ラパス行き、飛ばず、早くも日程狂う
東京→シアトル(Seattle・米国)→マイアミ(Miami) 1994年12月30日(金)
ボリビアのラパスへ行くには、マイアミ経由が普通である。そして、マイアミへ行くには一旦西海岸で乗り継ぐしかないようで、米国に入国することになる。今回のシアトルってのは、カナダに近い方で、読者は南米に行くのには相当遠回りのように思われるかもしれないが、不思議なことに、地球儀の上でたどってみると、意外とそうでもない。最初に成田の出国で、スポーツ用の小型酸素ボンベを没収される。危険だからだそうだ。これさえあれば、高山病も怖くないと思ったのだが…
いきなり、どーでもよいような話から始まっているが、東京を18:30に出た飛行機は、日付変更線を越える関係で、マイアミには20:52着、見かけ上では僅か2時間と少しで着いてしまうことになる。ということは帰りは時計が恐ろしく早く動くってこともいえる。そして、マイアミを23:10に出ると、翌朝の6:39にラパスに着くという、何故か分刻みの予定である。シアトルでは気温10度だったが、きれいに山並みが見え、何でも冬のこの地では珍しいことだそうだ。マイアミでは20度を越えているようなので、現地の人たちはTシャツだが、マイアミに着いた乗客は皆ジャンパーかセーター姿ということになる。
一度米国に入国している関係で、マイアミでは国内線のターミナルから国際線のそれに長い距離を移動しなければならない。アナウンスを聞いていると、米語と西語が全くの半々である。さすがにマイアミは「南米の首都」と言われるだけのことはある。たまに、ブラジル人向けのポルトガル語らしきものも聞こえる。
ラパス行きに乗り込む。シートの番号を確認して座ろうとすると、日付も便も座席番号も同じチケットを持った中国人が… ここは「文明の国」アメリカ合衆国ではないのか? 隣りの席に座って、日本人と中国人とが、ヘタなりにも唯一の共通言語であるスペイン語で会話を始めるはめになる。シートベルトを閉めた後に、15分遅れるというアナウンスがある。丁寧なこった、たかが15分のことで… しかし、それからしばらくして、待合室へ戻れというアナウンスが! どうも、既に「文明の国」は出国してしまったらしい。文明の対局から、整備不良の飛行機が飛んで来ただけなのかもしれないが、チケットの発券ミスもあるんだぞ!
乗客は皆待合室の一角に集まる。「文明国からの出国が取消された」ことになるのだろうが、さすがの「ラテンアメリカ人」たちもイライラしている。日本人が2人いる。彼らもラパスへ行くそうだ。しばらくして、とても私の語学力では聞き取れないようなアナウンスがある。しかし、回りの光景から全てが察知できる。今晩は飛ばないことが正式に決まったのだ。何故なら、その瞬間、周囲のボリビア人と南米行き観光客(私にはどちらだか区別がつかないことが多い)の全員が、タバコに火をつけたからである。「タバコを吸う者は人にあらず」という米国の、しかも公共施設内で! 係員も警官も、誰も文句を言えない。私もそれを見ながら、悪意を持って微笑まざるを得ない。
こういうときには、ホテルが無料で手配されるのこともあり、疲れた私はすっかり諦め、翌日の早い時間のフライトを探すが、ないようだ。早くも「まる1日遅れ」ということになる。ところが、2人組の日本人の1人は、係員に食い下がって、何とか他の国でもいいからすぐに南米に出て行く便を探そうとしている。現地の人が諦めているのだから、無駄だと思うのだが… そして、私が機内に預けた荷物はロストバッゲージ。悪いことは重なるものだ、まだ、南米に入っていないというのに。明日は洗面用具とパンツを買おう。なくなった荷物と今度出会えるのはいつのことだろうか? 本当に冴えない、ろくでもない旅のスタートである。まあ、いつもと違って原因が自分のミスでないことが、唯一の救いであるかもしれない。
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| 公開日 | 1 de Feb. 2000 |
| 最終更新日 (数字を半角に) |
25 de Jun. 2004 |