■標準時報局 CHU(カナダ)■
おぎのかずとし
【INMSの建物(Web pageより)】
2.歴史的な経過
CHUの運用開始は1922年までさかのぼります。最初は3AFというコールサインで1922年からはじまり、翌1923年には9CCというコールサインで波長275m(1.1MHz)の実験送信が行われています。9CCのコールの下、1928年には毎日送信が53.5m(5.6MHz)で始まりましたが、これは後に40.8m(7.335MHz)の送信開始によって廃止されています。なお、9CCのコールサインはのちにVE9CCとなっています。日中の連続送信は1933年に開始され、上記2波に20.4m(14.67MHz)が追加されたというものでした。その後、コールサインはVE9OBとなり、1938年に今のコールサインCHUになりました。
1967年にはセシウム原子時計の採用によって、時刻および周波数の精度が一気にあがりました。
1970年にはCHUの管理が、それまでのDominion Observatoryの天文部からNRAの物理部へと移転しました。
1990年4月からは、UTC(協定世界時)を使用するようになりました。
3.時刻および周波数の精度
CHUの周波数および時刻は、送信サイトにある3つの原子時計から多数決原理にもとづいて作られます。これらの原子時計は、送信地から約20km離れたNRCの時間研究所にある基準セシウム時計と毎日比較されています。通常、CHUの時刻の精度は10−4秒で、周波数の精度は5×10−12です。基準となるセシウム時計の精度はUTCに対して10μS、1×10−13です。
【QSLカード】
4.送信スケジュール
タイムコードの各時間の最初の1分は9秒間の無音区間と1000Hz、0.3秒間の秒パルスで始まります。次の59分間は、次のような分スケジュールとなっています。まず、1000Hz、0.5秒の秒パルス、0.3秒のDUT1コード、28秒間の通常の秒パルス、29秒目のパルスは省略されます。30秒の通常のパルスに続き、31秒〜39秒に後述するようなデジタル時間コードが入ります。40秒〜50秒は通常の時刻パルスです。最後の10秒間に2カ国語による局名アナウンス、時刻アナウンスが入ります。
5.デジタル信号のフォーマット
毎分31秒〜39秒に送信される時間コードは、FSK(周波数シフト変調)というデータ送信形式で、Bell
103互換モデムを持つコンピュータで読むことができます。ON周波数は2225Hz、OFF周波数は2025Hzです。データには、時刻UTC、年間通算日(1-366)、グレゴリウスの年(4ビット)、閏秒の告知、DUT1、TAI(国際的な原子時)とUTCとの差、カナダの夏時間を含みます。それぞれの秒は次のようになっています。
0〜10mS 開始ノイズ
10〜143.3mS モデムセットアップのための2225Hzのトーン(133.3mS)
143.3〜510mS データ(366.6mS)
510〜520mS ストップビットのオーバーランを避けるための2225Hzトーン(10mS)
520mS〜 秒の最後までの空白
データ自身は10バイトから成っており、2つのフォーマットがあります。31秒のものをフォーマットBとよび、32〜39秒のものをフォーマットAと呼びます。各フォーマットは5バイトのデータ部と5バイトの冗長部を持っています。フォーマットAの冗長部にはデータ部と同じデータが入っています。フォーマットBの冗長部にはデータ部の逆データ(補数表現)が入っています。このようにしてデータが正確に送られるようになっています。
フォーマットAは「6d dd hh mm
ss」というデータ形式で、「6」は定数、「ddd」は年間通算日、「hh:mm:ss」はUTC時間がBCDコードで表示されています。
フォーマットBは、「xz yy yy tt
aa」というデータ形式で、「z」はDUT1の絶対値、「yyyy」はグレゴリウスの年、「tt」はTAIとUTCのBCD差分、「aa」はカナダの夏時間パターンのコードです。「x」は、次のようにコード化されています。
1:DUT1の符号(0は+)
2:閏秒(加算される場合)
4:閏秒(減算される場合)
8:偶数パリティービット
【参考】
◆CHU URL http://www.nrc.ca/inms/time/chu.html
E-mail time@nrc.ca