いきなり「手数料」取られる
パリ→カサブランカ(Casablanca・モロッコ) 1995年12月26日(木)
カサブランカとは白い(Blanca)家(Casa)というスペイン語であり、あの「ボギー」の舞台となったところであるが、実は人口250万の大都市である。片側2車線の道路を車がびゅんびゅん走っているようなところもあり、映画のような情緒がある風景には、ほとんどお目にかかれない。
夕方に飛行機は空港に到着。入国等はすんなりと済む。空港からバスで街へ出る。地図の上での位置が掌握できない。荷物が重い。暗くなってくる。不安。まずはホテルを決めたい。
口内炎のような症状があって口の中が痛く、調子が悪い。街の薬屋で、英語で薬を買う。副作用が怖かったので、「抗生物質でないもの」と言いたいのだが、ちょっと前の英会話教室で聞いた「Antibiotic」と言ってしまう。まさにこれが抗生物質、意味が逆である。(気がつかずに飲んだらすぐよくなったが、家に帰ってその薬をよく見たら、ペニシリンと書いてあり、「えっ」という感じ。やはり抗生物質は効くということかな?)
そんなことをしているうちに、あたりはすっかり暗くなってしまう。一人の男が寄ってくる。「ホテルがある。」というようなことを言う。「ガイド料は払わないよ。」というと、「いいよ。」という。そのままついて行くと、1件のホテルを紹介してくれる。55DH(ディラハム。55DHは1,650円ぐらい)なのでOKすると、さっきの男が「20DHよこせ。」という。ホテルの人は知らん顔。ホテルがこの男にチップ程度を渡すのかと思ったがそうではないようだ。その分ホテル代に載せているということもなさそうだが、これも分らない。さっきの男に「ガイド料は支払わないと言ったはずだ。」と言うが、「案内サービスをしたじゃないか。ガイド料じゃない。案内料だ。当然だろ。」という感じで(あまり通じていないのだが)、そのしつこさにめげてしまい、値切りもせずに20DHを支払ってしまう。いきなり後味の悪い目にあう。
| まあ、こっちが「とろい」んだろう。本当はホテルを代えればいいのだろうけれど、疲れもあり、この程度の負担なら諦めるという気にもなった。彼らはそこらを巧みに突いてくる。「幾らまでなら払うのか」という点について、「その最大限を引出そうとする」売り手と、「売らないよりは売ったほうがましな値段はいくらか」という買い手との攻めぎあいなのだと思う。経済学の「需要と供給」の原形のような世界が、そこにある。しかし、買い手(私)のほうが、「正札制」の日本に慣れきっていて、交渉する時間的余裕がないこともあり(彼らにとって、時間は無限かつタダの資源というように思える。)、この「ゲーム」に参加するには非常に心もとないということなんだろう。 |