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SA・誤差

 

2000年の5月より、GPSの精度がぐっと良くなりました。それまでは、GPSはアメリカの軍用技術であり、民間の利用には強制的に精度を落とす仕組み、SAが掛けられていたのでした。結果、表示されている座標は水平方向に100m、高さ方向に200mくらいふらつきのあるものだったのです。しかし、5月、突然のSAの廃止が発表され、GPSの精度は10倍も良くなりました。それまではDGPSなど手間を掛けねば得られなかった精度が、単体でも出るようになったのです。

ここでは、手持ちのGPSってどれくらい確かなものなのだろう、と言う、誰もが一度は持つ疑問を確かめようと、お手軽に実験をしてみました。

 

2000/07/17に取った10時間の記録

SAが廃止なってから、一度は取らねば、と思っていた定点記録。ようやく果たすことができました。

(2000/8/8) 

 

 

1999/08/23に取った11時間の記録

先だってのGPSの2千年問題の日(1999年8月22日午前9時丁度)に、能取岬にGPSを持ち出してその瞬間を見てました。で、折角なのでSAを見ようと、長々とログを取ってきました。(11時間分!)

今度は高度も記録しているので、三次元でログをプロットしてみました。

縮尺は三方向とも同じで、軸の長さは中心から100mずつです。水平方向はほぼ半径50m以内に収まっているのに対し、垂直方向は倍の上下100mくらいまで広がっているのが分かります。つまりGPSの表示する高さは、経緯度よりも信用できないってことです。

経過時間に対して中心からのずれを方向別にプロットして見たのが下の図です。赤が緯度、緑が経度、黄色が高さです。

やっぱり高さ方向はあばれ方がひどいです。また、どの線も、周期など、特に決まったパターンはないように見えます。

経緯度の値の出現頻度を、図にしてみました。さすがに、これだけデータがあるからなのか、中心に山が見えてきます。

一応求めた標準偏差は20mくらい。もっと沢山とったら、ちゃんと正規分布みたいになるのかしらん。

同様に高さについてもヒストグラムを作ってみました。縦軸が高さの平均値からのずれ(-150mから150mまで。)、横軸が頻度です。5mで区切っています。

思いがけず、0m(平均値)に山のある、きれいな形です。正規分布の線をあててみたくなりますが、それはまたその内のお楽しみ、と言うことで。

 

Track2Table.plのソースを見る。

上記の立体ヒストグラムを描くのに使ったツールです。トラックログを表形式に整形し直すスクリプトです。

トラックログは緯度と経度の組がずらっと並んでいる訳ですが、

43 143
44 143
44 144

これを、こんな風に並べ替えます。

   143 144
44   1   1
43   1   0

これで、エクセルやデルタグラフなどでも、立体グラフを作ることができます。表中の数字を、頻度や高さなど色々替えて遊んで下さい。

(1999/10/01)

 

 

 

 

1999/04/27に取った30分弱の記録

とりあえずGPSを固定して、メモリの許す限り(30分弱)ログをとってみました。

得られた座標値を、水平面上にプロットしたのが上の図です。赤い線が軌跡です。一目盛りが10mですので、図の半径は60mになります。GPSを固定しているにも関わらず、値がふらふらとさまよっているのが分かります。

これが全てSAによるものかどうかは、当方には分かりません。衛星配置や捕捉状況などが効いているかもしれません。一応、データを取ったのは畑のまん中で、EPEの表示が15程度と言う、かなり恵まれた環境ではあります。

軌跡は遠い所で100m近く差があります。よく聞かれる、SAで100mの誤差と言うのはこのことでしょうか。一点の誤差を計算すると、±約30mになります。普段、地図上で見る軌跡のずれは、その程度だと思います。

また、緯度と経度について、平均値からのずれを、時間を横軸にとってプロットしたのが下の図です。

これを見ると、変動は秒毎にふれるような激しいものではないことが分かります。大雑把に言って、10分のオーダーで一つの山が過ぎている感じ。15分くらいで平均すると、まん中がとれるでしょうか。

また速度への影響ですが、一番大きい所で秒速約4m/s、時速に直すと大体15km/hになります。歩く程度のスピードにGPSは使えない、と言う実感通りの結果です。

さらに、緯度と経度の値について、ヒストグラムも作ってみました。横軸にずれ、縦軸に頻度を取っています。赤が緯度方向、緑が経度方向です。確かに真の値の周りに均等にふれると言うような、単純な分布ではなさそうです。データ数が少ないのかもしれませんが。

以上の結果から、少しはSA(をひっくるめたGPSの値の信用度)が見当ついたでしょうか。GPSをよりよく使うために、参考になれば幸いです。

 

SA_Calc(UTM)のソースを見る。

最後に、平均値計算などのために使用したPerlスクリプトを置いておきます。GPSy拡張形式のトラックログをDrag&Dropして使います。平均値を計算し、そこからのずれを別ファイルに書き出します。あらかじめ経緯度の表記をUTMにしておく必要があります。

(1999/09/05)

 

 


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