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ナンバージャック 1-2

 軽トラックの助手席で揺られること3時間。
 そろそろ砂漠の景色を眺めるのにも飽きてきた。

「まだかよ……」
「うるっさい、黙ってろ!」

 レイチェルの白く美しい顔が怒りの表情に変わり、甲高い怒声が車内に響いた。

「ほんとにいるんだろーなぁ」

 俺たちの目的はウォーターパラスだ。
 ウォーターパラスとは体内に水を蓄える砂漠に住むモンスターのことだ。
 甲殻類で成虫になると全長3mにまでなる大きな化け物。
 砂漠にならどこにでもいて、旅行者や運搬車を襲うことで有名だ。

 俺たちはそんなモンスターを倒し、手に入れた水を売って生計を立てる水売りをしている。
 砂漠化の進むこの星では水というのは貴重な資源になる。
 つまり儲かる仕事ってわけだ。

 砂漠化の原因はたくさんあるのだが、
 一番の原因はウォーターパラスたちのように水を吸い木々を枯らす異常生命体の存在だろう。
 木々が枯れれば土はもろくなり、砂漠化していくのだ。
 国や大陸が撲滅計画を立てるもなかなかうまくいかないようで、
 今後もこの星の砂漠化は続くだろう。

「いた!」

 甲高い鼻声が音センサに響く。
 目の前20mほどだろうか、大きなウォーターパラスがいた。
 水をたらふく溜め込んだ腹を引きずりながら6本の細長い足で砂漠を進んでいく。

「20万は堅いな」
「うふふふ♪」

 レイチェルが薄い笑みを浮かべる。黒い瞳が怪しく輝いた。
 それはまるで長年待ちわびた恋人に出会うかのような瞳だった。

「行け!」
「はいはい」

 軽トラックのドアを勢い良く開き飛び降りる。
 と同じに拳銃を胸のホルスターから抜き取り構える。

 リボルバータイプの拳銃ケルベロス。ジェットウェッジ社が開発した黒い悪魔。
 9m弾を放ち、100m圏内では圧倒的な命中率を誇る。
 ただし装弾数が6発なのがたまに傷。

「一発で十分だろ」

 シリンダーにM16弾を入れ、ハンマーを起こしてウォーターパラスの頭を狙う。
 M16弾は機械仕掛けの追撃弾で貫通力は無いが破壊力のある弾だ。
 逃げる相手の固い頭だけ吹き飛ばすにはもってこいってわけだ。

「大人しくしてくれよ」
『ターゲットロック完了・命中率99.8%』

 脳内にその文字が浮かぶ。
 俺の視覚センサは完全にウォーターパラスを捕らえていた。

 地面を揺るがす轟音。弾丸は標的の頭に突き刺さると、青白い光を上げて爆発した。
 頭を失ったウォーターパラスは顔と胴の付け根から大量の血を噴出し身悶えする。
 砂漠の砂を撒き散らし、10数秒ほど暴れまわった後にしばらく痙攣してから静かになった。

「ふぅ……」

 これで当分遊んで暮らせそうだ。

to be continue

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