Entertainment Weekly 2000年11月3日号

「役を得たら、役になりきる、それで僕達はうまくいく。すごいことさ」:アリーmyラブの復調とダウニー
今シーズンの配役の成功を収めるべく、アリーmyラブは、カリスタ・フロックハートに刑務所から出所したばかりのロバート・ダウニーJr.という強力な仲間を与えた。このテレビ上のホットなデュオは、番組のために視聴率を上げるのだろうか?

BY DAN SNIERSON

「蛍の光,窓の雪…♪」

頬を紅潮させて楽しげに歌っているクルーの一人は、カメラに向かって凍るように寒い冬の風をものともせずにホリデ−ギフトを持って歩き、暖かそうに着込んだボストンの人として「蛍の光」を口パクしている。10月初めの午後、15.5度という気温のロサンジェルスにいるにもかかわらず、アリーmyラブのセットでは明らかに12月である。赤い蝶結びのリボンが街灯を飾り付け、実に丸々と太ったサンタクロースは救世軍のベルを振り、そこへカリスタ・フロックハートがやってくる。アリーがお祭り騒ぎ(贈り物を買うためにお金を集めるだけの)のすぐそばを通りながらムッとするシーンを撮っているのだ。そして彼女は怒って聖歌隊にぶつかっていく。

数分後、アリーがキラキラと飾られた通りをイライラしながらやって来て、危うく歩行者とぶつかりそうになるところをカメラは追う。彼女は右に左に上手く身をかわし、邪魔なその人を見上げる。わぁ、まさか!ロバート・ダウニーJr.だ。この街で今までに見たこともない、とても素敵な青年。オシャレなスーツを着て、頭の切れる弁護士ラリー・ポール。

キューの合図で、ビックリしたヒロインは「ラリー!」と声を上げ、彼の腕をこづきながら、「私、ちょうどあなたに会いに行くところだったのよ」と言う。

「僕も君に会いに行くところだったんだよ」と直ぐに答えるダウニー。

「そうなの?」

「カップルが途中でバッタリ会えるのは良い兆候だって言われているよね。」間をおいて「私達って、良いカップル?」期待を持った雌鹿のような目と憂鬱そうに歪んだ唇でいつものアリーらしさを出しながら、彼女は尋ねる。

そしてカット! 審査員である視聴者に、マクビールさんが番組の新シーズンについて、もっとも機知に溢れ、魅力的で困惑させ、ワクワクさせるような話題を提供したことを報告する。

しかし、ここのところ身を潜めていた人々のために、振り返ってみよう。その変てこなプロットの工夫(こっちで鼻をピーピー、あっちでダンシング・ベイビー)と、才能があってマスコミを惹き付けるスターについてはすでに有名だが、FOXの挑発的な弁護士ドラマは、ダウニー氏が少なくとも8話にアリーの恋人として出演する契約をしたという8月10日のニュースで、ハリウッドの関係者達がモカ・カプチーノをのんびりと楽しんでいられないほど衝撃を与えた。確かに、大物映画スターたちは以前にも小さなスクリーンで光彩を放ってきた。ブルース・ウィリスが「フレンズ」の前シーズン(シーズン6)に突然現れたり、サリー・フィールドは今月始まった「ER」に刺激を与える6話分を撮っている。しかし、これまでは明らかに、誰かが議論の的になったことはなく冷静だった――人は彼を、彼の世代でおそらく最も優れた映画俳優、あるいは囚人#P50522として知ってるかもしれない――このようにTVは作られる。そう、判断は番組の中で。アリーmyラブではクリスマスが3か月も早くやってきた。

古くて趣のあるbrentwoodレストランですっかり物思いにふけり、カリスタ・フロックハートは彼女の番組のシーズン4についてじっくり考えるのに、長い22秒間を費やしている。(人々はアリーを内省的な女性だと考えるだろう)「番組について、とてもたくさんのことが変わったわ」彼女は自分のKrispy Kreme野球帽をなおしながら、やっと話し始める。「私達は2人の俳優を失ったけれど、当面は半永久的にいる予定の別の人を得たわ。そして新しいプロデューサーもね。ただそれはとてもデリケートだから、生態系を壊すことは難しいわ。誰かが番組を離れていく時、とてもチームワークが乱れる可能性があるの。でもそのまた一方では、変化は避けられないことで・・・そしてそれはいつも良い結果になってるわ」

一部の人々は非常によいことだと言うかもしれない:昨シーズン、以前はやっきになっていた批評家達は、番組は突飛になりすぎつつある、と非難し始めた。妄想に覆われた死や、続いてビリー(今は降板したギル・ベローズ)の幽霊が現れたり、あるいは人の心を惹き付けるほどの神経過敏さから――ん・・・どう言ったらいいのだろう?――少し精神が錯乱した状態になるまでフロックハートの役が鋭かったり。視聴者は少し興味を失い、番組を観ない人も出てきた:シリーズはトップ20から消え、視聴者の13%を失った。編集された番組の30分版も、すぐに役立たずとなった。そして別の明らかなサイン:1999年にエミー賞・最優秀コメディ作品賞を獲得した後、今年のアリーはノミネートさえされなかった。(キャストの心臓に多数の矢を突き刺す漫画のようなF/X(特殊効果)を挿入しなさい)

「アリーにまつわる話は常にある」とクリエイターのデイヴィッド・ケリーは認める。「その話を思い浮かべる時、ほんの少しクレージーだよね。通りで小人たちがキャラクター達を追う話が2〜3あった。それは前年に私たちが作ったアリーの空想の世界の一部と、コンセプト的に全く何の違いもなかった。しかし私は、それはちょっと行き過ぎだと視聴者が感じたのだと思う。そして彼らはたぶん正しかったんだ」

どうなってるのだろう?全能のミスターTVマンが欠点を見せているのか?ともかく、ここにケリーからのさらに大きな告白がある:「ザ・プラクティス」と新番組「ボストン・パブリック」を指揮し、非常に多作のこの映像作家は、遂にアリーのために一人の脚本家を雇った。少なくとも、私達は彼はそうしたと思う。「私は彼らに会ったこともないし、見たこともないの。だからあなた方のために確かめることができないのよ」35歳のフロックハートはポーカーフェイスで言う。「でも私は彼らが存在すると言われてきたの」分かった、デイヴィッド、これって本当かい?「本当だよ」彼は笑いながら断言する。「私は助けられてるんだ」

そして作家達の最初の明確な使命は、彼女が今や30の大台に乗ったので、名ばかりの感情的なチェルノブイリを、崩壊する傾向がより少ない、より自信に満ちた女性に変える事だろう。しかし、番組はまだ一風変わった旗を誇らしげに掲げるだろう(look for Florence Henderson to drop by as the instructor of the very un-Brady course How to Satisfy Your Man
(訳注:この文章、かなり格闘したのですが訳せませんでした・・・))。「エピソードの焦点は、昨年に比べ、彼らの恋愛が中心になることだろう」とケリーはほのめかす。「そのストーリーは、規模においては小さいかもしれない。しかし私は思う。彼らは、たぶん結局は、もっと視聴者の興味を引くだろう」 これを受けて、リン(ルーシー・リュー)とフィッシュ(グレッグ・ジャーマン)の奇妙で軽いロマンスは一段と熱くなり、ビスケット(ピーター・マクニコル)はゲストのアン・ヘッシュ(あのう、ふんだんに投入するキャスティングは大成功?それとも何?)演じる新しい恋人を得る。and after getting entangled in a Crying Game twist(訳注:Crying Game twistの意味がわからず訳せませんでした・・・)、事務所の新顔マーク(ジェームズ・レグロス)は、結局、エレイン(ジェイン・クラコウスキー)と付き合うようになる。

しかし、ダウニーとフロックハートの熱烈な組み合わせに対抗させようとペアにするのは、そのペア(マークとエレイン)にとって可哀想なことだ。「でもちょうどよい組み合わせのような気がするよ」とケリーは言う。「ロバートは、私達が考えているコメディのトーン、つまりこの番組にとって本質的なコメディーのトーンを持っている。私達はアリーの恋愛対象を見つけることに、とてもハードな時間を費やしてきた。その理由の一つが、男と一緒のアリーを見るとき、多くの人たちが'ええー、彼ではうまくいかない'みたいなことを言うことだ。私はこう思うんだ、私達の視聴者はとてもアリーを注意深く見守っている――私達がそうであるように――だから彼女が誰かと付き合う場合は、その男は十分良い男であるほうがいいと」

その点に問題はない。「私は、彼は皆が一層の努力をするように鼓舞すると思うわ」フロックハートは彼女の新しい共演者について語る。「4年間も番組を続けることは難しいわ。癖がついて、やり方に慣れ、皆ちょうど・・・私は以前は良くなかったなんてほのめかしたくないの。でも新しく加わる人のエネルギーは少しzuuushhhh!素敵なインスピレーションを与えるの。たぶん彼は少しレベルをあげたかもしれないわ」

ネットワークは間違いなくそう考える。アリーは「全盛の頃に戻る」、Fox Entertainmentの社長ゲイル・バーマンは主張する。「もしこれまで調子が悪かったとしても、これから確実に戻る」

実際に、それについて結論はまだ出ていない。番組の10月23日のシーズン初回は、熱烈な賛辞と手ごたえある1,320万人の視聴者を引き寄せ、昨シーズン平均値1,200万人を上回ったが、それはちょっと全面的な成功とは言いかねる。(そのエピソードは昨シーズンの初回に比べ17.5%下がり、番組はABC局の"Monday Night Football"やCBS局の「Hey!レイモンド」に負けた)その上、ダウニーの話は4話までなく、調子が出るまでしばらく時間がかかるかもしれない。   

しかし、それはそれとして、アリー関係者は既に心の中では奮起している。「私達は皆がまず最初に愛したストーリーを話すために戻り、あんなふうに戻ることを皆にみせようと躍起になっている」アリーのエグゼグティブ・プロデューサーであるビル・デリアはそう語る。彼は昨シーズンの終わりに向けて番組に加わった。「そう、そうだ、見せるのは理由があるんだよ――私達は見せるつもりなんだ、なんてこった!」アリーの共同エグゼグティヴ・プロデューサーのアリス・ウェストはうなり声を真似ながら言い足した。「私達はまたノミネートされたいのよ」

アリーのセットから数マイル離れた高級ビーチホテルに泊まり、ダウニーは彼の体に良くない物でいっぱいのテーブルの上に覆いかぶさる。「がんばって食べてるよ」とはっきり彼は言い、両手を擦り合わせながら、「なぜなら体調がすぐれないんだ」

そう警告を発して、彼は揚げたズッキーニのスティックをフォーク一杯に突き刺し、それをドレッシングのカップの中に浸す。彼は油で後ろになでつけた髪ときれいに髭をそった顔から、シャワーを浴びたように見えるが、どうやら彼はフロックハート(彼女も、数人の他のスタッフ同様、一時的に撮影を中断してウィルスと闘った)から、ロマンティックなシーンを何度も繰り返し撮影している間に「蔓延するインフルエンザ」に感染したようだ。彼は不平を言っている訳ではない。「僕は思い切ったことをやりすぎると思われたくない」と彼は言い、「だけど僕は、その、『Hey、いいかい、役を得たら、役になりきる、それで僕達はうまくいく。すごいことさ』」

確かに彼は最後の務めをきっちり果たしている:つまり、薬物および武器所持で受けた有罪判決における保護観察下での、薬物テスト違背に対する12ヵ月間にわたる刑務所での服役(彼にとっては2回目)のことだ。8月2日に釈放されて、新しい空気を吸ったダウニー35歳は、夜のニュース用ではないカメラなどの前に急いで戻りたがっていた。そして2日後、彼は自分の代理人であるエド・リマトとニック・スタインのいるハリウッドの芸能プロダクションであるICMにいることになる。(ダウニーは思い起こす。「僕はまあ、こんな感じだったな。『僕はエドの事務所にいる。非常に大きなところだ。あぁ、外に出てよかった。僕にソーダ水を出してくれている。彼らにまた会えて本当に会えてよかった』」)略式の再会の終わりまでに、話題は、ダウニーのために用意された映画の役のオファー(伝記映画、ドラマ、コメディ)がますます増えていることへとゆっくり移っていった。あぁ、そうだ、アリーmyラブという小さなTV番組からもかなり打診があった。ここ数年、ケリーの製作会社社長パム・ウィズンは、運がよければとダウニーを追っていて、まったく偶然にも、ICMでの再会前の24時間未満、ダウニーの担当者と以前から予定されていた話し合いを持っていたのだ。「何て言えばいいの?」ウィズンは、私達はうまくいく! 彼はここに来たがっている!と見て取って、彼女の戦略にほくそ笑む。「たぶん私の素朴な行為が私に成功を導いたのかもしれない」

巡り合わせがうまくいくかのように、強いられた制限は彼がアリーを観るのを邪魔したが、ダウニーは図らずも番組の即席のファンになった。(「あのさ、(刑務所の中では)TVスケジュールを決めるとき、アリーを見ることに賛成する人が多くはなかったんだ」と彼は言う。「友達はたくさんいたよ。実を言うと、番組が始まるときに決まってそうなんだけど、『Da na na na na』みんなが拍手してる? 僕は神に誓うんだ、それはちょうど『Da na na na na 人生はこうなるはずだった』と言っている75人の凶悪犯のようだった。パチパチパチパチ!『拍手を止めろ、おい!僕は4時半から台所にいるんだぞ!』『静かにしろ!』」) いずれにせよ、アリーのシナリオには好奇心をそそられ、予期せず見つけたものがあり、実に論理的でさえあった。第一歩のために、その仕事は(1つのエピソードにつき10万ドル近い)もうすぐ始まるだろう。長編映画での移動しながら仕事を続ける状況と比較して、週1回のTVの役は、彼の回復にとって安定し、支えとなる出発点を用意することができた。ケリーの製作会社は、撮影所内での12段階のミーティングのスポンサーでさえある。

また、悪役(最近では「追跡者」や「イン・ドリームズ/殺意の森」)として自分の役割以上に取り組んできた男にとって、ダウニーは、復帰後初めての役として、快活でナイスガイの役を引き受けることを望んだ。実際、ここでうまくやっていくことは、少しはイメージ回復の宣伝になっているかもしれない。しかし彼は、そもそもえり好みしたためだったと言う。彼の6歳になる息子のことだ。「インディオがこう言ったんだ、『パパ、次はいい人を演るの?』」ダウニーは子供を真似ながら甘ったるく言う。「それで僕はこう言った。『もちろん!』」彼はその時の思いがけない息子の愛らしさを思い出して一瞬沈黙し、そして付け加える。「彼のところへ行って話したわけではないけど、『インディオ、これからお前はリラックスできるぞ。パパは弁護士を演じるんだ!』」

不思議に思っている人がいるかもしれないが、予想外に、法に仕える者を演じる強烈な皮肉は、彼には通じなかったのだ。事実、ダウニーは、彼が初めてアリーの法廷のセットの中を歩いた時、「TVドラマの弁護士を演じることはtriple reverse Ionesco
(訳注:何を意味してるのでしょうか?)のようだった。この偽の法廷の中に入っていくのはなかなか良かったよ。僕はすぐに裁判官の椅子の方へ上がっていった。いい眺めだ。好ましい眺望だった」

ダウニーが服役している間、あるアカデミー賞にノミネートされたこともある前科者が彼らのチームに加わることを聞いて、他のキャスト達はどんな反応したのか想像してほしい。「冗談かと思ったよ」とジャーマンは強調する。「僕は思ったね。『それって彼が望んでいることなのか?僕達と一緒にいることが?』本当にそう思ったんだ。彼が…僕達をけなすためでなく、一緒にやりたがっていることが信じられなかった。正式に発表された時、興奮したよ。まるでこんな感じさ、『彼女が僕とデートしたいって???本当に???待ってよ、もう一度僕の写真を見てみてよ。ねぇ、彼女はまだ僕とデートしたいって?したいの?OK、凄いよ!行く!行く!』」

もっとも、この街の誰もが、かなりの上機嫌でそのニュースを受け取ったわけではないが。「非常に多くの他のプロデューサー達や、数多くの番組を持つTV放送ネットワークの重役達から聞いたことだと言って差し支えないだろう」ICMのスタインはそう語る。「彼らは少々怒っていて――なぜ私達が彼らのことを思い付かなかったのか、私達は友達ではないのか、等々。それで私はこう返答したんだ、『あなた達は、私達が部屋に入って座って、'ロバートはどのTV番組に出るべきかな?'と本当に言うと思うのか?』この選択はディヴィッド・ケリーが素晴らしかったからなんだ、そしてロバートがまさに感じたことだったんだよ」

しっと深い重役たちは忌々しいが、ダウニーはアリーランドでとても幸せなようだ。カメラが回ってないとき、彼とフロックハートはお互いに小突きあってふざけたり、相手の頬に化粧したり、たいていは、ぶらぶらして過ごしているのが見られる。そしてカメラが回っているときは――見逃さないで。「彼が部屋の中に入ってきて、私達がその場面を始めるときはいつでも、何かが起ころうとしていることは明らかよ」とフロックハートは言う。「彼は型にはまっている俳優ではないわ。ただ彼には、全く抑制されてなく、とても自由で、修正されていない何かがあるの。そして彼はすばらしく明朗で頭が良いのよ。だからその組み合わせが命取りなの」

ダウニーはフロックハートを誰にも引けを取らない女優だと話す。「女優として最高の人。自分の考えを次々と展開していき――僕はその場の思い付きで話したくないが――いや、仕事をうまく進めていくための無意識ともいえるコメントが出せるんだ。彼女はとても早口で、非常に頭がいいから、僕は彼女とやっていけるし、その上、彼女は僕の心の内のひらめき(アドリブ)を読んで,どこか風変わりで素晴らしい方向へと導いてくれるんだ。僕の言ってること分かる?僕は彼女と一緒に演じるだけでお金が貰えるなんて素晴らしいって思っているんだ」

ちょっと待って、ここにはより大きな愛が存在するようだ。デリアは「私は幸運にも、あの二人の最初のシーンを演出したんだ」と熱心に話し、「私は40年代に戻って、昔のロマンチック・コメディを作っているような感じだったよ」わかりました、他の人は何かありますか?「カリスタは、目下のところ、最も軽妙な女性コメディアンだよ」とジャーマンは言う。「彼等二人が一緒にいると――ちょっとしたケーリー・グラントとキャロル・ロンバードの世界がまわっているようだ。それは甘くて、可笑しくて、テンポが速くて、おしゃれで、かつて人々の心を魅了したようなね」

それでもやはり、私達はアリーのロマンスのすべてに疑いの目で質問せざるを得ないのだが、一体、今回のロマンスはどのくらい続くのだろうか?ダウニーの8話の契約が数週間で切れることを考えても(そして彼は、迫り来る不気味な何かに出くわす前に、映画へなんとか出たいのだ)、私達はまだしばらくは世界中の膨大な数の俳優たちの中から次の相手を探し始めることはしないだろう。アリー関係者は、彼を引き留めるために何か適当な方策を用いるだろう、と言う(「私は空中文字(飛行機による文字広告)について考えたよ」とデリアは話す)が、彼なしで続けるための完璧な用意もできているようだ。「私達は番組が何であるのかちゃんと承知している」デリアは言及する。「私達はこうはっきり言ったことはないんだよ『OK。私達には今ロバート・ダウニーJr.がいるんだ、番組をガラッとかえようじゃないか』ってね。非常に洞察力があって、才能に溢れた、素晴らしいキャストがいて、そして撮りたいストーリーがたくさんあるんだから」

アリーの仕事があってもなくても、ともかく、ダウニーは、回復に向けてS字カーヴのような険しい旅を続けるに違いない。(このすさんだ街でさえ、健全な多くの人々は彼に成功して欲しいようだ。「私達がランチか何かを食べている時」ウィズンは言及し、「いろいろな人たちが彼の方にやってきてはこう言うのよ、『さあ、今度こそがんばるんだ!幸運を祈ってるよ!』」)彼は目を大きく見開いて、なるべく多くの時間を彼の息子(ダウニーはインディオの母であるデボラ・ファルコナーと別居している)と過ごしていることについて話す。そしてあらゆる点で自分の人生を精算するための努力について話している間も、彼はニコニコ笑っている。「僕は本当に薬から綺麗さっぱりと足を洗おうとしてるんだ」彼は誇らしげに伝える。「僕は仕事の前の晩にほとんど服を着ずに外にいることに、非常に素晴らしい安らぎを見つけるんだ。つまり、僕自身を見つめるためにね。君はたぶん、僕がおそらくOCD(強迫性障害)だと思うだろう。だけどそうじゃないんだ。それは瞑想なんだよ」

とても気持ちの良い10月の日が終わりに近づき、ホテルの中庭はひんやりしているが、ダウニーは未来について慎重ながらも、あいかわらず楽観的に語る。「どういうわけか、僕にはもっと何かが必要だと感じたんだ・・・そしてドラッグにその何かを感じて、それを信じることにしたんだ」彼はそう言い、サングラス越しに穏やかなカリフォルニアの海の景色を見つめている。「でもこれは無駄話だね。ここに長居してるけど、日なたは暖かいね。それに僕は今日も未練を感じなかった。もうこれ以上求めるつもりはないよ」

−QUOT−
「この偽の法廷の中に入っていくのはなかなか良かったよ。僕はすぐに裁判官の椅子の方へ上がっていった。いい眺めだ。好ましい眺望だった」

翻訳協力:みかさん
  翻訳、記事提供:ウーラさん