血液型

父親
=
母親
|
|
子供
A 型
B 型
O 型
AB型

 

血液型メンデルマシン

懐かしのメンデルの法則を思い出せば、親の血液型の組合せから子供の血液型の出方は予想できます。もし婚姻、生殖が全くのランダムで行われるなら、血液型の行く末はどうなるのか調べてみました。

親の血液型と生まれる子供の血液型の組合せは、6×6=36通り。

母親
A型
B型
O型
AB型
AA
AO
BB
BO
OO
AB
父親
A型
AA
AA
1
AA
AO
1/2
1/2
AB
1
AO
AB
1/2
1/2
AO
1
AA
AB
1/2
1/2
AO
AA
AO
1/2
1/2
AA
AO
OO
1/4
1/2
1/4
BO
AB
1/2
1/2
AO
BO
OO
AB
1/4
1/4
1/4
1/4
AO
OO
1/2
1/2
AA
AO
BO
AB
1/4
1/4
1/4
1/4
B型
BB
AB
1
BO
AB
1/2
1/2
BB
1
BB
BO
1/2
1/2
BO
1
BB
AB
1/2
1/2
BO
AO
AB
1/2
1/2
AO
BO
OO
AB
1/4
1/4
1/4
1/4
BB
BO
1/2
1/2
BB
BO
OO
1/4
1/2
1/4
BO
OO
1/2
1/2
AO
BB
BO
AB
1/4
1/4
1/4
1/4
O型
OO
AO
1
AO
OO
1/2
1/2
BO
1
BO
OO
1/2
1/2
OO
1
AO
BO
1/2
1/2
AB型
AB
AA
AB
1/2
1/2
AA
AO
BO
AB
1/4
1/4
1/4
1/4
BB
AB
1/2
1/2
AO
BB
BO
AB
1/4
1/4
1/4
1/4
AO
BO
1/2
1/2
AA
BB
AB
1/4
1/4
1/2

行列は対称。

実際の社会は、世代は入り交じっていますし、男女の区別もあります。男女の違いは縮退しているとして、血液型による男女の相性や子供の数の違いなども、ないとしちゃいます。

それぞれの血液型の割合を、PAAのように書けば、

PAA + PAO + PBB + PBO + POO + PAB = 1

これで、親の世代の血液型分布から、子供の代の血液型分布の漸化式が書けます。

PAA' = PAA2 + PAA・PAO + PAA・PAB + 1/4 PAO2 + 1/2 PAO・PAB + 1/4 PAB2
PAO' = PAA・PAO + PAA・PBO + 2 PAA・POO + 1/2 PAO2 + 1/2 PAO・PBO + PAO・POO + 1/2 PAO・PAB + 1/2 PBO・PAB + POO・PAB
PBB' = PBB2 + PBB・PBO + PBB・PAB + 1/4 PBO2 + 1/2 PBO・PAB + 1/4 PAB2
PBO' = PAO・PBB + 1/2 PAO・PBO + 1/2 PAO・PAB + PBB・PBO + 2 PBB・POO + 1/2 PBO2 + PBO・POO + 1/2 PBO・PAB + POO・PAB
POO' = 1/4 PAO2 + 1/2 PAO・PBO + PAO・POO + 1/4 PBO2 + PBO・POO + POO2
PAB' = 2 PAA・PBB + PAA・PBO + PAA・PAB + PAO・PBB + 1/2 PAO・PBO + 1/2 PAO・PAB + PBB・PAB + 1/2 PBO・PAB + 1/2 PAB2

(※ここにブックマーク。説明は後で。)

見た感じ線形でないし、解析的には解けそうにありません。非線形だと初期値によってまるきり結果が違ってしまうかも。

手で解けなければ後はコンピュータの仕事。丸め誤差なんか気にせず、そのままループで回してみました。

AとBとOを均一に含んでいれば、こんな感じになるみたい。

A型: 26%
B型: 26%
O型: 1%未満
AB型: 47%

AB型、圧倒的に強い、でもって、O型弱い。

 

結果と実際

一応、今の日本人の血液型の分布はこうらしい。

A型: 約40%
B型: 約20%
O型: 約30%
AB型: 約10%

世界各地で分布にはずいぶん偏りがあって、むやみにO型の多いところ、B型の多いところ様々のようです。それでもAB型だけは、どの国でも少ないそう。シミュレーションの結果とは大分違います。

付け加えて実際の血液型の場合、ABO式でも単純に4種類と言うことはなく、特殊な血液型が存在しますし、生きている間に血液型が変わることもないことではないらしい。

このシミュレーションとの違いっぷりはなんでしょう。初期値が違う? まだ、分布が平衡に達するほど世代を重ねていないせい? それとも、やっぱり何か、血液型で相性、子孫の設けやすさ、丈夫さに違いがあるのでしょうか。

 


 

疑惑

と、ここまで書いてほったらかしになってたのが半年前。

もう少しきれいにまとめて、ホームページにのっけてみようかと思いました。プログラムも書き直して、もう一度シミュレーションをしなおして。

あれ?

ループを回すと、どんな初期値でも1回で収束します。

---どうも前回のプログラムにバグがあったようです。つまり、ブックマーク以降は全くのでたらめ。

でも、こんな結果なら、絶対に手で解けるはず。ここで遺伝子がAとOしかないToy Modelで考えてみると、漸化式は因数分解できる!

同じ手で、ABO式でも因数分解できました。

QA= PAA + 1/2 PAO + 1/2 PAB
QB= PBB + 1/2 PBO + 1/2 PAB
QO= POO + 1/2 PAO + 1/2 PBO

と置けば、QA + QB + QO = 1です。

先の漸化式を書き直せば、こんな感じ。

PAA' = QA2
PAO' = 2 QA・QO
PBB' = QB2
PBO' = 2 QB・QO
POO' = QO2
PAB' = 2 QA・QB

導入したQAの次世代を考えれば、定義から、

QA'= QA

他も同様。

従って、2世代目以降は1世代目の分布から変化しないと言えます。

 

まとめ

ご大層な計算をした割に、結論はシンプルです。

QAと言うのはAの遺伝子の割合に他なりませんから、全くランダムに結婚、子供が産まれる限り、遺伝子の割合は最初から変わらない。ひいては血液型の割合も変わらない、と言うことになります。

逆に、もし血液型で本当に相性などがあるのなら、時間とともに分布に変化があっても良いはず。

ちなみに、医学辞典によれば、日本の遺伝子の分布はこんな感じ。

QA 0.27
QB 0.17
QO 0.56

日本人は半分以上Oの遺伝子なのでした。

勿論、計算しても、今の分布と合っています。

A型: 38%
B型: 22%
O型: 31%
AB型: 9%

多分、知ってる人には自明のことかも。長々と、おつかれさまでした。