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ナンバージャック 1-10

「確実に仕留める方法ならいくらでもるのに、
 なぜリスクを犯してまで俺の背後を取り、素手で攻撃してきたか?
 答えは簡単さ。目的は俺の体だった訳だ。
 残念なことに俺の体は以前とは仕様が変わり、
 防御力が強化されていて、仕留めることができなかった訳だ」

 首に仕掛けた爆弾が誤作動しないように、
 レイチェルが首周りと後頭部に衝撃吸収素材を組み込んだのだ。
 爆弾に命を救われるとは、世の中、皮肉なもんだ。笑っちまうぜ。

 俺は鼻で笑ってリリィを睨みつけた。

「お前が俺を狙った理由は検討がついてるぜ。
 体を維持するために、
 同じ種類のアンドロイドである、俺のパーツが欲しかったんだろ」
「はぁ……はぁ……ジャック……殺さないで……」

 左腕をもがれ、全身に銃撃を受けたリリィが、
 壊れたスピーカーから、ノイズ交じりの醜い声を漏らす。
 地面に倒れ付し、身動きすらできない状態だ。

「俺を壊そうとしておいて、その台詞はないだろう」
「お願い……殺さないで……」
「ああ、まだまだ聞きたい話が腐るほどあるからなぁ、すぐに壊しはしねぇよ」

 リリィの髪を掴み、持ち上げる。

「治安部隊を発動させたのは誰だ? そいつが黒幕なんだろう?」

 リリィは首を振って抵抗した。

「やめろ!」

 市街戦用の迷彩服を着た治安部隊の男。
 ヘルメットに黄色い線が2本入っている。
 年齢は30前後。凛々しい眉と切れ長の目が印象的だった。

「彼女から手を離しもらおうかジャック君」
「誰だお前?」
「私は、この街の治安部隊、隊長を務めている、ゴステアーノ・ポトリス。
 部下のリリィが失礼をいたしました」
「へッ、あんたが黒幕かい」

 ゴステアーノは首を横に振った。

「私は何も……
 ただ、私たちはお互いに愛し合っていたのです。
 私がアンドロイドになれば永遠に近い時間を生きられる。
 彼女はそう思ったのでしょう」

 ゴステアーノはこちらにゆっくりと近づいてきて、リリィを抱きしめた。

「馬鹿な事を……」
「ずっと一緒にいたかったの……貴方とならずっと一緒に……」
「リリィ……君は本当にバカだなぁ」

 ゴステアーノはギュッと力強くリリィを抱きしめた。

to be continue

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