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この部屋にやってくるのは何度目のことでしょう。 んっぐ、ぐぅ! 大きな声を存分に上げられたら、この衝撃もいくらかは楽になるかも知れません。でも出口を封じられた私の悲鳴は、ただ口の中でくぐもった音に変わるだけです。 突き刺すような鞭の衝撃は、お尻だけではありません。背中、太股、脇腹と、それが届くところであれば、どこからでも私に襲いかかってくるのです。私には次の衝撃の場所を予測することはできません。延々とお尻が続いたあと、突然乳房を襲われることさえあるのです。 ああ、もう! 火花が、頭の中を覆い尽くしているのです。最早私にとって、鞭の痛みや熱さや痺れなど、どうでもいいのです。ミストレスに鞭打たれているという事実だけが、私を高みへ誘おうとしているのです。 ああっ、あーっ! ミストレス、はしたないスレイブをお許しください。貴女様のスレイブは、壊れかけています。もう頭の中は真っ白なのです。下半身は今にもはち切れそうになっています。 どうか、どうか! 惨めなスレイブをお許しください! はしたないスレイブの体中が、バラバラに なり そ ぅ |
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頬に重さを感じます。擦れ合うような音と共に、顔が強く固い床に押しつけられているのです。生暖かい液体が、マスクの隙間から入り込んできます。絶頂を迎えてしまった私は、手足の拘束を解かれ、そのまま床に崩れ落ちてしまったようなのです。 あぁ、ミストレス! んっぐふ! 鞭で腫れ上がったお尻に、固く尖った物がめり込みます。お声も聞こえます。ミストレスは、私に仰向けになるよう、命じられているのです。なかなか動こうとしない私のお尻に、続けざまに何度も、尖った物がめり込んできます。大きなお尻を、ヒールで踏みつけられているのです。 どれほど激しい絶頂のあとでも、どれほど過酷なご調教のあとでも、ミストレスのお言葉は絶対です。余韻に浸る暇など与えられてはいないのです。 ぐっ 今度はお腹に重みを感じます。先ほどとは比べ物にならないほどの重さです。ミストレスが、私の上に馬乗りになられたようなのです。ご命令で、私は膝を立てたまま、足を開きます。 あぁ、これでは、お手入れを禁じられた茂みが、丸見えになってしまう! そんなところを掴まれると、ミストレスの手がスレイブの小水で汚れてしまいます! ぎゃっ! 私の悲鳴は声になったのでしょうか。口に噛まされているボールのせいで、きっと声にはならなかったでしょう。ミストレスが鷲掴みにしていた私の陰毛を、むしっているのです。皮膚が引っ張られ、そのまま裂けてしまいそうな痛みに、私は何度も悲鳴を上げます。悲鳴を上げながらも、愚かなスレイブは感じているのです。私はこの責めをお受けするためだけに、茂みのお手入れを禁じられてきたのです。 ぎゃっ! あぁ、ミストレス、どうかこの愚かなスレイブをお許しくださいませ! ミストレスの罵声が聞こえます。慌てて起きあがった私は、ミストレスがいらっしゃるだろう方向に向かって、土下座します。額を床に押しつけ、塞がれたままの口で何度もお許しの言葉を繰り返します。許されないことなどわかっているのです。でも、それがどれだけ些細なことであろうと、一瞬でもミストレスを不快にさせてしまったということは、すべてスレイブに非があるのです。スレイブである以上、何が起ころうとそれだけは決して覆ることのない掟なのです。 ひぎゃあっ! 千切れ、ちぎぃいいっ! ど、か、おゆる ひっ |
| ――では、自己紹介からお願いします。 「藍子といいます。一年間ほど、ある方からご調教を受けていました。女性のご主人様……華蓮様と仰るドミナです。その方のことは、調教時には必ず“ミストレス”とお呼びするように固く命じられていました」 ――知り合われたきっかけなど。 「きっかけは、ネットの書き込みです。華蓮様の書き込みを見て、返信しました。私を含めて、10人前後からお返事が来たそうです。でも、半分ぐらいは男性だったらしくて……『わざわざ“女性限定”と書いてるのに、どうして日本語が理解できない人が多いのかしら!』って(笑)。実際にお会いするまで、二ヶ月ぐらいメールでお話ししていただきました。メールは、毎日の時もありましたし、一週間ぐらい空くときもありました。私は、書けるときは毎日でも書いていました」 ――どんな内容のやりとりを? 差し支えがなければ。 「SMのことはもちろんですね。自分がどうなりたいとか。ほかには、当時の仕事のことや人間関係のことなど、そんな悩み相談めいたことも私は書いていたんですけど、そういうことにも、きちんとご自分の考えを書いてくださいました。10歳、年齢が離れていましたので、頼れるお姉さま……みたいに、ついつい甘えてしまって」 ――リアルで会うことになった経緯は? 「一度、お食事でもしましょう、と誘っていただいて……嬉しかったんですけど、もう、すごく緊張しました。お会いする直前に、電話で少しだけお話させてもらったのですが……それでも当日はそわそわして……仕事も手に付かないような状態でした(苦笑)」 ――初対面の印象は? 「大体の雰囲気はお聞きしていたんですけど、最初はやっぱり戸惑い……というか。Sの女性というイメージを、自分の中で作ってしまっていましたから。はい、良い意味で裏切られた感じです。多分、お姿を見てもそんな嗜好をお持ちだって、誰もわからないと思います。本当にこの方が? って、お話ししながら私も何度も思いましたから」 ――場所はどちらで? 「名前を聞けば誰でもわかる、有名なホテルのレストランです。ほぼ時間どおりに着いたら、もう華蓮様は席に着いていらっしゃいました。会話もリードしてくださいましたし、楽しかったのは楽しかったのですが……私はずっと緊張していましたから、お食事の味は全然わからなくて(苦笑)。調教やSMに関することは、お食事のあとで、華蓮様のお部屋でお話しました。お部屋も予約されていらしたので。でもよく考えると、女性同士でそんなお話、気兼ねなくできる場所は私もほかに思いつきません(笑)」 ――実際に会ってみて、ご感想は? 「それまでにメールでも色々とお話はうかがっていましたし、私も自分のことをお伝えしてきましたけど……言葉にすると、また違いますよね。お話ししながら……あぁ、いま私の目の前にいらっしゃる方はドミナなんだって……改めて感じました。……あの……恥ずかしいのですが……」 ――はい? どうぞご遠慮なく(笑) 「はい、あの……華蓮様とお話しながら……感じていました。多分、華蓮様も気付かれていたと思います。お手洗いを借りたとき鏡を見ると、顔も少し上気していましたし、下着も…………。いえ、華蓮様は何も仰いませんでしたけど」 ――(笑)そのときはお話だけ? 「はい。タクシーで帰りました。でも家に帰ってからもずっと……頭から離れませんでした」 ――その後の経緯は? 「二日ほど経ってから、メールをお送りしました。調教してくださいとはっきり書いて。二日後って早いですか? ほかの人のことはわかりませんけど……でも私自身は、もうほとんど決心が付いていましたから。それでもメールをお送りするまで二日かかったのは、私で大丈夫なのかどうか……華蓮様が私で満足されるだろうかって。そういう不安でした。翌日にお返事をいただいて、週末にもう一度お会いすることになりました」 |
| 週末の夕方。仕事を急いで終えた私は、雑踏の中を急いでいました。終業時間直前になって、突然の小さなトラブルに巻き込まれ、その処理に思いのほか時間を取られてしまったのです。 いつもより早足で駅へ向かい、ラッシュの地下鉄に乗り込みました。遅れる連絡はもちろん入れています。でも気が気ではありませんでした。 (どうして、今日みたいな日に限って……!) 地下鉄の中でも、そのことばかりが頭の中に浮かびます。降車駅で降りると、私は小走りになっていました。 |
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「お待たせしました。遅れてしまってすみませんでした」 お手洗いから戻り、届いていた紅茶に口を付けると、少しだけ気分が落ちつきました。紅茶を飲み終えるころには、すっかりリラックスした気分にさえなっていました。 週末の夕方だったにも拘わらず、渋滞に巻き込まれることもなく、車は順調に進みました。30分ほどのドライブでしたが、それが私には五分ぐらいにしか感じらず、気付いたときには、車はホテルの正面玄関に停まっていました。 「良いお部屋でしょう? 好きなのよ、ここのホテル。藍子は初めて?」 「……さっき、ここへ来る前にひとつ教えたでしょう? もうひとつ、いい?」 |
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寝室から戻られた華蓮様は、まるで別人でした。シンプルなデザインのスーツは、タイトな黒いチャイナドレスに。華奢なサンダルは、暴力的にも思えるほどのピンヒールに。ナチュラルなメイクは、冷酷さを引き立てる強いメイクに。後ろでまとめられていた髪もすべて下ろされ、黒く輝いているようにも見えました。 「…………脱いで」 華蓮様の指がうなじをまさぐっています。指が上下するたびに、私は首筋を仰け反らせながら、小さな声を漏らしてしまいました。 「それに、全身がとっても敏感そう。でも、我慢することも覚えてもらわなくちゃね。すぐに恥ずかしい声をあげたり、おねだりするような子は、好きじゃないの。美しくないから」 |
| ――それまでのご経験は? 「それまでは、妄想世界の住人でしたので……(笑)。誰かからご調教を受けるということは、初体験でした。経験になるのかどうか……自虐めいたことは少しだけ。ですからもう一度お会いするまでに、私なりにいろいろと準備というか……心構えのような? そういうのは一応持っていたのですけど……現実はそれ以上でした。……最初の頃は、しょっちゅう粗相があって、そのたびにお仕置きをいただいてばかりでした。でも華蓮様は、飴と鞭の使い分けが、すごく絶妙な方でしたから……ですから、私にでもスレイブとしての役目が、務まったのだと思います」 ――どんなときにお仕置きを? 「そうですね……やっぱり……まず言葉遣いを間違えてしまったとき。それから、接するときの態度であるとか……普段は本当に穏やかな方なのですけど。そういうときには、一切容赦がありませんでした。自分が粗相をしたのはわかっていますし……そのためのお仕置きですから。容赦がないといっても……私の様子をご覧になりながら、加減されていたのだと思います。元々、私、甘えんぼだっていう自覚があったので、厳しくされたいと思っていましたから。あの……少し話が逸れるのですが……」 ――はい、どうぞ。 「ずっと……びくびくしてたんです……いろんなことに……。というか……自分の性癖のことは特に。同性に強く惹かれてしまう自分とか……マゾである自分とか。外では隠して隠して、隠し通してるくせに、一人になると、厳しく……躾を受けている自分を妄想して……。妄想だけじゃ止まらなくて、自分で自分にお仕置きすることまで覚えてしまって。…………思い知らされたかったんだと思います、本当の私はこうなんだって……私の素顔はこっちなんだって……厳しくて冷たい視線や嗤いの中で……はしたなく素顔を晒していく自分を、思い知らされたかったんです」 |
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舌を弄ばれているあいだ、唾液は止めどもなく溢れ出して、胸元へと滴り落ち、ブラを濡らしていました。指が舌の上を動き回るたびに、粘っこい水音が響きます。華蓮様の指が離れたあとも、私は口を閉じることも忘れ、舌を突き出しただらしない顔つきで立っていました。 私が差しだしたものをにっこりと受け取られた華蓮様は、ショーツの汚れ具合を確認されているようでした。ショーツを見つめていた視線が、再び私の視線に絡みついたとき、 「入っても……よろしいでしょうか」 お仕置き……それは何度も夢想した行為であり、願望でもありました。でも、現実に華蓮様のお口からその宣告を下されたとき、私の背筋には冷や汗が伝っていったのです。 |
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「んっ…はっ! んんっ…っくぅ、う! いっ…ん、んっ!」 ラケットが当たる直前までは、お尻全体に痺れるような熱さが広がっています。でもお部屋いっぱいに乾いた音が響き渡った瞬間、その痺れは霧散して、やがて熱い塊となって駆け巡っていくのです。その熱い塊は、私の頭の中で火花になり、いくつもいくつも散っていきました。 |

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