新旧ラジオ体操

ラジオ体操(国民保険体操)は昭和3年からはじまっています。
戦前・戦中のいわゆる初代ラジオ体操の伴奏曲は頻繁にかわっていてちょっと複雑です。また資料が完璧に揃っていないようで、このページのレコードと対照しようとしても不明点があります。系統たてて研究している人がいないみたいですね。「ラジオ体操の歴史」CDでも出てくれると大変な資料となるでしょう。(いったい誰が買うのかは省略します(笑)) とんでもない!! ホントに出てしまいました。下記参照!!
・昭和3年 福井直秋作曲"可愛い歌手(ヘルプスト進行曲)" 伴奏曲の著作権問題で終わる?
  といいながらも、この曲を使った「ラジオ体操の歌(朝風そよそよ、、)」もあり、第一体操はこの曲が最も知られているのでは??
・昭和5年 東京音楽学校作曲「其の二」「其の三」(便宜上上記は「其の一」ということか?) 
・昭和6年 ラジオ体操の歌 小川孝敏作詞(公募) 堀内敬三作曲 "踊る旭日の光を浴びて、、"
・昭和7年 第二体操 堀内敬三作曲"若鮎" ドイツ曲"ホーエンフリートベルク"の二種類
・昭和9年 コロムビア12吋盤 の第一体操はなぜかまったく別旋律の謎の曲
・昭和14年 厚生省発表大日本体操「国民体操(橋本國彦=ラジオ体操第三)」「青年体操(深海善次)」「女子青年体操(飯田信夫)」
・昭和17年 縄跳体操(深海善次か)
    *********************** 終  戦 ***********************
  昭和20年8月15日から22日まで中断←それまで生放送でやってたというのがすごい!!
  8月23日再開 第一体操(丹生健夫) 第二体操(深海善次)に変更らしいが詳細不明、完全な幻の曲
・昭和21年4月13日 戦前型体操の終焉
・昭和21年4月14日 第一体操(服部正)、第二体操(深海善次)、第三体操(橋本國彦) 管弦楽のちピアノ
・昭和22年8月31日 戦後一次型体操終焉 わずか1年4ヶ月の"幻のラジオ体操"
・昭和26年5月06日 新ラジオ体操(現行第一体操)
・昭和27年6月16日 第二体操開始(現行第二体操)
   (参考 キングCD KICG180 解説 郡 修彦氏)

(04/02/01)このページ加筆修正しました。

ラヂオ体操の全(すべて) KICG3079(K) 2003.11


まさかホントにでるとは、、、レコード高かったのに(笑)。
各体操の図解など55ページの解説書付き。中古SPレコード1枚より安くてお得!!

このCDとこのページの音源をあわせるとほぼひととおり完結となります。嬉しいことに二代目(終戦直後)の体操がオーケストラ演奏で入っています。前回のCD(KICG180)はピアノだったのでこれで両方の演奏が楽しめます。解説によると二代目の第一体操は服部正氏作曲で体操を作ったのがあの戸倉ハル女史なんだそうで、はとぽっぽ体操コンビですね。
現行体操は第一のみオーケストラ演奏(丹生健夫指揮)、第二はピアノ伴奏で入っています。
そのほか「ラジオ体操の歌」は"踊る旭日の、、"の他、第一体操伴奏曲に歌詞を付けた"朝風そよそよ、、"もあり、"銃後の護りだ 我等の身体鍛えん"と時局を思わせます。戦後も二種類の歌があります。

 戦前・戦中のラジオ体操について一応整理すると以下の通り

・ラジオ体操の歌(踊る旭日の…)変奏タイプ管弦楽(昭和6)
・第一体操(ビクター・サクラ・キングタイプ)----「可愛い歌手(福井直秋作曲)」
・第一体操(コロムビアタイプ)----其二(東京音楽学校作曲)
・第一体操(CDにあるもの) ----其三(東京音楽学校作曲)
・第一体操(キングG-32003B)----別曲 不明 下記のことか?
・第一体操(コロムビア1934年)----「第四?」謎の曲(吉原規作曲)
・第二体操(コロムビア・サクラ・キングタイプ----ホーエンフリートベルク
・第二体操(ビクター・ポリドールタイプ----若鮎(堀内敬三作曲)
・第三体操「大日本国民体操」(昭和14)  「青年体操」「女子青年体操」とあわせて大日本体操3種
・縄跳体操 (昭和17年) ラジオ縄跳

戦前・戦中版ラジオ体操(時系列ではありません)

とんでもないSP盤を入手しました。さすがにとても高いものですが比較的程度がいいです。
VICTOR 53790 ラヂオ體操 (第一體操、第二體操) 江木理一指導、ピアノ丹生健夫 推定発売時期昭和12年
  第一は「可愛い歌手(福井直秋作曲)」第二は「若鮎(堀内敬三作曲)」のようです。
 戦前戦中のものは伴奏曲が時期により変化しているらしいです。このレコードには作者の名前が記載されていませんのでどのものなのかわかりません。なんとなく第一の方はどこかで聴いたような気がしますが気のせいでしょうか?
 かけ声が軍隊調で、叫んでいます。最後に「終わり!!」といいます。第二は体操の番号のみ叫びます。 
 この第二体操の曲は以下のレコードにはありません。
 おなじ江木・丹生コンビのものでポリドール盤も売っていました。ちょっとだけ試聴しましたが同じ曲だったと思います。

(02/11/01NEW)
VICTOR 51927A ラヂオ體操 堀内敬三作曲 江木理一号令 日本ビクター管弦楽団 推定発売時期昭和6年 
  ラジオ体操の歌のメロディーが一部にはいっているもの。体操は11番まで。
VICTOR 51927B ラヂオ體操の歌 ラヂオ体操の会選歌 堀内敬三作曲 内田栄一(独唱) 日本ビクター管弦楽団
  "ラジオは号ぶ(さけぶ) 一、二、三"という戦前型。4番まであり。覚えている人います??

コロムビア 27188A ラヂオ體操(第一) 江木理一号令 ピアノ不明 推定発売時期昭和7年 これが「其二(東京音楽学校作曲)」
  1.足の運動、2.頭(かしら)を前後に、3.頭を左右に、4.腕を横から、5.腕を前から、6.胸を反らす、7.体を横に、8.体を前後に、
  9.体を左右にまわす、10.足の運動、11.呼吸運動
コロムビア 27188B ラヂオ體操(第二) 
江木理一号令 ピアノ不明 推定発売時期昭和7年 これは「ホーエンフリートベルク」です。
  第一体操は体操の指導を言うのに、第二では"八番"などと番号でしか言わない。体操は同じく11番まで。

 *「ホーエンフリートベルク(行進曲)」はフリードリヒ大王の作曲とされていますが、定かではありません。プロイセン(ドイツ)の古い行進曲です。
 カラヤン指揮の「ドイツ名行進曲集(POCG-2287)」というCDにこの曲あります。解説にはかつてラジオ体操の伴奏曲であったなどの類の話はありません。

サクラレコード S3079A ラヂオ體操(第一運動)  江木理一号令 ピアノ不明 推定発売時期不明 「可愛い歌手(福井直秋作曲)」
サクラレコード S3079B ラヂオ體操(第二運動)  江木理一号令 ピアノ不明 推定発売時期不明 「ホーエンフリートベルク」

キング G-12008A ラヂオ體操其一(第一体操二回連続) 江木理一号令 丹生健夫ピアノ 12吋SP盤 推定発売時期昭和12年 
  「可愛い歌手(福井直秋作曲)」 4分以上ありけっこう疲れそうです。
キング G-12008B ラヂオ體操其二(第二体操二回連続) 江木理一号令 丹生健夫ピアノ 12吋SP盤 推定発売時期昭和12年
  「ホーエンフリートベルク」です。単純なメロディーの繰り返しになります。

キング G-32003A1 ラヂオ體操の歌 キング合唱団斉唱 丹生健夫ピアノ 推定発売時期昭和15年?
キング G-32003A1 ラヂオ體操其一(第一体操一回) 
佐々野利彦号令 丹生健夫ピアノ 
  「可愛い歌手(福井直秋作曲)」
キング G-32003B ラヂオ體操其一(第一体操連続二回) 佐々野利彦号令 丹生健夫ピアノ 
  両方とも第一体操なのに伴奏曲が異なる。こちらはこれまで聴いたことのない曲。

ビクター A-4494A 日本音響株式会社 ラジオ縄跳伴奏曲 (J-2707) 推定発売時期昭和18年
 深海善次作曲 日本音響管弦楽団
 いわゆるラジオ体操のように単純でない曲。何か原曲があって編曲されたものと言われればそう信じるであろうという感じです。
 緩急があって跳び方を変えます。両足、片足、駈足、足前振り跳びなどあります。学校などで今でも使えそうです。
ビクター A-4494B 行進曲「進め荒鷲」(J-2547) 
 深海善次作曲 日本音響管弦楽団
 並足にしてはちょっと速めの曲。あまり景気のよいメロディーじゃなくきこえます。

昭和18年以降は敵性語ということでビクターを日本音響株式会社といっていましたがレーベルはVICTORのままです。
そのビクターは昭和20年5月29日の横浜大空襲で焼け落ち、資料は全て焼失してしまったそうです。

(02/11/07NEW)
ビクター A-601
  
支那事変後、ラジオ体操は時局がら活発になり、昭和14年(1939年)「大日本体操」3種が発表されました。「大日本国民体操」はラジオ体操第三としてラジオ放送されたようです。管弦楽団の演奏で某国なら今でもありそうな曲調です。

A. 大日本國民體操 橋本國彦 日本ビクター管弦樂團
B. 大日本青年體操 深海善次 日本ビクター管弦樂團

ビクターA-602

A. 大日本女子青年體操 飯田信夫 日本ビクター管弦樂團

ビクターA-3045  1941年

A. 大日本厚生體操 橋本國彦 日本ビクター管弦樂團
B. 大日本國民體操 橋本國彦 日本ビクター管弦樂團
  國民體操はA-601と同じですが前奏がちょっと違っています。

終戦直後のラジオ体操
キングより出ているCDです。
KICG180 NHKラジオ体操第1/第2 \1,200 98/5発売(まだ売っている)
1-4は
現行第1第2体操、青山敏彦の号令入りと号令なし。ピアノは大久保三郎。

ボーナストラック(筆者的にはこちらがメイン)
1946年録音SP盤音源より

5. ラジオ体操第一 服部正(3:03)
6. ラジオ体操第二 深見善次(3:01)
7. ラジオ体操第三 橋本國彦(3:07)
 ピアノは丹生健夫。指導号令はなし。振りもついていない。

これは終戦直後、1946年4月から1947年8月まで放送されていたもの。敗戦による混乱で国民の精神的余裕がないなどの理由で短命に終わったといわれている。
その後しばらくの空白の後、1951年5月から現行の体操音楽となる。
CDには「ラジオ体操の歴史」という解説書が添付されていて戦前のややこしい経緯から載っていて資料性がある。

聴いてみて驚いたのはSP盤から録ったにしては音がよいということ。敗戦直後につくられたレコードとは思えない。曲としては3曲とも立派なピアノ曲のようである。現行の第1体操の作者の服部正氏の第一は何となく体操が浮かんでくるがあとの2曲は体操という感じがしない。体操自体が難しかったのも短命の理由というが確かに万人向けというには難しそうな曲である。「高校生体操」くらいならよかったかもしれない。(「高校生体操」知っている人は手を挙げて!! 〜レコードは東芝だと思った。)

ところでこの演奏者の丹生健夫氏はうちにあるコロムビアの(現行)ラジオ体操のピアノ奏者。戦中の一時期のラジオ体操も作曲している。
丹生健夫氏についての情報あれば教えて下さい。

(04/02/01追記)
「ラヂオ体操の全(すべて)」CDの解説によると、なんでもGHQ対策を考慮したらしくワルツの優雅な演奏だったりします。第一体操は万人向け、第二体操は体育ダンス風の女子向け、第三体操はダイナミックな体操で男子の団体徒手に最適ということです。万人向けには難しい体操ともいえますが、図解を見ればそれほどのものではありません。この時期は物資(紙)の供給の問題もあり、解説書を配って普及させるにも困難があったと思われます。このCDには体操図解もあることですし、この不憫な体操をどこかの中学か高校の運動会などでやってみたらちょっと痛快ですね。

現行版ラジオ体操SP盤
VICTOR AE-31 新ラジオ體操 (国民保険體操)
 服部正作曲 現行曲です。
 
・服部正指揮 日本ビクター管弦樂團 
 ・紅林武男指導 ピアノ丹生健夫
 ご存知現行曲。1951年制定。わざわざ「新」ラジオ體操とあるので誕生時のものか?? 当初は一曲なので"第一"という表記はない。
 珍しいオーケストラ演奏のラジオ體操。これを試聴していっぺんに気に入ってしまいました。
 紅林・丹生コンビの演奏も後のものと体操の説明の言い方が違います。号令(1,2,3,4)入り。

(04/02/01追記)
 
管弦楽の新ラジオ体操は服部正(V)、古関裕而(CO)、丹生健夫(K)各氏の指揮によるものを聴きましたが、個人的には服部正版がいちばん気に入っています(下画像の真ん中のレコード)。

VICTOR AE-49 ラジオ体操-第二 (国民保険體操) 團伊玖磨作曲 現行曲です。
 
・團伊玖磨指揮 ビクター・オーケストラ 
 ・紅林武男指導 ピアノ丹生健夫
 上記第一体操の翌年1952年制定。こちらは「新」の表記なし。
 こちらもオーケストラ演奏。第二の方はオーケストラでも全然違和感がありません。もともとそういう曲ですね。
 紅林・丹生コンビの演奏も後のものと体操の説明の言い方が違います。号令(1,2,3,4)入り。冒頭の「ラジオ体操第二、用意!」付。


貴重なSP盤。左のは字が逆です。

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