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手記:5
交錯 (1)
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 ルナ様の指先で、鋭い針の先端が、鈍い銀色に光っています。
 ルナ様がパンツのポケットから取りだしたケースの中には、様々な太さと長さの針が何本も収められていました。そしてその中のもっとも細く短い針が、いま彼女の乳房の真上で、鈍く光っているのです。針が乳房に近づくにつれ、彼女の目が大きく見開かれていきました。
「ふっ、ぐっ!」
 しっかりと塞がれた口の奥から、くぐもった短い悲鳴が漏れました。ルナ様が手にした針は、左の乳房の乳輪の周囲を、縫うように刺し貫いていました。
「ぐっ、ぐっ……ううっ!」
 ためらいは一切ありませんでした。ルナ様の手が動くと、見る間に乳輪の周りは飾り縫いされたかのように、ぐるりと針で取り囲まれていきました。ところどころで盛り上がった赤い粒が、乳房の山を滑り落ちていきました。
 乳輪の周囲を銀色に飾り終えたルナ様は、ケースの中からもっとも長く太い針を取り出しました。それは針というよりも、金串といえるような長さと太さでした。彼女は、針で飾られた自分の乳房と、ルナ様の持つ針の先を交互に見ながら、いやいやするように首を振りました。身体を反らせ顔を背けますが、彼女の身体に食い込んだベルトは皮膚を擦るだけで、その場から逃げ出すことは叶いませんでした。私の視線も、ルナ様が手にした針の先端から逸らすことができませんでした。
 無造作に彼女の乳房を掴んだルナ様は、一気に針を突き刺しました。皮膚と肉を刺し貫く鈍い音と感触が、私にまで届いたような気がしました。
「ぐっ………っふ! ぅう……うううっ!!」
 大きな悲鳴が放たれました。次々と彼女の乳房に針が突き刺さり、計四本もの長い針で、彼女の両方の乳房は串刺しにされてしまったのです。荒い息を吐き出しながら、信じられないものでも見るような目つきで、彼女は自分の乳房をじっと見つめていました。

 二人のドミナが短い針を手に、彼女の乳首をそれぞれに引っ張り上げています。笑みを浮かべたお二人は、慣れた手つきで乳首に針を突き立てられました。
「ふぅっ、ふっ、ぐ、ぅ、うう………!」
 女性によっては、クリトリス以上に敏感だともいわれる部分を、針先があっさりと貫通しました。そしてお二人に続いて、華蓮様が針を手にされました。
 彼女の乳首の付け根部分には、針が一本ずつ、縦に貫通しています。片方の乳首を軽く摘んだ華蓮様は、「見ていなさい」とでもいいたげな視線を私に送ると、そこに針の先を押し付けられました。自分の乳首をじっと見つめる彼女の顔が小さく歪み、続いて空気が抜けるような声を漏らしたときには、針は華蓮様の指から彼女の乳首へと移っていました。彼女が息を吐き出すたびに、十字に飾られた針が小さく上下していました。
 私は全員の視線が自分に集中していることに気付きました。
「あなたの番」
「……えっ? 私の番……って……あの……私が……ですか?」
 ルナ様に手を取られ、華蓮様には背中をそっと押し出されて、私は立ち上がりました。
「で、でも私……そんなこと…………」
 誰かの身体に、まして乳首に針を刺すなんて、もちろん経験などありません。席を立つには立ったものの、私の足は固まっていました。
「私、あの……どうした……ら……いいのか……」
 ためらい続ける私の目の前に、ルナ様が無言で針のケースを差し出されました。乳房と乳首を針で飾られた彼女は、懇願するような目で私を見つめていました。
「ぐっふぅ……ぐ、ぐ……ぐぅう…………!」
 彼女の声は、「許して」とも、「お願い」とも聞こえた気がしました。私は鈍い光を放つ針と彼女の姿を交互に見つめるだけで、ケースに手を伸ばすことができずにいました。

 誰もが無言の中、彼女の呻きとも喘ぎともつかない声だけが響いていました。私はようやくの思いで針を一本摘み出すと、全員の突き刺さるような強い視線を背中に感じながら、彼女の胸元へ足を運びました。針は手にしてみたものの、私の中ではまだ、葛藤が続いていました。
「とどめを刺してあげて」ルナ様が囁かれました。
「この子はあなたに刺されたがってる。あなたにそうされることを、この子は望んでるんだから。遠慮や余計なためらいは必要ない」
 振り返ると、華蓮様が大きく頷かれました。私は、大きく息を吸い込むと、彼女の乳首を引っ張りました。先端を押し付けて、軽く力を入れると、乳首の表面がその分だけへこみました。息を止めて、針先に力を入れました。
「ふぅううっ! っふ、ぅ、う、うううっ……………!!」
 先端が皮膚を突き破った感触が指に伝わり、彼女の口からはひときわ高い呻き声が放たれました。その声は、針が完全に貫通したあとも長く続き、やがて彼女の全身から急激に力が抜けていきました。

 想像していた以上にスムーズに、針先は彼女の乳首を貫いていきました。そして私は、針を貫通させたあと、その場に座り込んでしまっていたのです。
「は、あ、ぁぁ…………」
 無意識のうちに、溜息にも似た声が出ていました。指先には、皮膚を突き破ったときの感触が、まだ生々しく残ってます。私は失神した彼女の爪先と自分の指先を、ぼんやりと見つめていました。




交錯 (2)
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 失神から強制的に目覚めさせられ、まだ朦朧としている彼女の状態を確認すると、ルナ様は冷酷に責めの再開を宣言なさいました。
 胸のベルトと口の拘束を解かれた彼女の両足は、ほとんど横一直線近くにまで開かされながら、さらに上へと持ち上げられました。無理な開脚姿勢に、彼女は苦しげな声を上げています。そしてルナ様の両手には、炎が揺らめく太い蝋燭が握られていました。蝋燭がゆっくり傾き、たっぷりと溜まっていた蝋涙が、彼女のヴァギナ目がけて落ちていきました。
「あひっ! ひっ、ひっ、ひぃっ!」
 滝のように流れ落ちた蝋が、彼女の股間を赤く染めていきました。股間が蝋で覆い隠されると、今度はそこへルナ様の鞭が鋭く振り下ろされました。
「ぎっ! ああぁ! あ、あああああっ!!」
 鞭が振られるたびに、赤い蝋の欠片が飛び散りました。隠れていたヴァギナが顔を覗かせ始めると、鞭は一層激しさを増し、彼女のヴァギナ目がけて何度も何度も叩きつけられました。
「ぎゃっ! ぁ……ぁ……ぁあ…………んっ! がはっあああっ!」
 ルナ様の鞭は確実に的をとらえていました。彼女の呻き声は、絶叫に変わっていました。

 ヴァギナを鞭打たれながら、彼女は何度も絶頂を繰り返しました。
(あれほどの苦痛が快楽だといえる日が……私にも来るんだろうか………?)
 鞭の音とルナ様の罵声、彼女の悲鳴以外に、聞こえる音はありません。誰もがただ目の前の壮絶な光景をじっと見つめているだけでした。
 そのときです。突然、私の下半身から突きあげてくるような衝動がありました。そしてそれは、あっという間に頭の先まで辿り着くと、いくつもの小さな火花になって弾け飛びました。
「ひ………ぃ………っ」
 身体のどこにも触れないまま、そして声を上げてしまったことにも気付かないまま、私は達してしまったのです。

 ヴァギナへの鞭打ちのあとも、さらに性器責め……性器への罰は続きました。ラビアは太い針で串刺しにされたまま、錘をいくつもぶら下げられました。クリトリスはペンチで責め立てられたあと、何度も針を突き刺されました。アナルは太いディルドウで、引き裂かれるように掻き回されました。新しい苦痛が与えられるたびに、彼女は絶叫と絶頂を繰り返しました。




交錯 (3)
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「あぁ……あっ、あっ、あっ……!」
 ルナ様の指が、彼女のヴァギナから見え隠れしています。二本から三本、三本から四本、指の数が増えるに従って、粘ついた水音は高まり、彼女の喘ぎ声は呻き声へと変わっていきました。
「んんぁっ! あぐぅ……うっ、うっ…………んぁあおおおお!」
 手刀のように束ねられた手がヴァギナに沈められると、その声は、とうとう獣のような叫びに変わりました。
 手刀をそっと引き抜いたルナ様は、ねっとりとした水分にまみれたご自分の手を、私たちに向けられました。そしてその手をもう一度彼女のヴァギナにあてがうと、今度は一気に手首まで押し込んでしまったのです。
「ぐっ……は! はっ、はっ、はぁああああっ!」
 全員が彼女を拘束する椅子を取り囲んで、手が出入りする股間を見つめていました。ルナ様の右手は、手首まで完全に彼女の中に収まっていて、私にはそれがまるで、彼女の股間からルナ様が生えているようにも見えました。
「んぐっ! ぉおおおっ! い、いぁああ! ぉあおおおおおっ!!」
 彼女の叫び声が大きくなりました。ルナ様の口元には残酷な微笑みが浮かんでいます。ぶしゅっと空気が漏れるような音とともに、手が引き抜かれました。粘液が糸を引き、大きく口を開いたままのヴァギナからは、おびただしい量の蜜がこぼれ落ちました。
 引き抜かれた手は、丸く握りしめられていたのです。ルナ様は拳から中指の関節部分だけを突き出すと、もう一度ヴァギナの中へ押し込みました。
「っくはぁあああ! んがっ、はっ、はっ、はっ…………んぐぅ、あ、あ、あ、あああっ!」
 ルナ様の手の動きに合わせて、彼女の身体は拘束具を引きちぎるほどの勢いで激しく動き、反り返りました。
「お前のような罪深い奴隷は、あたしが存分に壊してやる! これがあたしの慈悲だと思え!」
「おおおおっ! おおおっ! おゆる、っしぃ、い、いいいっ! おぁおおおおっ!!」
 喉が張り裂けるぐらいの絶叫とともに、彼女は絶頂しました。

「さぁ……存分に犯してやって」
「え? わ、わたし……?」
 ルナ様に手を掴まれた私は、まだ絶頂の縁を彷徨っている彼女の前に、再び立たされたのです。
「ルナ様……あ、あの! 華蓮様!」
 唐突すぎる成り行きに、私は華蓮様に助けを求めました。すがるような視線を向けても、華蓮様はただ頷かれただけでした。
「た…た……すけ…………ゆる……し……もう……ゆるし……て……」
 ぐったりしたままの彼女の口から、呟くような声が小さく漏れ続けています。その訴えを当然のように聞き流しながら、ルナ様が私の手にローションをたっぷりと塗りつけられています。
「あたしは最初にいったはずだ。お前の罪の深さは、お前の肉体を持ってしか思い知ることができないと! 今からそれを、いやというほど味わえ!」
「お……お……ゆるし……た……すけ……え、え、えぁ、あ、ああああっ!」
 ルナ様の手に支えられるようにして、私の手は彼女のヴァギナにずるずると押し込まれていきました。
「おおぅっ! おおぁうっ! んぁおおおおおおっ!! おおぁあああーーーっ!!」
 私には、いまの自分の行為が信じられませんでした。夢を見ているようでした。でも、私の手に絡みつく彼女の感触は、確かに現実でした。

(犯してるんだ……私の手が! 犯してる!)
 自分の息が乱れていくのがわかりました。私は明らかに、サディズムとマゾヒズム、両方の喜びを感じていました。いつしか私は、彼女の姿に自分の姿を重ね合わせていました。責めながら責められている……そんな倒錯した感覚が、私をどんどん高揚させていきました。添えられていたはずのルナ様の手は、すでに外されていたのですが、そのことにさえ気付いていませんでした。そのときの私は“犯す”という行為に夢中になっていたのです。
「ひっ、ひっ…………い、い、いいいいいいいーーーっ!!」
 同じ嗜好を持ち、いまではスレイブと呼ばれている私の腕に犯されて、彼女は最後の絶叫を放ちました。




対話:4
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――公開調教以降、大きな変化はありましたか?
「変化は……はい。翌日から何度も夢を見たんです。そのときの場面でした。でも……夢の中では、私が私を責めているんです。それまでにも、恥ずかしい妄想に浸りきっていたときとか……そういう小説やコミックなんかを見たりしたときには……夢に見ることも、たまにあったんですけど。あそこまで淫靡で……リアルな夢は初めてでした。それが毎晩のように続いたんです。早めに華蓮様にご相談すれば良かったのに……なんだか……後ろめたさもあって……。寝不足になるし、仕事には遅刻するし、吹き出物は出るし……(苦笑)。結局、全部お話しして。それでやっと夢を見ることも止まりました」
――夢に見るほど願望が強い、といいますが。
「少なくとも、私に関していえば……当たっていると思います。さっき、サディズムなんていいましたけど、実際はそうじゃなかったんです。私がそうなることを、求めていたんです。……私、公開調教に参加させてもらって……驚くことばかりだったんですけど……本当はずっと自分がそうなりたいって、いつのまにか強く求めていたんです。彼女が……あそこまで激しい責めを……拷問のような責めを受けて、それでも! ……それでもその先の快楽を求めていた彼女のことが、心のどこかで羨ましかったんです。そんな自分に気付いたとき、正直、驚きました。それまでの私は、単にミストレスに従属することで、喜びを感じていたんですから。でもそれだけじゃなかった……それだけじゃもう、満足することなんて、できなくなっていた……ただ私が気付いてなかっただけで……本当の私は、そのずっとずっと先にいたんです。…………浅ましい女だと思います……私って」



手記:6
淫夢 (1)
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 公開調教に参加してからの私は、ほとんど毎晩のように、同じ夢に悩まされました。開脚台に拘束され、乳房にたくさんの針を刺されて喘ぐ女性、その女性の乳首を摘み、冷酷な笑みを浮かべて針を突き刺すのは……私。そして開脚台で喘いでいるのも……私。
 乳首に針が突き立ったところで、私はいつも目を覚ましました。鼓動は速まり、全身が汗にまみれ、下着は湿っています。でもそれが汗のせいだけではないことは、わかっていました。そのままじっと、ベッドの中で感情の高ぶりが去るのを待っていると、いつの間にかうとうとと眠りに落ちていきます。そして再び、夢に襲われるのです。
 限界まで開脚した足、股間に刺された何本もの針、そこへ容赦なく進入していく腕、そして絶叫。腕を押し込んでいるのは……私。絶叫を上げているのも、もちろん……私。
 こんな夢を繰り返し見てしまう私に、朝の爽快な目覚めなど訪れるわけがありませんでした。下着はまるでお漏らしでもしたかのようにぐっしょりと濡れて、酷いときにはパジャマにまで染みが拡がっていました。そして必ずといっていいほど、猛烈な疼きに命じられるように、私の手は下着の奥を激しくまさぐりだしていました。

 このままでは、自分を抑えることさえできなくなってしまう……私が華蓮様にすべてをご報告したのは、夢を見始めて十日ほどが過ぎた、ある日のことでした。本来ならば、もっと早くにご報告するべきだったのでしょう。でもなぜか私は、それをためらってしまったのです。毎朝夢と現実の区別も付かないまま、欲望の赴くまま自慰に溺れてしまっていた後ろめたさもありました。
 お許しやご命令もないまま自慰に狂うのは、スレイブとして許されることではありません。そして、一度そうしたためらいが生まれると、華蓮様に対して大きな秘密を持ってしまったような気がして、ますます素直にご報告ができなくなってしまったのです。
 私は、すべてを告白した長いメールをお送りしました。お仕置きを覚悟していた私に届いたのは、簡潔なお返事でした。
『週末は、必ず空けておくこと。淫夢から藍子を解放してあげましょう』
 それだけで充分でした。当日どのようなご調教が私を待っているのか、そのお返事だけですぐに理解することができたのです。お返事をいただいた日、私はようやく熟睡することができました。
 ご調教の前日、私は久しぶりにショッピングへ出かけました。身体の線がくっきりとわかるほどのタイトで開放的な服と、それに合わせた大胆なランジェリーを買いそろえました。
 当日、それらを身につけた私は、初対面のときのように緊張しながら、待ち合わせ場所へと向かいました。




淫夢 (2)
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 華蓮様が連れて行ってくださったのは、郊外に建つリゾートタイプのホテルでした。すべての部屋はロッジのように独立して、広い中庭まで付いています。室内は、リビングと二つのベッドルームに分かれ、バスルームもそれぞれのベッドルームに用意されていました。華蓮様が奥のベッドルームに、私は入り口近くのベッドルームに荷物を置くことになりました。
 お昼前に待ち合わせて、チェックインの時間と同時にホテルに入ったので、リビングには午後の陽射しが、まだたっぷりと降り注いでいました。華蓮様にお断りを入れて、私は陽射しに誘われるように、ホテルの周囲を歩きました。連休があるわけでもない、何の変哲もない週末の、まだ早い午後の時間です。従業員のほかにすれ違う人はありませんでした。
 ぼんやりとベンチに腰掛ける私の前を、従業員たちがにこやかな笑みを浮かべ、通り過ぎていきました。彼らや彼女たちは、まさか自分たちの自慢のホテルで、これからどんなことが行われるか、想像すら付かなかったでしょう。そして自分たちの目の前に腰掛けているのが、その張本人の一人であることさえも。

 部屋に戻った私は、まずシャワーを浴びました。全身を丹念に磨きあげるように洗い流していきます。自分の意志で、排泄は朝食後に自宅で済ませていました。万が一粗相があっては、ご迷惑を掛けることになるだけだと思ったのです。自宅でひとり浣腸液を注入するのは、とても惨めで、同時に倒錯的で……妄想の世界にずっと閉じこもっていたころの自分に戻ったようでした。
 鏡の前で股間やお尻を何度も確認しながら、今朝の自分の姿を思いだすと、自然に身体の奥が高ぶり始めていました。
 長めのシャワーを終えて、髪を乾かし、念入りにメイクも直し終えたころ、内線電話が鳴りました。
「そろそろ始めましょうか」
「はい……お伺いいたします」
 私はバスローブを脱ぎ、ランジェリーだけを身につけた姿で、華蓮様のベッドルームへ向かいました。

 黒のコルセットとガーター、黒いブーツの華蓮様は、ベッドサイドのソファに腰掛けられていました。クィーンサイズのベッドは、ビニールシートのようなもので覆われ、サイドテーブルには、見慣れない小さなバッグが置かれていました。
 お部屋の様子を目の端に確認しながら、私は華蓮様の前に進みました。跪き、額を床に擦りつけます。
「ミストレス……どうか本日もミストレスのご調教をたっぷりと……与えてくださいませ。どのようなご調教であろうと……スレイブにとっては、すべてが快楽であり、幸せです」
 ご挨拶のあとは、両足の爪先に一度ずつの口づけ。ミストレスの許可をいただいて、黒光りするブーツへのご奉仕……これまでに何度もご奉仕させていただいたそのブーツには、私の唾液がたっぷり染みこんでいるはずでした。

「そうね……今日はまず、あなたの喉を潤してあげる」
「は、はい……ありがとうございます」
 ブーツへのご奉仕を終えた私に、まず“ご褒美”が与えられました。こうして華蓮様のお小水をいただくのは、もう何度目になったことでしょう。床にタオルを拡げて仰向けになると、私の顔の真上に、華蓮様のヴァギナがありました。目を閉じ、口を大きく開いてお待ちしていると、数滴の雫に続いて、すぐにお小水が口の中いっぱいに流れ込んできました。
「あ……っぐ、んぐ……ごく……ん」
 どれだけ飲み込んでも、すぐに口の中はお小水で溢れていきます。私は必死で喉を鳴らしました。
「こぼれてるでしょう? ……もったいないことしないで!」
「は……申しわ……んっぐ! ごく……ん」
 お小水は、顔中に浴びせられました。鼻からも容赦なく流れ込みます。ブロウした髪は額に張り付き、念入りに直したメイクは、お小水とともに、流れ落ちていきました。
「午後からずっと我慢していたのよ? こんなにこぼしたら“ご褒美”の意味がないじゃない?」
「も、申し訳ございませんでした!」
 私は慌てて顔中に飛び散った滴を手でぬぐい、何度も舐め取りました。続いてタオルに口を押しつけると、ちゅうちゅうと音を立てながら、染みこんだお小水を吸い上げました。華蓮様の匂いと味が、口の中と鼻の奥いっぱいに広がりました。




淫夢 (3)
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 ヴァギナに吸い付くようにして、華蓮様のお掃除を終えると、私は口を塞がれました。ボールギャグや開口器ではなく、太いバーのようなものを噛まされたのです。後頭部のベルトは、いつも以上にしっかりと締まっているような気がしました。
 お小水をいただきながら、私の身体はすでに最初の小さな絶頂を迎えていました。真新しいショーツの中は、ねっとりとした蜜にまみれ、薄い生地にはくっきりと染みが付いていました。
 華蓮様のご指示でショーツを脱いだ私は、立ったまま蜜にまみれた股間を拡げました。蜜が長い糸を曳きながら、ぽたりと垂れていきました。
 念入りに股間の溢れ具合を確認された華蓮様は、注射器のような形をしたプラスティックの器具を手にされました。先端に穴が空いています。華蓮様のご指示でさらに襞を押し広げ、私はクリトリスを剥き出しました。
「すっかり膨らんでるわね……」
 充血したクリトリスに、器具の先が押しつけられました。そしてゆっくりとシリンダーが引き出されると、クリトリスが器具の中へと吸い上げられていったのです。
「ふっ! ふ、ぅ、ううっ……!」
「本当はね、吸引機で吸ってあげたかったんだけど……でも、これだけでも充分すぎるみたいね(笑)」
「んっふ……んんっ! んっ……んん!」
 がに股で立ち、股間を自分で拡げたまま、私は何度も頷きました。クリトリスは透明の器具の中で、あっというまに小指の先ほどまで吸い上げられました。固定された器具から華蓮様が手を離されると、吸い上げられたクリトリスが、まるで幼児のペニスのように、股間で小さく揺れました。震動がヴァギナから全身へ伝わり、全身はがくがくと震え始めました。

「ルナちゃんなんてね……ヴァギナの中をね……」
「ふひっ! ひっ、ひっ……!」
「吸引機でね……吸い出しちゃうんだから……」
「んっ、くぅ……ふっ、ふぅ……」
「一分と耐えたスレイブは……まだいないらしいけど(笑)」
「ひぐっ! ん、ん、んんんっ!!」
 クリトリスに続いて、同じような器具で乳首も吸い上げられました。華蓮様の爪とプラスティックが触れあう固い音を残し、器具が順番に、何度も弾かれていきます。絶頂への階段を確実に上っていた私には、華蓮様のお話をまともに聞けるだけの余裕はありませんでした。
 そして股間にぶら下がる器具が、粘っこい音を立てて弾け飛んだとき、
「んんっ、くぅうううっ!!」がに股の情けない姿勢のまま、私は階段を上り詰めてしまったのです。
 
 乳首に透明の注射器をぶら下げ、両手を襞に添えた情けない姿で、私はその場に座り込んでいました。下半身から力が抜けて、自分自身を支えきれなくなったのです。開いたままの膝の奥に、真っ赤に充血したクリトリスが顔を覗かせています。吸い上げられたクリトリスは、いつも以上に膨らんでいるように見えました。
「じっとしてなさい……動くと怪我するわよ」
 細いピンセットが股間に近づき、膨らんだクリトリスの根元を挟み込んだまま固定されました。
「いっ……い、い、ぐ……ふぅぐっ!」
 押しつぶされるような鋭い痛みに涙が溢れ、私は口元のバーを強く噛みしめました。
「ほら……ご覧なさい? いまにも爆ぜるぐらいに膨らんでるわよ?」
「ぎ、い、いいいいっ!」
 ピンセットを軽く左右に捻られただけで、爪先から頭の先まで、苦痛が一気に駆け抜けます。でも次の瞬間には、じんじんした熱さと、鳥肌が立つほどの快感が拡がり始めるのです。それはまるで、全身がクリトリスだけになってしまったかのような感覚でした。
(もう……何がなんだか……わからない……どうなっても……いい……千切れる……千切れ……ちゃ)
 華蓮様に命じられ、自分でピンセットを捻り上げていた私の意識は、そこで途切れました。




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