老人介護についての個人的HP-4 知識 - (30) ノロウィルス施設内感染予防〜見落としていませんか?〜
以下のページでは、死者まで出てしまい、今マスコミが大騒ぎしているノロウィルス施設内感染の、その予防についてのページです。ノロウィルスそのものの医学的な知見〜感染経路や症状、発症した際の医療対応、一般的な予防方法など、ある程度理解されていることを前提にしたページ内容になっています。そのあたりがまだちょっと不安だな〜という方は、「ノロウィルス」「感染予防」などのキーワードでインターネット検索してみてください。たくさん見つかるはずです。
残念ながら、死者まで出てしまっているノロウィルス施設内感染。生活支援施設さんでは、どこでも改めて「施設内感染防止マニュアル」を読み直したり徹底を図ったり、もしかしてまだマニュアルのないところでは、急いで作成作業に取り組んだり、という状態ではないでしょうか?厚生労働省から老施協など様々な団体を通じて、「予防対策の徹底」文書が回っている状況でもあります。
それらの「マニュアルの内容」は、まぁ代表的な項目を挙げると大体以下のようになります。
職員の手洗い、うがいの励行。
入所者健康管理。
職員および職員家族の健康管理。
食品調理時の健康管理。
ガウンテクニック。
交換後のオムツやリネンの管理。
・・・などなど。
ウチの施設でも同様なのですが、非常に大きな『見落とし』をしていることに気づきました。それを以下に紹介します。
事例:Aさん
Aさんは軽度痴呆はありますが、自力歩行可能で排泄や食事摂取には見守り誘導程度の介助で、基本的に自力でできる方です。このAさんがここ数日、軽度ですが「嘔吐と下痢」(!)状態です。そこで、看護スタッフがしばらく、居室〜療養棟内をウロウロしているAさんに付き添ってみました。その結果・・。
トイレに行くと、下痢状態も関わらず、トイレットペーパーを30cmばかりちぎって拭いています。何だかトイレットペーパーが染みて指まで濡れているようです。と!、紙が小さいので指が直接お尻に触れているような・・・!
で、よっこらせとばかりに手すりをつかんで立ち上がり、ズボンをズルズル引き上げています。あれ?手洗いは?省略なの?(-_-;)
さぁ、食事の時間です。ちゃんと手洗いもしていますけど、ギャッ!自動水洗の水で指先を濡らしただけ、です。
ちゃんと食事も自分で食べています。場合によっては手づかみで元気よく食べています。自分の指まできれいにねぶっています。ついでに、隣の人の食器にまで、手が伸びています。(^^;
さぁどうでしょう?もしもAさんがノロウィルス感染者で便にも一杯ことウィルスが出ていたとしたら・・、上記のような状態を「放置」しておいたら、職員自身がどんなに手洗いしてもガウン・手袋をつかっても、ウィルスが施設内に蔓延すること、間違いありませんね。
そこで・・、
Aさんの部屋のトイレには、トイレットペーパーロールではなく、3〜4枚重ねた白チリ紙を2つ折りにした拭き紙をあらかじめ積んでおく。
Aさんのトイレまわりや手すり・部屋ドアの取っ手・ベッド手すりなど、徹底的に拭きあげる。
食事前の手洗いには、きちんと職員が誘導介助する。
ついでに、Aさん以外でも、「とりあえず自力で排泄・食事摂取できている方」でも、排泄後の清拭行為状況をチェックし、食事前の手洗いも全て見守り、必要ならば介助する。
というような対応をとることになりそうです。
考えてみれば、重度な介助が必要な方、例えば完全オムツ交換で食事摂取も全介助、なんて方の場合は、「職員の側の清潔管理でどうにかなる」ような気がします。むしろ問題なのは、Aさんのように「一見、セルフケアが自力でできているようでも自己衛生管理が不十分な方」なのかもしれません。
見直してみると、厚生省通達にもきちんと「施設内掃除の徹底」とあります。でも、バクゼンと「徹底」と読むだけではなくて、Aさんのような生活状況〜衛生管理状況を把握すれば、「徹底」の意味合い・重要さが身に染みますし、「特にどこを徹底すべきか?」も具体的にみえてきます。
それにしても、改めてつくづく思います。
トイレットペーパーと高齢者は相性が悪い!
紙をもったいながって少〜ししか使おうとしない。引き出しにくい。切り取りにくい。
手洗いといっても、楽々ゆっくり十分な手洗いできるような洗面台構造になっているかな?
ウチの施設でも自信ないなぁ。
くれぐれも、大事に至らないよう、心がけていきましょう!えっ?『ウチではとっくにできているよ!』ですか?本当はそうじゃなくちゃいけませんよね?気づくの遅すぎに反省!です。