愚かなる行いのほとんどは、自分とは似ても似つかない人間のマネをしようとすることから生じる
―サミュエル・ジョンソン

























彼らが監禁されたのは灰色の空間

天井の中央に埋め込まれた照明では心もとなくうす暗い

縦横十二メートル高さ二.五メートル

その床の正方形の各頂点に彼らは一人ずつ繋がれていた

男男
女女

片方の足首をぐるりと覆う金属の筒に太い鎖が繋がれたものによって行動は制限され、

せいぜい三十センチが彼らの行動可能範囲

部屋の中央には食料と水と折れ曲がった鉄パイプと割れた十五センチほどの尖ったガラス片

そして女の一人には拘束を解く鍵が制服のポケットに忍ばされていた
















監禁されたのは四人の人間

サラリーマンの淵東

内装工の鈴木

二人の女子学生、天崎と一之瀬

次第に同じ境遇の彼らに生まれるある疑念












「お前のことを忘れるものか」

集められた彼らは一年前起きた連続強姦殺人事件の被害者の一人に深く関わっていた

そして宴が始まる












「私は、貴方の言う、気持ちの悪い外人が逃がした人間なのよ…」

だが一之瀬は止まらなかった

「私を犯せば、貴方を楽しませなかったあの子を見返してやれるかもしれないわよ?

あの場で出来なかったすべてを邪魔の入らないここで、仕返しにすればいいじゃないの。

つまらなかったんでしょう?それにあの子を最後に逮捕されたのよね?さぞ無念だったでしょう?

なら、再開は私からにしたら?そうすれば、あの子も…浮かばれないことでしょうしね……」

覚悟を持って紡がれた言葉は寺田の興味を引いていったようだ

寺田の顔色がそれを物語っている

「へぇ…面白ぇなナオちゃん、せっかくの再会だしってかい?

ここまでお膳立てされてるのも何か運命を感じちまうけどさ、でもよ?

お前あの女と同じで他人を庇うのはいいけどよ、あの女と反応まで同じだったら、

ナオちゃんさ、俺はキレてナオちゃんにしようとすることを全部月夜ちゃんにやって、

それを全部目の前で見させるけど、いいよなぁ?

目をそらさせねえぞ、耳をふさがせねえぞ、そしてお前だけは殺さねぇぞ」

寺田は天崎の足首に鍵をかけながら凄む、

普通の人間なら泣き出すかもしれない

恐怖におののいて悲鳴を上げるかもしれない

我を忘れて失禁するかもしれない

しかし、一之瀬ナオは笑った

狂ったのではない

恐怖よりも強い感情があったから

「ふふっ、私は、お前を殺したいほど憎んでいる。私の友人を犯して、あまつさえつまらないから殺した?

そんな男に体を差し出す私の気持ちが、お前に分かる?お前のことがトラウマで人前で肌を晒せなくなって転校した私がよ?

どれほどの怒りだか分かる?憎悪なんて陳腐な言葉では、表すことなんて出来ない、だからね、お前に犯されようが、

痛めつけられようが、殺されようが、何をされようが、私がお前に屈することなどありはしないのよ。

貴方には嬉しいことでしょう?何をやっても心が壊れず耐え切るオモチャがここにあるのよ。

耐えてやるわ…ずっとね、ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと耐えて、

お前が快楽で狂って死ぬまで私は耐えてやる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

さあ、私を犯しなさい!!!!!!!!!私に殺されてみなさいよっ!!!!!!!!!!!!!!!!」














復讐のために体を捨て












「とぼけてはいけないよ、だって私は、君の友人が殺されたあの日、君の友人が殺されたあそこで、

君の友人が殺された一部始終を見ていたんだからね、君が何をしていたのか僕は知っているんだ」

「あぁ、ぁぁあぁぁぁぁ…」

絶望が顔に浮かぶ

寺田の暴行に耐え切った一之瀬の心がただの一言で崩れていくよう



「友人に助けられた君は何をした?」

「や…めて」

一つ

「助けを求めにも行かず何をした?」

「やぁ…いやぁ」

一つ

「犯されている友人を見ていたんだろう?」

「ちがっ、違うの」

一つ

「どうだった、どんな気分だったんだ?」

「あれは、あれはっ」

一つ

一之瀬の心が砕かれていく

壊されていく

「自分を殺人鬼から身を挺して救ってくれた友人を見殺しにして、助けも呼ばず、あまつさえその様子を見て、

たいそう気持ちよさそうに自分を慰めていたんだよね君は!!!!!」

「ぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

ああああああああああああああああああああああああああああぁぁああああああああああああああああああああ

ああああああああああぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

あああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

粉々になっていく

「寺田のせいでトラウマ?違うだろ、あの時自分を弄くって気持ちよくしていたその手が、

穢らわしくて仕方なくて誰にも見せられなくなったから手袋をしていたんだろ?メリッサ、メリッサって、

だらしなく舌を出して、あそこをぐちゃぐちゃにかき回してクリトリスをめちゃくちゃにいじっていたじゃないか?

僕はね、ずっと見ていたんだ。あんまり君がいかれていて気持ちよさそうだから、興奮してしまってね、

思わず帰り際にあの子の死体を犯してしまったくらいなんだよ?」

「やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、やめて、

もうやめて、もやめて、もうやめて、もうやめて、もうやめて。もうやめて、もうやめて、もうやめて、もうやめて、

ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、

いやぁああああああああああああああああああぁぁああああああああああああああああああああああああああ

あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

あああああああああああああああああああああぁあああああああああああああああああああああああああああ

あああああぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

消えていく

「それで、そんな君が、いったい誰を守るんだい?そんな君が、寺田に復讐?笑わせないでくれよ、

さあそんな手袋は取ってしまおう、ほら、穢れた君の両手だ。さあ、本当に穢れてしまった、

君の大事なところを、さあ好きなだけ、弄りなさい。両方穢れているのだからそれはもうたいそう、

気持ちよくなれるだろうからさ…………お前はそこで死ぬまでオナニーしていろ」












罪によって心を捨て












全てが終わったときそれは完成した












犯されて





見捨てられ





殺されて





辱められ












私はあの人として完成する


















「うん、あり、がとう、わかった」












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