。お一人お一人の職員さんの意識が、何よりの大前提となると思います。