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ナンバージャック 2-9

「カーネル博士によって作り出された13体のアンドロイド。
 あれは、この世に災いをもたらす悪魔の人形だ。
 私は仲間達とあの組織を抜け出し、奴らと戦いながら旅をしている。
 忌々しい呪われたマシンを破壊する為にだ」

 ニッキーは時折こちらを気にしながら、レイチェルに話を続けた。

「レイチェル、わかっておくれ。そこにいる11番は、殺さなければならない」
「そうね。パパ」

 レイチェルがとても悲しげな声でそういった。
 レイチェルがゆっくりとニッキーの首の後ろに手をやると、
 ニッキーの瞳の輝きが無くなり、ぐったりと彼は動かなくなった。

 アンドロイドだったのか!?

 カメラをノーマルにしていた事を後悔した。
 温度カメラなら、熱量でアンドロイドかを見分ける事ができたからだ。
 起動するとメモリを大量に使うのが難点なのだが……

「ジャック!」

 状況を把握するのに少しだけ時間がかかった。
 とりあえず、近くにいるスーツ男を蹴り倒してやった。

 ついでにもう一人、前蹴りで鳩尾を蹴りつける。
 敵は部屋の壁に激突して、血を吐いてうつ伏せに倒れた。

 これで、この部屋にいる敵は一掃したわけだ。

「追っ手がくるのは避けられねぇぜ!」
「逃げ道を探せ、私は手錠の鍵を探す」

 レイチェルがスーツ男の懐から鍵を取り出し、
 俺の手に掛けられた手錠を外した。

「てめぇの父親がアンドロイドだったとはな」
「馬鹿野郎、偽者だよこいつは! 
 ディスクを抜いて行くよ。5分でいい、敵からの攻撃を防げ」
「人遣いが荒いねぇ……」

 倒れた男から銃を取る。俺の愛銃ケルベロス。
 銃口にキスをして、弾倉にノーマル弾を詰める。

 その間にレイチェルは、ニッキー(アンドロイド)の頭に
 ケーブルを差込、いつも腰に下げている小型のパソコンとつないで、
 器用に2本の親指でキーボードを叩いていた。

 アンドロイドは作りが複雑なため、
 首を切り離して記憶装置を手に入れようとすると、
 電気回路のショートによって記憶装置が破損する。

 それを避けるために、レイチェルが各処理の停止を行っているのだ。
 それが済めば、首を落として持ち逃げだ。

 レイチェルの考えている事は、おおよそ察しがついた。

 父親の顔をしたアンドロイドを操作する気分というのは
 どんなものなのだろうか?

 レイチェルの目は、狂気を帯びたように黒い瞳が爛々と見開かれていた。
 唇が小刻みに動いている。小さな声で「黙れ」と囁き続けていた。

to be continue

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