落ちる!

 緻密に折りたたまれた純白の翼。わずかに寝乱れた栗色の巻き毛。 紅の唇は無邪気に嘘を幾つもついた。
 女の背中の厚みを知る腕。女の体をもてあそんだ指先。天使は朝の光を浴びてまどろんでいる。
 逞しい肩に掌をあてて軽くやさしく揺り起こす。その前に女は、いつものように耳許に口を寄せ、 囁き声で天使の潜在意識にその言葉を送り込むのだ。


表紙に戻ります。 目次に戻ります。