老人介護についての個人的HP:雑記帖(20) ケアマネ研修会の覚え書き

新潟県燕・西蒲原地区介護支援専門員協議会 会員研修会講義内容覚え書き
『ケアマネさんが持ちたい知識:介護機器の適応判定〜ベッド・車椅子・ポータブルトイレ・歩行器〜』

 平成13年10月15日(月)に行なわれる小さな研修会について、あまりに欲張ったご依頼内容でまともにお伝えできないと思うので、前代未聞!!あらかじめ講義内容をHPで広く公開しておきます。もっとも、その多くは既にこのHPのあちこちに書いてあることの寄せ集めですが…。(多少は初書きもあるから、お馴染みさんもよろしければ見てみてね(^_^; )

 さて、当日参加者さんであらかじめこのページをご覧になっている方は、どれくらいいるでしょう?当日研修会の最後には、参加者さんにこのページのご案内をしておきます。

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▲一日で介護保険レンタル・支給介護機器12+10品目の講義をやれ、という『福祉用具専門相談員資格指定講習会』も随分ムチャな話ですが、4品目を40分でやれ、という当研修会は、それを上回るムチャかもね?(^_^; 本当は、実物を示し使ってみながら、一品目に半日をかけても良いです。
 従って当研修会では、具体的な適応の知識はもちろんですがそれよりも、介護機器を個別に適応を図る『姿勢・価値観』を感じていただきたいと思います。
 具体的な知識については最低限のレベルでHPにまとめておくので、閲覧できる方は覗いていただきたいと思います。(まぁ、実際にこうやって見てもらってる訳ですが…)

▲ケアマネの立場であらゆるケースにおいて介護機器の適応を一発で判断するのは、難しいと言わざるを得ないでしょう。(PT・OTでも、新人さんでは心もとない、かも?)従って、お仕事を進めていく上で、気楽に相談できる『生活支援技術に長けたPT・OT』の知り合いさんを持つことを強くお勧めします。


1:ベッド ------------------

A:ギャッヂアップ機能の必要性

 まず最初に検討すべきは、「ギャッヂアップ機能が必要か?」ということです。が、介護保険レンタルを利用するのであれば、ほぼ「ギャッヂアップベッド」ですので、実質的には「電動」か「手回し」か、「膝上げ機能」まで準備するか?という検討になります。本来ならばギャッヂアップは必要ない、という方の場合はシンプルなものでかまいません。が、下記の「高さ(調整)」機能との兼ね合いもあり、わざわざ電動ギャッヂになってしまうこともあり得ます。

B:幅の選択

 能動的に寝返り・起座できるか?そのために必要なベッド幅は幾つか?を検討します。もっとも、部屋の広さとの兼ね合いも生じます。一般的には、広めの方が能動的に動きやすいものです。しかし同時に、おむつ交換などは行いにくくなります。

C:高さ調整の必要性

 自力で立ち上がるにしろ、介助で立たせるにしろ、ちょうどよい高さとなるか?検討します。小柄な方の場合には、高さ調節式ベッドで一番下げてもまだ高すぎることもありますし、最近はそんな方用の「ごく低くできる在宅向けベッド」も出てきています。高さを見極める際は、「ベッドマットの上に、さらに敷き布団を敷いて」使いたがるご家族・ご本人が多いことを忘れずに!(その分、高くなってしまう)

D:移動用バーの必要性

 ベッドから直角に伸びる移動用バーが必要かどうか?必要ならばどんなタイプが良いか?あるいはその辺りの必要性の判断やセッティングに、リハ専門職者の関与が必要ないか?検討します。介助で起立する場合であっても必要なこともあるし、あれば介助量が軽減する、ということもあります。大きな移動用バーでベッドフレームに挟み込みタイプのものは、最近のベッドフレームが途切れているタイプのベッドは不適合となります。

E:ベッドさくの必要性と選択

 特に移動用バーを使う場合には、それとあわせてベッドさくをつけると一般的な長さのさくでは長すぎてしまうことがあります。移動用バーにあわせて使うベッドさくを準備する時は、短いタイプのものがよいです。また、ギャッヂアップでベッドさくにテーブルを渡して食事やお茶のみをするのか?リハの立場からは避けてほしい姿勢ですが、介護力の問題でどうしても必要があるならば、さくの高さが高すぎると、その分テーブル面も高くなってとても使いにくくなってしまいます。

F:テーブルの必要性と形式

 食事のたびに離床ができれば一番よく、それが困難でもベッドに対して横向きに腰かけて食事をとるなりできることが望ましいです。そのためには、それ用の「テーブル」が必要となります。安易にギャッヂアップを使うのではなく、きちんとこのような検討も「ベッドのうち」として考えてあげてください。

2:車椅子 ------------------

A:搬送・安静・作業の3側面の割合見極め

 車椅子の使用目的は、1人を搬送する道具、2座って安楽に過ごす椅子、3そこに腰かけて食事をしたり何か作業をする椅子(自力車椅子駆動も含む)の「3大目的」があります。そのケースごとに、どの部分が大きいか?検討してみましょう。そもそも「車椅子が欲しい」「車椅子を借りたい」というご家族も、病院から「借りて来い」と言われて…なんてことで、実際にどのように使いたいのか?どのような使用場面が想定されるのか?それすら曖昧なことが珍しくありません。

B:正しいサイズの判断と最低限の調整(フットプレート・レッグレストなど)

 座面の奥行きや幅が大きすぎると、座位姿勢が前後に崩れたり、食事摂取したり車椅子駆動したりしにくくなる。より身体機能が低い方に、より能動的に車椅子を使ってもらいたい場合には、徹底的にサイズこだわるべき。反対に車椅子を単なる搬送道具とするならば、多少のサイズの合わなさはどうにかなるもの、とは言える。(けれど、あんまり言いたくない。(^_^; )
 フットレストの高さ調整(姿勢に影響大)や、レッグレストの必要性(ついていると起立しにくくなって、車椅子への自力移乗が難しく危なくなる)の判断・取り外し取り付け作業も、ケアマネさんが自分でできなければならない。(と、断定口調で言わせていただきます。)

C:大車輪の大きさ

 原則として、「どこまで小さい車輪で良いか?」を考える。介助移動するだけなら介助型(14インチ〜16インチ)でよい。自力駆動する場合も、大きすぎる車輪はむしろこぎにくいし、家屋内で小回りが効かなくなる。

D:座面の高さ

 介護者が移乗動作・駆動介助するならば「高め」でよい。(50cm弱)利用者が自力移乗する場合は、体格との兼ね合いとなるが小柄な方の場合はむしろ高すぎないように。床を下肢で蹴って自力移動する場合には低床型がよい。

E:虫ゴムの管理と硬質スポンジタイヤ

 ご家族に「虫ゴム管理」の必要性と管理方法をしっかり伝えておくこと。理解力・介護力・介護意欲の問題でそれが難しそうならば、最初から「硬質スポンジ充填タイヤ」を検討すること。

F:キャスターの大きさ

 前タイヤ=キャスターは、屋内使用がメインとなるならばできるだけ小さなキャスター(普通は5インチ、特注で3インチまで可能)がよい。(小回りが利く)反対に屋外試用の場面が多かったり、その場所が悪路だったりするならば大き目のキャスターで空気入りとしてもよい。

G:膝の屈曲拘縮者・股の伸展拘縮者・脊柱円背者・脊柱側弯者等への配慮

 標準的な「横から見てL字型の座面と背もたれ」では、よい座位姿勢とならないことが多い。あらかじめ既製品に、座面クッションや背もたれ調整クッションなど何らかのオプション品で対応するか?オーダーメイド作成とするか?あるいはモジュラー型車椅子を調整して使うのか?ケアマネが判断、もしくはリハ専門職に参考意見を仰がなければならない。

H:側板の形式

 標準型の真四角にするのか?デスクアームにするのか?あるいはその他の形状とするのか?は、主としてベッド〜車椅子間移乗動作能力と、本人の体格・座位姿勢と、2面で考えないといけない。移乗能力に余裕がなければ、四角の側板にしてつかめる方がよいが、小柄で背中曲がりがあったりすると、四角の側板ではテーブルでの食事が難しくなる。また、側板だけの問題ではなく、移乗時の移動用バーの有無や専用の食事テーブルの準備とも、絡んでくる。

I:特殊オプション

 1,フットレスト形式
  スィング、取り外し機能は必要ないか?

 2,側板の動き
  H:も絡むが、跳ね上げ式側板でテーブルに向かう、あるいは全介助で移乗する際には跳ね上げ式のほうが楽、などの適応がないか?判断が必要。

 3,背もたれのシーティング
  特に小柄な方や側弯のある方は、「車椅子が大きすぎないこと」が大切。また、円背の強い方の場合は、背シートの張り具合にも気を使うべき。

 4,特殊車椅子
  ・ハピカル:介護型の大きさで、自力駆動可能。狭い家屋内で有効な場合あり。
  ・6輪車:大車輪の後方にもキャスターあり、大車輪が座面の後ろではなく真ん中についているので、小回りが利く。狭い家屋内で自力駆動するのに有効な場合あり。
  ・レバー操作:施設内で片麻痺者が片手片足駆動できない場合に有効。(ただし、在宅では使えないのにレンタルは在宅者のみという矛盾はある)
  ・調節型
   簡易モジュラー型:キャスターの高さ、大車輪の大きさ・取り付け位置、背シートの張り具合、座面シートの張り具合などの調整が可能。円背や姿勢の崩れのある方に有効。車椅子安全ベルト(抑制)を減らすために、ぜひとも必要。ただし、きちんと調整するにはそれなりの知識技術は必要。
   角度調節式:座面、背もたれの地面に対する角度調整が可能。ただし、「上向き」にはできても座面を地面に水平方向には調節できない。
  ・電動アシスト車椅子:電動駆動ではなくて、坂道を登るときに電動のアシストが利く。降りる時は電動ブレーキがかかる。自宅付近に坂道のある家庭に有効。

3:歩行器 ------------------

A:4輪キャスタータイプ

 前輪が「フリーキャスター」、後輪が「固定キャスター」というタイプが多いが、より歩行介助度合いを高めたい時には、「4輪固定」とする。まれにみられる「4輪フリーキャスター」は横にズズズ〜ッ!とずったりするので危険。

 1, U字型
  基本として施設内でしか使えない。ショート利用者や自宅復帰予定者に、漫然と施設内で使うべきではない。

 2,小型手持ち4輪型
  取ってバーが縦持ちのものは、屋外用として乳母車型以上に使われてほしい。特に歩行時、左右動揺のある膝の変形の方にはよい。

 3,フレーム型後輪沈み込み型
  アルミフレームの前脚にキャスター、後脚に沈み込みキャスターのついたもの。全体が軽く、持ち上げやすいので、キャスターの使いにくい家屋内での使用に、割合に向く。

 4,乳母車型
  屋外用として、広く一般に使われている。ただし、腰曲がりの前後バランスの崩れには有効でも、左右動揺もある方には、握りの幅が狭くて横持ちとなるので、幅広く縦持ちに持てる4輪キャスタータイプの方がよりよい。

B:前2輪キャスター後脚型(ロレーター)

 機能的には優れているが、一般の既製品では高齢者には、左右幅・奥行きとも大きすぎることが多い。4輪型よりも歩行介助度合いは高い。

C:4脚型

 アルミの4脚だけのキャスターのない歩行器。カタンカタン持ち上げながら進む。歩行介助度合いはもっとも大きいが、歩行効率は悪くゆっくりとしか進めない。同時に持ち上げて進むので、段差が問題となりにくい。(ので、屋外よりも家屋内の使用が前提となる。)
 使い方について、多少の理解力が必要。理解力の低い方がキャスター型と同じように「押して」使おうとすると危険。なお、左右別々に前に出す「交互型」は、ADL上では使用頻度は低い。(わずらわしい)「歩行訓練用」と考えてよい。

4:ポータブルトイレ ------------------

A:座面高
 
安価なものでは低すぎる・反対に高さが配慮してあるがゆえに小柄な方には高すぎる、両方の事態があり得ます。身体能力に余裕のある方は多少の不適合は構いませんが、余裕がないほどに考慮しなければならない。5cmはもちろん、3cmの高さの違いが使い勝手を大きく左右する。

B:筐体前壁構造
 
足を後ろに引いて起立しやすいか?トイレまで身体の向きを変えたり横切ったりするのに邪魔にならないか?利用者の身体機能に応じて判断が必要。

C:穴の大きさ・形状
 
一般に高齢者には、便座穴が大きすぎないように配慮が必要。大きすぎる便座穴ではお尻が落ち込んで座っていずらく、立ちにくい。小さめの穴、洋ナシ型の座面穴を選びたい。

D:座面の形状
 
普通の便器と同じように楕円形の便座だけで座面となっているよりは、左右に広く平面に座面が広がっている方が使い勝手がよい。(腰の左右に手をつける、座りそこねても平らな面にお尻がつく、座位のままお尻を浮かし気味に移動できる、など)

E:フレーム・手すり構造
 
自力で使う場合はもちろん、介助で使う場合であっても部分介助レベルならば、自己能力の引き出しや介助度合いの軽減、恐怖感の軽減のために、しっかりつかめていざと言う時、身体を支えてくれるフレーム構造や手すり構造があったほうがよい。ただし、座面の左右とも前方に棒が伸びていては、かえって座りにくくなることもある。

F:ふた構造
 
特に自力でポータブルトイレを使う場合には、ふたの開け閉めがしやすいかどうか?自力で開け閉めできるかどうか?がポイントの一つとなります。家具調ポータブルトイレの場合、座面=ふたが、重たかったり構造=動きが複雑だったりします。また、開けられても閉められない、ということが起こり得ますので注意が必要です。

G:特殊形式
 最近は、「水洗式・ウォシュレットタイプ・暖房便座」などの機能をもったポータブルトイレもある。臭い等の問題には有用だが、自力で使いこなせるかどうか?の検討は必要。


 最初は「です。ます。調」なのに、途中からは書きなぐり。(^_^; やっぱりこれ全部で40分はムリです。読み上げるだけなら良いですけど、実物示しながら実際に動作しながら、としないと、本当の意味での理解にはならないでしょう。ですから、このページを読むだけで本当の理解ができるか?といえば、確かに心もとないです。まぁ例えば↑こんなことを知識として念頭に置きながら、個々のケースにあたってみてください。そうしていけば、良い経験が積んでいけると思います。

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