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| ……ガラガラガラ! 重い鉄の扉の開く轟音で彼女は目覚めた。 もとより深い眠りではない。それはジッとしていても汗がしたたり落ちる蒸し暑い独房の空気と、なにより上半身にすっぽりと被せられたキャンバス地の拘束衣によって、腕組みの形で固定された両腕が痛むためだった。身じろぎすると肘と肩の関節に、針をくじり入れられたような激痛が走るのだ。 「くうっ!」 身体を起こそうとして、両腕と肩がキリキリと痛み、身体中を不快に濡らした汗に、脂汗が加わった。拘束衣の他に、唯一着けていたショーツも汗でビッショリと濡れていた。顔にまとわりつく髪の毛を払おうと頭を振る。 ズキッ! 筋肉の発する激痛に、視界がかすみ、身体が崩れそうになる。しかし、屈強な男の指が彼女の髪の毛をムンズとつかみ、それを許さなかった。 「お嬢さん、“電話”の時間だぜ」 男は、力の入らない彼女の身体を引きずるように運び出した。 彼女が、自国と紛争中の、この国に、捕虜交換のための事前調査にやってきたのは一週間ほど前だった。互いの国の捕虜を交換するための調査団スタッフの通訳が、彼女の仕事だったのだ。 紛争勃発以来、閉鎖されていた自国の大使館の機能をスタッフと順調に回復させ、最初の捕虜収容所に向かう途中に事態は急変した。舗装されていない街道をスタッフと共にリムジンで移動中に起こった突然の閃光と爆発音、装甲されたリムジンは潰れこそしなかったが、吹き飛ばされ横転してしまっていた。 やがてドアをこじ開けて入ってきたのは救助の手ではなかった。 ガクガクガクガク! 視界が振動していた、薄暗い天井にぶら下がる電球が見える。平衡感覚がおかしかった。壁から水平に電球が突き出しているように彼女には感じられた。やがて世界の上下があるべき位置に入れ代わるのと同時に、目の奥で緑色のスパークが弾けた。 「ぎゃああああああっっっ! はわっ! はっ! はぎゃああっ!」 すさまじい悲鳴が自分の口からほどばしっている。意識より先に感覚が急浮上し、両脚と下腹を、ビリビリと激痛をともなう痺れが占拠しているのを知る。ふくらはぎや太腿部、尻や女性器にかけて、絶え間ない痙攣がビクビクと襲っていた。 筋肉がねじけ、自分の意思とは関係ない収縮により両脚はピンと剛直していた。一本一本の筋肉繊維が千切られるように激しく痛む、内腿にはクッキリと腱が浮かび上がり、どの部位の筋肉作用によるものなのか、女性器がめくれ上がりハタハタとひらめいている感覚がある。 「ホラホラ。どうした。眼が覚めたか?」 男は笑いながら、手回し発電機をグルグルと回しつづける。 発電機から延びたコードは、産婦人科の分娩台を模した拷問台に拘束された彼女の、両足の親指に括りつけられていた。被覆を剥かれた銅線が、二重三重に足親指の根元に巻きつけられている。そこから送り込まれた電流が、両脚の筋肉を責め苛みながら、下腹部でスパークしているのだ。 いつの間にか、ショーツの上から赤ん坊のようにオムツがあてがわれている。 「身体に“直通電話”をかけると、みんな大も小も直通しちまうからな」 ほんの直前の、オムツを巻かれた記憶をやっと思い出す。この様子をビデオカメラが撮影しているはずだった。男は見せしめのために公開すると言っていた。 男は発電機の回転に刺激的な緩急をつけはじめ、意地悪く笑みを浮かべる。 グルグル〜グルッ! ギュル、ギュル〜っ、ギュル! 発電機の回転と共鳴するように、彼女の下腹が鳴った。 「ああっ、やぁ!」 すさまじい便意が下腹部を襲う。冷たい汗が、額や鳩尾をタラタラと伝い落ちた。氷柱のような冷たい塊が尾てい骨に沿って這い上がり、ヘソの裏側で反転すると、灼熱のうねりとなって身体の底に押しよせる。激しい便意の大波に、頭の中が真っ白になり、決壊の時が近づく。 全身をザワザワと悪寒が走り抜けた。ビリビリと直腸と括約筋が痙攣し、ギュ〜っと、すさまじい収縮を見せた肛門は、やがてプックリめくれかえり、オムツのなかに褐色の内容物をぶちまける。 「イヤ!イヤぁーっ!」 ぶりッぶりぶりぶり〜ッ! 「お〜、汚ねえ汚ねえ」 彼女の羞恥を煽るように、男は大声であざけりながらも、発電機を回しつづける。 グルグルグルッ! ビリビリビリッ! 痙攣により突っ張ってしまった脚により、ブリッジのような姿勢になった彼女の下腹部は中空に持ち上げられていた。その中心に位置した股間に変化が生じていた。小水により黄色く染まったオムツの股間部がモリモリと盛り上がっていき、褐色の染みが滲んできたのだ。 部屋の中に悪臭が拡がった。 「やめてーっ! とめて、とめてぇー!」 通電による痙攣をつづける尻肉は、自ら排泄したものを挟みつけ、彼女の意思に反しニチャニチャとこね回しつづけていた。尻の割れ目を放出したばかりの、体温と同じモノがニュルニュルと上下しているのが感じられた。 ぶりッぶりッ! 電気刺激で強制的に蠕動(ぜんどう)させられた腸が、再び排泄をはじめた。 彼女は痛みと惨めさに打ちのめされる。 ガクリガクリと引きつる下半身。また、意識が遠のいていく…。 |
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