■標準時報局 MSF(イギリス)■
おぎのかずとし
今回は、イギリスの標準時報局MSFを紹介しよう。
1.概要
MSFの送信地はRugby(北緯52゜22’、西経1゜11’)で、24時間運用されている。
送信周波数は、長波の60kHzで、周波数精度は2×10-12以内、出力は15kWとなっている。
MSFの名称は、日本のJJYと同じく放送上のコールサインである。Mはイギリスのプリフィックスで、SFは局のIDだが、ウェブの中では推論と断わりつつ「Standard
Frequency」という説を紹介している。
MSFの資金は通商産業省が出しており、技術的な管轄を国立物理研究所(NPL)が行ない、実際の送信はNPLと契約を結んでいるBT
Radio Engineering Servicesが行っている。
アンテナは、頭頂部が500m、高さ180mのT型アンテナを使用している。ビームパターンはほぼ無指向性である。
MSFの信号は、NPLが提供する原子時計とタイムコード機によって作られ、送信される。送信信号は、モニターされ、TeddingtonのNPLにある標準時間と比較、調整されている。
2.歴史的経過
MSFが1950年に設立されたときには、60kHzだけでなく、2.5MHz、5MHz、10MHzの短波帯を使って、30分の運用を1日数回行っていた。この頃は、まだ分信号と秒信号だけであった。1953年5月には24時間運用となったが、他局の信号を受信するために5分間の停波時間があった。60kHzが24時間運用となるのは1966年のことである。
その後、1974年9月に、毎分の最初の秒信号の間に分と秒の情報が100bit/Sのデータとして付け加えられた。1976年11月には、それに月日データが追加された。現在のようなデータ形式になったのは、1998年10月のことである。
短波帯の3波が廃止されたのは、1988年2月のことであった。理由は、JJYと同様に、短波帯での利用がほとんどないためである。
現在、MSFの運用は契約では2007年までということになっている。
3.日時コードフォーマット
日時コードは、下図のように、毎分00秒には分識別パルスが、01〜59秒には、それぞれ2つのパルスxxAとxxBが入れられている。xxは各秒に相当する。パルスの極性は、0がON、1がOFFである。
01A〜16A、17B〜59Bは未使用である。01B〜16BはDUTコードで、UTCとGMTとの差を100mS単位で±800mSまで表す。17A〜24Aは年(西暦を下2桁で)を、25A〜29Aは月を、30A〜35Aは日を、36A〜38Aは曜日(0が日曜日、6が土曜日)を、39A〜44Aは時を、45A〜51Aは分をBCDコードで表す。
【逸話的短文】
実はRugbyには、MSFの前にGBRという電信局があった。GBRは16kHzで、郵政省が管轄し1926年から全世界的なサービスを開始した。翌1927年12月19日に、GBRは王立天文台からの時間信号を送信するサービスを始めた。10時と18時GMTの2回、5分間の秒信号を送信した。GBRは1986年11月末をもって閉局となった。
【参考資料】
http://www.npl.co.uk/npl/ctm/msf.html

