老人介護についての個人的HP-特別コーナー『食事大作戦-C』
さて、次は車椅子の規格そのものの問題です。写真8は端座位しているモトさんを横から撮ったものです。随分足が長い・・、のではなくて、脊柱骨がつぶれ「亀背」になっているのです。このモトさんの姿勢に一般的な車椅子の、直線的な座面と背シートのL字形が適合するとは思えませんね。かくして、スタンダードな車椅子にモトさんのような背中の曲がった方を座らせると、写真9のように「ずっこけ座り」になるか、写真10のように「前倒し座り」になってしまいます。(普通はずっこけていることが多いですよね。(^_^; )

写真8 写真9ずっこけ座り 写真10おじぎ座り
ずっこけ座りは、後ろに飛び出した背中が背もたれに押しつけられないようにすると、お尻が座面の前の方にしか座れずにおきてしまいます。前倒しは、それにもかかわらずお尻を座面の後ろの方まで引くと後ろに飛び出した背中が背シートに押されて屈んでしまうわけです。どちらも体型と車椅子規格の「不適合状態」です。
そこで、円背〜背中腰曲がりのある方に車椅子に座ってもらうときには、写真11のような車椅子を使用しています。これは普通の車椅子よりも背シートを大きくゆったりとり、座面に比べて後ろへ背中が逃げるようにしてある訳です。(写真11でも背シートが随分緩んでいることが分かります。)
ところがモトさんの場合、脊柱全体が曲がっている円背、というよりも、一部分(腰椎部)が極端に飛び出している亀背状態ですので、背シートを緩ませただけではダメでした。それに亀背のちょうど“頂上”に褥瘡の痕があり、痛がります。そこで業を煮やして背シートに“穴”を切り開けてみました。(^_^; ピッタリ抜群、これでお尻を十分座面奥まで座らせながら、ずっこけにも前かがみにもならずにすっきりと上半身を起こせ、褥瘡痕の痛みも無くなりました。やはりモノはやたらと捨てるべきではありません。(廃棄寸前の備品車椅子が“モトさんスペシャル”となりました。)

写真11余裕のある背シート 写真12背シートに穴開け