老人介護についての個人的HP:雑記帖(24)音楽4
えっと、無事に出演したテレビ放送の1回目が終わったので、記念?に。大仕事が一段落するたびに書いているような気がする「介護とは関係ない“音楽の話”」今回は、『音楽を記録するということ〜録音について〜』です。
音楽というのは、つまりは『音』ですから私たちの耳がそれを感知して認識するためには、『空気』が必要です。それは生演奏の場合には楽器が直接に、CDなどの再生装置の場合にはスピーカーが空気を振動させている訳です。(まぁ最近の楽器はスピーカーで鳴るものも多いですが…)これは再生の時だけではなくて、録音の際にも同様のはずです。
が、最近のポップミュージックでは、録音の時にもほとんど『空気』は必要なさそうですね。ヴォーカルだけはどうしても一旦マイクを通りますが、エレキギター・キーボード/シンセサイザー・エレキドラムなど、全て音は最初から「電気信号」として発生?しますから、何も空気を振動させて音として鳴らさなくても、楽器から直接に録音機械につないで電気信号を記録してしまえばよいわけです。それはまぁ、綺麗な音で録音されますね。
ところが、一般に電気を使う楽器は使用しないクラシック音楽の場合には、録音時にも『空気』は絶対に必要です。具体的に言うと実際に演奏して、その「音をマイクを通して録音」するわけですね。そうなると演奏の良し悪しの他に、録音の良し悪しということが絡んできますし、音を響かせる「会場の良し悪し」ということも大切になってきます。その辺りもまぁ、クラシック音楽をCDなりで聞く時の「楽しみ」の一つではあります。
そして、ここからがこのページの本題ですが、時に『強烈に空気の存在が感じられる録音』というものがあります。例えば…室内楽のCDでは、音楽に混じって時に『フンッ!フンッ!』という、演奏者さんの『鼻息』の聞こえるCDがあります。(^_^; これなんかは、やっぱりどちらかというとなるべく避けてほしい録音の仕方ですね。(^_^; 反対に『こりゃいいや!』とお喜びしてしまったのが…
『フォーレ:ラシーヌ賛歌:東芝EMI、エンジェルレーベル:指揮演奏、ジョン・オールディス〜グループ・ヴォーカルド・フランス』という音源です。(今、調べたら1619円!でした。(^_^; )これは、LPレコードの頃から持っていて、CD時代になって買い直した「My 定番!」の一枚です。曲は、フォーレという作曲家の若い頃からの宗教的な合唱曲や独唱曲が色々入っているもので、1曲目に入っているCDタイトルの「ラシーヌ賛歌」という曲は、フォーレが音楽学校の卒業作品として作ったという合唱曲。(ラシーヌさんの詩による神様への賛歌の意味)いかにも若々しくいささか甘ったるい曲ですが、何とも言えない清明さを持った、後の大傑作「レクイエム」を確かに予感させるような曲、なのですが…
CDに買いなおして、夜ヘッドフォンで聞いていた時、この曲の演奏=パイプオルガンの序奏が静かに始まる一瞬間(つまりCDの開始瞬間)に、『んぁ?何か聞こえるぞ?・・』と、気づいてしまいました。少しボリュームを上げてリスタートさせてみると…
なんと!パイプオルガンの演奏が始まる寸前から序奏最初部分にかけて、といっても2秒ほどでしょうか?確かに『ピピピ、チチチチ・・・』という音が聞こえます。(^_^; つまり、演奏〜録音している会場の窓の外の『小鳥の鳴き声が録音されている』!。続いて始まる曲の曲調もあわせて、何だかのんびりした雰囲気が溢れかえるようです。
本当に残念ながら、このCDには録音データ、つまり録音日時や録音場所についての記載がありません。ただ、この録音を聞くと、演奏〜録音しているその場の様子が目に浮かぶようです。つまり…
きっと、イナカの小さな教会の聖堂で、合唱団はラフな格好(演奏会じゃないからね)で、外には木々が多くてお天気も良くて、きっと季節は春か秋かとても気持ちのいい季節と時間で、聖堂の中にも明るい日差しが差し込んで、ポカポカ暖かく穏やかな雰囲気が満ちていて、そんな雰囲気の中で、この名演奏(名合唱)が行なわれたんだろうね…と。
本当にね、演奏開始時の僅か2秒ほどの間の「ピピピ、チチチチ・・・」で、↑こんな光景が目に浮かぶんですね。
このレコード制作を担当した録音技師さんは、きっとこの「雑音」の存在に気づいていたと思います。でも、どうでしょう?その技師さん、「“雑音”が入ってるな〜仕方ねぇな〜、まぁいっか…」と思っていたのか?それとも、心の中で「これもいいか?」とニンマリしたか?私には後者のように思えて仕方ないのですが…そう思えてしまうほど、良い感じの雑音だし、その場の雰囲気を伝える録音なんですね。
『CDの途中に“霊の声”が聞こえる…?!』なんてネタよりも、よほどいい話だと思うんですが、いかがでしょう?(^_^;